就職? 大学編入学? 未来に進むための「実感できる」語学力を! 神田外語学院で伸びる秘訣とは

最終更新日:2025年12月5日

「大学4年生の平均TOEICスコア545点(※)を、専門学校2年生が638点で上回る」——。必ずしも入学時の英語力が高いわけではない学生たちが、なぜこれほどまでに成長できたのか。

その答えは、神田外語学院の密度の濃いカリキュラムと、「教えるプロ」による実践的な指導にあります。実践的な英語スキルの習得はもちろん、異文化教育や社会問題を通じて教養を深める学びや、地域と連携したプロジェクト学習など、幅広い学びを提供しています。専門学校ならではの「語学漬けの2年間」で、学生は着実にスキルを身につけ、大学編入学や就職など多様な進路を実現しています。インターナショナルコミュニケーション科のコーディネーター・伊丹 康洋氏への取材を通し、志の高い学生が国内外の大学や専門職へと進む「橋渡し」役を担う同校の取り組みから、新たな進路選択の可能性を探ります。

※『TOEIC Program DADA & ANALYSIS 2024』より

TOEICスコアが2年で1.7倍! 専門学校2年が大学4年を上回る語学力の秘密

――教育目標について教えてください。

(伊丹)神田外語グループの建学理念は「言葉は世界をつなぐ平和の礎」です。私の学科では、その理念をより具体化し、『「語学力」や「異文化コミュニケーション力」を身につけ、多様な文化や価値観を理解して主体的に行動できる人材の育成』という教育目標を掲げています。

本校には、ビジネスコミュニケーション科、インターナショナルコミュニケーション科、グローバルゲートウェイ科という3つの学科があります。各学科には、学生の卒業後の進路を意識したユニークなカリキュラムを有する2年制のコースが合計13あり、英語科目をどのコースにも設置しながら、ビジネススキルや多言語の習得を目指しています。私はインターナショナルコミュニケーション科のコーディネーターとして、語学系コース、主に英語系科目のカリキュラム開発や授業運営の管理をしています。私自身、姉妹校の神田外語大学の出身で、卒業後は一般企業で働いた後、地元の学習塾で英語教員をしながら放送翻訳の仕事もしていました。現在の仕事についてからTESOLを取得し、より良い英語教育とは何かを本格的に考え始めました。そうした背景から、現在は学習者と教員両方の目線でカリキュラム開発を行い、社会で活きる英語力を身につけてもらえる教育の実践に取り組んでいます。

 ――貴校は学生のTOEICスコアの伸びが良いと評判ですよね。

(伊丹)ありがとうございます。TOEICは全学的に年4回の受験を必須としていて、学生は毎月任意でも受験ができる体制を作っています。例えば、本校を2024年度に卒業した学生のスコア平均は638.5点。国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)のデータによると、これは大学4年生の平均である545点(※)を大きく上回っています。

※『TOEIC Program DADA & ANALYSIS 2024』より

――それはすごいですね。どのような学生が入学してくるのでしょうか。

(伊丹)入学時点ではすべての学生の英語力が高いわけではありません。例年、入学後すぐに実施する試験では平均スコアが400点未満。それが1年後には550点程度、卒業時には600点以上になるのがここ数年の傾向です。2024年度卒業生のスコア推移を見ると、全学の入学時平均が376.7点のところ、卒業時には638.5点ですので約260点伸びています。

本校の学生の進路は、就職や海外留学に加え、近年は大学編入学が増えています。専門学校から4年制大学の3年次または2年次へ編入学できる制度ですが、TOEICで高得点を取得できれば、編入学試験時に英語の試験が免除されるなど、出願できる大学の幅が広がります。TOEICのスコアは就職活動においても重要ですが、大学編入学においても「入れる大学」ではなく、「入りたい大学」にチャレンジする際の大きな支えになっていることは間違いありません。

