- 対象: 高校生・大学受験生(レベル: 標準)
- 技能: 英作文を中心に、文法・スピーキング・リスニング
- 種別: 参考書(文例集)。出版社: 啓隆社、監修: 鹿児島県高校教育研究会英語部会
- 向く狙い: 国公立大学2次試験の英作文対策。3年間くり返して英文の型を定着させる
英作基本文例600とはどんな教材か
出版社の紹介文によると、英語学習に欠かせない必要事項を習得するための文例集で、コミュニケーション活動に役立つ表現と入試頻出の表現をバランスよく配置しています。鹿児島県高校教育研究会英語部会が監修し、啓隆社が発行。「600選」の通称で鹿児島県下の高校生を中心に使われています。付属品はCDです。
構成(実践レポートより)
実践レポートを寄せた先生(匿名)によると、文法事項ごとに40項目に分かれ、1項目は見開き2ページです。左側に日本文、右側に英文の例文が15問ずつあり、基礎5問・標準5問・発展5問の3段階になっています。1年間でちょうど1回学習し終えられる分量で、簡単な文から少しずつ慣れていける構成とのことです。
現場で迷うポイント——どんなクラスに向き、どんな場合は別の選択か
向く生徒: 進学を目的として大学入試のための勉強をする生徒です。先生の学校では、主に国公立大学の2次試験の英作文問題の対策として使っています。最寄りの国立大学である鹿児島大学がオーソドックスな昔ながらの入試問題を実施しており、本教材の例文がその英作文問題と似ているため対策に適している、と述べています。
別の選択になる場合: 就職や専門学校への進学を目指すクラスには合わない、とのことです。
困ったところ: 各項目の例文に一貫性がなく、その項目の文法用法を使った文が15問ランダムに並んでいるので、テーマに沿ったものがあってもよいのでは、という意見です。また、教育機関が作っている教材のため文章がまじめな内容で、面白みに欠けるかもしれない、とも述べています。例文の内容で生徒を引きつける教材ではなく、型を反復して身につける教材として位置づけるのが合っています。
難易度の扱い: 難しい文は3年生までに読めるようになればよい、という考え方で、同じ教材を3年間くり返し使ってパターンを定着させる前提です。1年で完結させる使い方だと、発展問題の扱いに迷う可能性があります。
授業での使い方——導入・展開・宿題への組み込み
先生の学校では、文理科(大学進学コース)40名のうち半分の20名ほどが鹿児島大学へ進学することから、県の推薦教材として鹿児島県内で昔から伝統的に使われている本教材を採用しています。先生の実践レポートから、運用の流れを整理します。
- まず例文を頭に入れるため、課題として、例文をセリフのような感じでとにかく覚えるよう指導する。
- 次の授業で例文の解説を行う。授業中に文法が出てきたときも、本教材の例文を参照して説明する。
- 毎回の授業の最初に10分間の小テストを行う。併用している単語教材「Target」から10問と本教材から5問を出題し、習熟度を確認する。1項目15問なので、1項目を3回の小テストで扱う。
- 1年間でひととおり終わらせ、同じ教材を3年間くり返して用いる。
使ってみた結果
先生は、英単語をつなぎ合わせただけではしっかりした英文にならず、決まった型を身につけることで初見の英文でもパターンに合わせて読めるようになる、と述べています。授業中にわからない文が出てきたとき「『文例600』のこの文章を覚えてる?」と尋ねると、生徒は本教材で習った文を覚えていることが多く、そのパターンに当てはめて読ませるとしっかり読めるとのことです。
身につく力は主に英作文力と英語の表現力ですが、教材内の例文を読ませ・聞かせ・話させる機会も多く設けるため、スピーキングやリスニングの力も付き、4技能が伸ばせると先生は見ています。
編集部からひとこと
英語学習に欠かせない必要事項習得のための文例集。





