今、話題の英語長文問題集『Vertex』シリーズを徹底解剖 「理解・内在化・発信」で英語学習の頂を目指す

最終更新日:2026年4月9日

2025年11月、高校生向けの本格的な英語長文問題集『Vertex 大学入試 英語長文読解問題集』シリーズが三省堂より発売されました。この問題集は時事問題や最新の社会トピックを取り上げている点が特徴的な問題集です。また、長文読解の対策に留まらず、内容理解からテキストの内在化、そして自分の意見の発信までを実現する問題集として英語科教員の間でも注目を集めています。

なぜ最新のトピックにこだわったのか? そしてこの問題集が目指す先とは? シリーズの編集において中心的な役割を担われた札幌大学の今井 康人先生、そして執筆に携わられた北星学園女子中学高等学校の藤原 功生先生にお話を伺いました。

英語というツールを通じて「今の世の中をよく知ってほしい」

—— 『Vertex』シリーズはLevel 1〜3が刊行されていますが、それぞれどれぐらいのレベルの生徒、クラスを想定した内容なのでしょうか。

(今井) 英検で言うと、『Vertex Level 1』は3級から準2級が目安ですね。Level 2は基本的に準2級、後半で少し2級レベルの内容にも触れます。Level 3は2級、共通テストだと7割から8割ぐらいのレベルを想定しています。今後刊行予定のLevel 4は英検準1級、Level 5は英検1級、あるいは難関大レベルとお考えいただけたらと思います。

—— この『Vertex』シリーズは、単に既存の教材を改良するだけでなく、現代のインターネット社会で話題となっているトピックをいち早く教材に取り入れている点が特徴的ですよね。

(今井) おっしゃる通りです。大学入試においても、その年に起こったことがそのまま入試問題に反映される傾向にあります。そうなると生徒もタイムリーな話題、タイムリーな英語に触れておく必要がありますが、問題集に時事ネタを多く盛り込むと毎年改定をしないといけなくなるので、そこに踏み込む問題集はそう多くありません。でも今回、我々はあえて最新のトピックを中心に取り上げました。

例えば、食文化だと日本のファーストフード事情。それからAIについても、私たちの働き方がどう変わるのか、ドローンの有効的な活用法といったテーマがあります。自然科学系では、福井県の恐竜の話題を取り上げています。エンタメ、芸能メディアの話もあって、本当に今話題のトピックが網羅されています。

(藤原) 生徒たちには英語の勉強もさることながら、英語という一つのツールを通して、今の世の中のことをよく知ってほしいと思っています。そしてそれらに対して自分の意見を持ってほしい。ニュースで報じられていることやSNSで言われてることだけが真実・事実ではない。自分で情報に触れて考えてごらん、というところまで突き詰めたいのです。その最初の体験として、この『Vertex』が役に立つと嬉しいですね。

理解・内在化・発信を自主学習でも会得できる3冊セット

—— 最新のトピックが採用されているということの他に、どのような特徴がありますか?

(藤原) この問題集が本当に素晴らしいと思う点の一つは、英文がとても美しいということです。なので問題を解く前に音読でもぜひ活用してほしいですね。音読をシャドーイングのレベルまで深め、教材としては「書いている人が言いたいことは何だろう」「この人はどのような意見を持っているんだろう」というところまで問いを深めて、そして最後に「じゃあ、あなたはどう思うの?」「今度は自分の意見を言ってみよう」というところまで到達することができます。今井先生がずっと追究していらっしゃる「理解・内在化・発信」という3つのステップが体現された教材だと思います。

—— なるほど。それは単に英文読解の対策本として使うだけではもったいないですね。利用シーンとしては、授業の中で利用するのがメインでしょうか?