――大学への編入学も可能なのですね。現在、大学編入学を選択する学生の人数はどれくらいなのでしょうか。

(伊丹)2024年度卒業生の実績では、4年制大学への編入学試験の合格者はのべ193名です。合格率は93.2%で、姉妹校の神田外語大学をはじめ、青山学院大学や駒澤大学、日本大学などの私立大学に加えて、埼玉大学といった国公立大学にも学生を輩出しています。語学の専門学校からの編入学というと、語学系学部に進むイメージを持たれるかもしれませんが、「語学はKIFL(同校の愛称)でとことん学んだから、別の分野学びを深めたい!」と、さまざまな学部に進む学生が多い印象ですね。

希望の進路を後押しする大学編入学センター

――必ずしも入学時の英語力が高いわけではない学生も大きく成長しているのですね。「伸びる秘訣」は何でしょうか?

(伊丹)まず単位や授業時間数について申し上げると、本校では2年間で114単位の履修が求められます。一般的な大学が4年間で124単位前後ですから、非常に密度の濃いカリキュラムとなっています。

内容面では、段階的・実践的な教育が特徴です。例えば英語専攻コースでは、1年次に中学・高校で学習した文法、リーディング、ライティングといった基礎を徹底的にブラッシュアップして土台を固めます。2年次になると、ディベート、通訳トレーニング、ビジネス英語といった科目で、習得した英語力を実践する機会を数多く提供しています。

また、英語力を多面的に伸ばすために、インプットとアウトプットのバランスを重視しているのはもちろんですが、CLIL(内容言語統合型学習)の要素を取り入れた授業や多様な英語に触れる機会も設けています。例えば「ジャパン・スタディーズ」では、寺社や花見といった日本文化を英語で説明する力を養います。 また、「Global Englishes」という授業では、あえてEnglishを複数形にしているように、英語を母語としている国や地域のみならず、アジアやアフリカなど英語が公用語でない地域で使われている英語にも触れ、グローバル社会で通用する英語力を身につけます。

さらに、本校の教育を特徴づけている一つがEIC(English for  International Communication)、EIB(English for International Business)です。これは全学科共通のネイティブ教員による英語授業です。環境やジェンダー、SDGsなど、身近な社会問題をテーマに英語で考え、発信するタスクベース学習を行っています。例えば、千代田区の観光協会と連携し、学生がチームを組んで千代田区をプロモーションするプレゼンテーションを作成・発表する取り組みなどがあります。こうしたプロジェクトを通して、 “Communication” “Critical Thinking” “Creative” “Collaboration”の “4C”を意識した実践的な英語力を養います。

――スキルだけでなく、教養や思考力を深める教育が組み込まれている点には、正直、驚きました。

(伊丹)専門学校なので、スキルを身につけさせるのは大前提ですが、それだけでは無味乾燥になってしまいますよね。卒業後にビジネスの現場に入って働く学生もいれば、大学へ編入学する学生もいます。そのため、より実践的で本物の学びをカリキュラムに取り入れたいと考えています。

ミスマッチを防ぐ! モチベーション維持の仕組みと教員の指導力

――単科大学や専門学校の場合、総合大学と比べ、学習内容が焦点化されていますよね。集中して学びに取り組める一方、興味・関心、学習意欲が別に移った場合、学生のモチベーションとのミスマッチが生まれることはありませんか?

(伊丹)本校の場合、語学専門学校という看板を掲げていますので、比較的ミスマッチは少ないかもしれませんが、全くないとは言い切れません。お伝えしたように、近年は卒業後の進路として、半分近い学生が大学への編入学を選択します。実績に基づいて本校に入学していただけることは嬉しいのですが、語学習得よりも大学編入制度に目標の比重を置く学生もいるように感じるときもあります。

語学学習には地道な努力が求められる側面がありますよね。コツコツと多くの単語を覚えたり、失敗を繰り返しながら書いたり話したりできるように練習を重ねる必要があります。本校は卒業に必要な単位数が多いため、日々勉強に取り組む姿勢が必要です。そのような環境の中で、ミスマッチを感じている学生のモチベーションをいかに高め、途中で投げ出させずに卒業まで導くかは、私たちの重要な課題です。

