Q. 対象としたクラスの特徴(学年、人数、授業目標等)
夏期講習にて高校生を対象に使用。レベルの目安として、今回使用した『Level 2』は高校1年生から高校2年生の中盤レベルで、1レッスン450語前後の想定。
授業目標:
① 「一気に読む」練習を通じて、まとまった長文の内容をしっかり理解すること。
② 読むだけでなく、文章の構造を捉え、要約(Summary)や自分の意見(Opinion)の発信に繋げること。
和訳に終始する古いスタイルの授業ではなく、長文を読む際の考え方や基礎的な読解力を養うことを目指した。
Q. 課題意識、導入の経緯
従来の長文問題集には、内容が古いものや、入試用に無理に圧縮・改変されていて素材の魅力が薄れているものが少なくない。生徒が「読んで何の役に立つのか」と感じるような無味乾燥な文章ではなく、知的好奇心を満たし、自ら調べてみたくなるような「面白い」トピックを読ませたいという課題意識があった。 また、小手先の入試テクニックに頼るのではなく、ベーシックな読解力をきちんと構築できる教材を探していた。本教材は、文法問題などは省いて内容理解に特化しており、完全書き下ろしで生徒にとって「読みやすい良文」が揃っている点が、導入の決め手となった。
Q. 実際の使い方
【授業展開例】
主に以下のような流れで授業や学習を進めた。
(1)予習
事前に本文を読み、付属の「Booster Book」の設問や概要(Summary)の穴埋めに取り組ませる。
(2)授業での内容理解
和訳するのではなく、「第1段落ではどんなことを言っていたか」など、段落ごとの内容を一緒に確認していく。
(3)共通テストを意識した演習
本文の内容が「事実(Fact)」か「意見(Opinion)」かの判別や、ストーリーの流れに沿って選択肢を並べ替える問題などにも取り組む。
(4)発信活動
最終的に、トピックに対する自分の意見を書かせるアウトプットまで繋げる。
(5)復習(音読)
授業後、1日1回のペースで合計12回の音読を推奨し、定着を図る。
Q. 工夫したポイント
他の教材とのリンクを意識した。例えば、マイクロプラスチックに関する長文を読んだ際には、同じテーマを扱った別のニュース教材と関連付けて学びを深める工夫をした。
また、本教材には単語リストが付属していないという弱点があるため、必要に応じてデジタル単語カードアプリ(Quizletなど)を活用したり、生成AIを利用してリストを作成したりするなどの補完が考えられる。
Q. 実施した結果
扱われているテーマが現代社会に即しており、生徒が好奇心を持って読める内容が多かった。ネイティブの生の文章にあるような学習者にとっての「不自然な引っかかり」がないため、生徒自身の力で読み進めることができた。 単に問題を解いて終わりではなく、文章の構造を意識しながら全体を通して論理展開を追うという「本質的な読む力」の底上げに寄与したと感じている。
Q. 今後に向けて
今回使用した『Level 2』以外にも、『Level 3』には「イギリスのAI校長先生」などさらに興味深い最新トピックが収録されており、ぜひ活用したいと考えている。中学生から高校低学年の間にこの教材で「読むためのベース」や多様なトピックの知識をしっかり作り、高3での志望校別の過去問演習にスムーズに移行できるのが理想的である。
また、作文の添削など教員側の負担になりやすい部分は、生成AIやデジタルツールなどをうまく連携させて、より効果的で充実した授業を作っていきたい。