(今井) もちろん高校の授業や補習でも使用できますが、高校生の自主学習でも活用できるように設計しています。

まず、QRコードを読み込むと音声が聞けるようになっていますので、何も読まない段階でリスニングをします。そして今度は頭の中にある情報を活かしながら文字を読んでいく。初めは速読して、その後に精読、そして音読をして、最終的にシャドーイングまで持っていくという使い方を推奨しています。

QRコードの横にはチェック欄を合計12マス設けていて、生徒は音読したりシャドーイングしたりするたびにチェックを入れていきます。12回も読めば生徒たちも英文が自然と口から出るようになりますよね。その状態でサマリーとオピニオンを言っていきます。

今までは「スピーキングしなさい」と言っても何をどう言えばよいか分からなかったかもしれませんが、Vertexは本文がお手本になります。本文を内在化することによって、サマライズもしやすくなりますし、そこから自分の意見を発することもできる作りになっています。そういった点で、従来の問題集とは一線を画していると言えるのではないでしょうか。

—— 『Vertex』シリーズにはブースターブックという別冊が付属していますが、これはどのような役割なのでしょう。

(今井) ブースターブックは補助教材です。『Vertex』が推奨しているリスニングからシャドーイング、サマリー、オピニオンという流れを高校生だけで実行することはかなり難しいので、そのガイドとして作成しました。案内の通りに解き進めていくだけで、サマリー、オピニオンまで一人で挑戦することができます。

難しい英文になればなるほど、何がどこにかかっているのかが分かりにくくなります。そこで、ブースターブックには全訳とともに文の構造図を掲載しました。自主学習の際にこれを見れば、「これはここに繋がっているんだ」と理解しやすくなります。

本冊と、ブースターブックと、解答・解説。このセットをしゃぶり尽くすように一冊しっかりやると、生徒の英語力がグンと上がります。現場の先生方から高い評価を頂いているのは、それを強く実感されているからだと思います。

「アメーバ音読トーク」で英語学習の醍醐味を味わう

—— この『Vertex』シリーズを通じて、生徒や教員の皆さんにもっとも伝えたいメッセージ、そして目指していきたいところを改めてお聞かせください。

(今井) 一つは、『Vertex』を読み込んで、今どのようなことが世界で起きているのかを知る窓口にしてほしいと考えています。今の生徒たちはタブレットやノートパソコンを持っており、インターネットで簡単に世界中の情報にアクセスできます。「気になるトピックがある」「さらに詳しい情報に触れてみたい」と思った際には、ぜひ積極的に調べていってほしいですね。

二つ目は、英語の勉強の仕方そのものです。『Vertex』を活用することで、「理解・内在化・発信」という3ステップを実践し、英語が実際に”使える”ようになるという体験をしてほしいのです。

音読の重要性、速読・精読・音読・シャドーイングといった一連の流れ、そしてそこからサマリーやオピニオンを述べるというプロセス。私たちはこの学び方に「アメーバ音読トーク」という名前をつけており、これが2026年の英語教育におけるキーワードになると確信しています。この「アメーバ音読トーク」というコンセプトが広まることで、日本全国の学校でこの手法が取り入れられ、子どもたちの英語力が向上していくことを目指しています。

(藤原) シリーズタイトルでもあるVertexは「山の頂上、天辺」といった意味です。このシリーズを通して、山を登るように一歩一歩英語力や発信力が向上し、頂上を目指していくようにという思いを込めています。

山登りと同じように、学んでいく途中段階でも見える景色がどんどん変わっていきます。そして頂上にたどり着いた時には、世界中の人々と繋がったり、さまざまな場所へ行けるようになったり、友達ができたり、そういった英語を学ぶ醍醐味を味わえるはずです。エスカレーターやエレベーターで一気に上がるのではなく、言語学習は自分の足で一歩一歩登っていくプロセスが重要であり、その先に素晴らしい景色が待っている。『Vertex』はそれを体現する問題集だと私は思っています。

先ほども今井先生からありましたが、ぜひ生徒の皆さんには『Vertex』をしゃぶり尽くす勢いで活用し、英語の醍醐味までたどり着いてほしいと願っています。

(取材・記事構成・執筆:吉澤 瑠美)

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