そんな課題に対し、本校では多角的なサポート体制を構築しています。

明確な目標設定のサポート
大学編入学センターやキャリア教育センターといった進路に直結する部署が、セミナーやイベントを頻繁に実施し、学生が短期・長期の明確な目標を持てるよう支援しています。

徹底した学習管理
年間4~5回実施される全学での単語テストでは、不合格の学生が合格するまで徹底的にフォローアップします。また、全学で実施するTOEICの直前に無料で対策講座を開講したり、目的別の課外講座(有料)や選択科目の設置、TOEIC合宿の実施などを通じて、学生の学習意欲を高めています。

リアルな体験や「つながる」機会の提供
ビジネスコミュニケーション科の学生にはインターンシップへの参加を必須とするなど、現場を体験することで学びの意義を実感してもらいます。また、「インターナショナルランチ」のようなネイティブ教員との気軽な交流の場や、留学生との交流を促すイベントを通じて、地道な語学学習を共に乗り越える「仲間」づくりを重視しています。さらに、担任制を導入することで、学生が困ったときに頼れる窓口を設けています。

――教鞭をとるのはどのような先生方なのでしょうか?

(伊丹)本校の教育の質を支えてくださっているのは知識と指導力を備えた素晴らしい先生方です。採用をさせていただく際に注目しているのは教育者としての姿勢です。大学では、アカデミックな経歴を重視する傾向にあるのに対し、本校ではご経歴もティーチングスキルももちろんですが「目の前の学生の可能性を信じ、寄り添い、学習意欲を引き出すことができるか」を最も重視しています。

そのため、採用プロセスでは、優れたご経歴を持つ候補者であっても、複数回のサンプルレッスンを通じて、本校の学生に合った適性をお持ちであるかを評価させていただいております。元予備校講師のように、長年「教えるプロ」として学生と向き合ってきた経験を持つ教員がいらっしゃる一方、ビジネスの第一線で活躍された方も多くいらっしゃいます。単なる知識の伝達に留まらず、自身の経験を交えながら深みのある授業を提供してくださる先生方が豊富にいらっしゃいます。

神田外語学院の挑戦~新たな進路選択の未来~

――これまで、私自身が、「高校卒業後の進路は就職・進学の二択」「進学するのであれば大学」という固定観念を持っていたのだなと気づき、考えを新たにできました。ここまでお話をうかがってきて、高校卒業後の進路として、大学進学や就職以外にも魅力的な進路選択があることに気づくことができました。特に生徒の興味・関心が語学に向いている場合、神田外語学院は選択肢として有力ですよね。

(伊丹)ありがとうございます。語学に焦点を当てるのであれば、間違いなく本校で学ぶ2年間は大変充実していると思います。ただ、現実問題として、社会に出る際、「大学卒業」という学歴が評価されやすい面があることは否めません。

だからこそ、社会で活きる目に見える力を身につけさせること。その本校のミッションを果たすべく、英語力はもちろん、コミュニケーション力、思考力、課題解決能力、ビジネスマインド、資格取得など、幅広く、実用的な成果が得られるカリキュラムを意識して作成しているのです。

本校の学生の多くが、「集中して専門的な力を身につけたい」「希望する進路に進みたい」といった明確な目的意識を持っています。身につけたいスキルや能力が明確で、限られた時間を効果的に使って真摯に勉強に向き合っている学生が多いです。社会の変化が加速し、多様なキャリアパスが求められる現代において、私たちはそういった志を持つ学生が、専門性と実践力を身につけ、大学やビジネスの現場で活躍するための「橋渡し」の役割を担いたいと考えています。ぜひそのことを多くの中学校・高等学校の先生方に知っていただければと思います。

(取材・記事作成:小林 慧子)

 

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