- 対象:高校生(実践レポートでは進学コース1年の「論理表現」で使用)
- 技能:話す・書く表現活動(出版社の紹介文では外部検定試験にも対応可能)
- レベル:標準(実践レポートでは英検3級前後のクラスで使用)
- 出版社:開隆堂
- 向く狙い:文法解説は軽めに済ませ、活動を通じて使わせることに時間を割きたいクラス
APPLAUSE English Logic and ExpressionⅠとはどんな教材か
開隆堂の高校「論理・表現」の教科書です。出版社の紹介文によると、中学校の内容の復習から言語材料の定着・発信まで段階的に力をつける構成で、言語材料は練習問題で定着させ、表現活動にも複数のステップを設けています。紙面にはイラストや写真を多く配置し、扉写真は本文対話(Model Dialog)と関連していて各レッスンの導入に使えます。教科書を通して登場する高校生のキャラクター同士の対話(Model Dialog)で言語材料が導入され、論理表現や会話特有の表現を自然な文脈で学ぶ設計です。図やイラストの内容を踏まえて考え表現する問題も用意され、外部検定試験にも対応可能としています。付属品は教科書データCD、解説編、デジタル教科書DVD-ROMです。
実践レポートを寄せた中部地区私立高校のS先生によると、全14ユニットで、各ユニットは見開き3ページ構成です。
- 1ページ目:左に導入・そのレッスンで学ぶ内容に関する写真、右にモデルダイアログと Basic アクティビティ
- 2ページ目:左に文法事項の説明、右に Exercise(選択・穴埋め・並べ替えなど約10問)
- 3ページ目:メインアクティビティ(Step1〜3)
現場で迷うポイント——どんなクラスに向き、どんな場合は別の選択か
S先生は令和4年度の教科書改定に伴い、進学コース1年生の「論理表現」(1クラス約35人、英検3級に受かるか受からないかというレベル)で採用しました。英語は会話のツールで根本となる文法事項はそれほど多くない、難しい説明を省いて使うことに重点を置きたい、という問題意識からです。本書は構成や文法解説が複雑でなく、説明に準拠した形で問題が出るため、問題が突然難しくなるような教科書より使いやすいと述べています。同じシリーズにはより易しい『Amity』もありますが、本書は上位層にも退屈ではなく下位層にも難しすぎない、ちょうどよいレベル感だったとのことです。
向いているのは、「そこまでレベルは高くないが英語を少し頑張ってみたい生徒」「英語に抵抗がない生徒」。逆に、レベルの高い学校や、文法をしっかり教えたい学校には合わないというのが先生の見立てです。多くのことが書かれていない分、自由に活動を組みやすい反面、教科書だけで文法を網羅的に押さえる使い方には向かないと考えられます。
困った点は、教科書自体の問題量が少ないこと(1ユニット10問程度)です。準拠のワークブックを併用すればある程度の問題数は確保できると述べています。
授業での使い方——導入・展開・宿題への組み込み
先生の実践レポートでは、週2単位の「論理表現」で1ユニットを2〜3単位で扱い、1年で1冊終える計画です。文法は使っていくうちに理解するという考えから、説明に時間をかけすぎず、見開き3ページ目の活動を授業の中心に置いています。
- 1ページ目(モデルダイアログ・Basic アクティビティ):ユニットの最後に、テストに出る部分だけ押さえる。
- 2ページ目(文法解説・Exercise):さっと説明だけしてすぐ活動へ。Exercise は課外時間に各自で解説を読んで学習し、解答をロイロノートで提出させてチェック。「提出物」「思考表現」の項目で評価し、S・A・B・C でランク付けして返す。S ランクは他のクラスや次年度の授業でお手本として見せる。丸つけして返した後、生徒が直して再提出し、全問正解するまで繰り返す。
- 3ページ目(メインアクティビティ):学んだ文法を使って、基本的には個人でカードや動画を作って提出。教科書の設定を実生活に役立つ内容に置き換える。
置き換えの例として先生が挙げているのは、助動詞のレッスンで、教科書の「富士山を訪れる外国人旅行者のために登山の注意点をまとめて発表する」という設定を、「アパートの入居者募集チラシを作り、助動詞を使ってできること・できないこと(ペット可否など)のリストを入れる」に変え、チラシをロイロノートで提出させるものです。完了形のレッスンでは「結婚相談所に送る自己PRカードで、これまでの経験を書いて自分を売り込む」、受動態のユニットでは物(iPhone など)の歴史を動画で紹介する、といった活動を行っています。定期考査は教科書と準拠ワークブックの問題から範囲を選んで出題するため、ワークブックは生徒が各自で進めています。
結果として、各ユニットの学習事項の枝分かれが少ないため英語が苦手な生徒にも分かりやすく、解説ページを見ながら自力で解ける作りなので自学自習ができて生徒の自信が付く、と述べています。自分で理解しないと意味がないので、あまり細かく説明しないようにしているとのことです。
編集部からひとこと
目で楽しみながら「話す力」「書く力」を身につける




