【著者インタビュー!】「英語を使う」を当たり前に!生徒が英語で話す力を高めるオーラル・アプローチ授業のハンドブック
最終更新日:2026年4月10日
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宮﨑 太樹 / 高千穂大学
生徒が英語を話す力を高める オーラル・アプローチを生かした授業づくり
明治図書
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おすすめポイント
ELEC同友会英語教育学会では、8月に「サマー・ワークショップ」を開催しています。英語の授業を英語で行うための方法論の一つである「オーラル・アプローチ」に基づいた授業を実施できるようにすることを目的に、体験授業と模擬授業を組み合わせた形式で実施する研修です。
また、毎月「オーラル・アプローチ研究部会」の月例会が開かれています。月例会では、英語を用いて生徒とやり取りをしながら新出文構造や教科書本文の理解を促す「オーラル・イントロダクション」や、教科書本文で学んだ表現を言語活動で活用できるようにする「パターン・プラクティス」について研究しています。
本書は、これらの研修を通して筆者が21年間にわたり学んできた内容を、1冊にまとめたものです。
本書の概要
第1章では、「オーラル・アプローチ」とはどのような方法論なのか、具体的にどのような授業を行うのかを説明しています。また、「オーラル・イントロダクション」「パターン・プラクティス」、音読指導をどのように実践するのかについても解説しています。
第2章では、採択率の高い3種類(『New Horizon』『New Crown』『Here We Go!』) の教科書の本課に掲載されている、共通の新出文構造を取り上げました。
ここでは、以下の具体的な手順を解説しています。
・「オーラル・イントロダクション」
・基本文の語句を入れ替えて生徒が新しい文を言う「代入」の「パターン・プラクティス」
・基本文の語順を入れ替えたり疑問詞を加えたりして生徒が疑問文を言う「転換」の「パターン・プラクティス」実際に指導する際の発話内容や、教師が知っておきたいポイント、生徒が間違えやすい点も掲載しています。
第3章では、「オーラル・アプローチの実践にあたって知っておきたいQ&A」として、本書で十分に扱いきれなかった以下の8つのテーマについて、見開き2ページずつで簡潔に説明しています。
・発音やリスニングに関する苦手意識への対応は?
・英語を使って授業を進めるコツは?
・即興的に話す力はどうやって育成する?
・書く力はどうやって育成する?
・読む力はどうやって育成する?
・入試問題にはどうやって対応する?
・予習はさせる?
・日本語を使ってはいけない?執筆の背景にある課題意識
学習指導要領でコミュニカティブな英語の授業が求められている一方で、効果的な方法がわからず、英語の授業を英語で行えていない教師も少なくありません。筆者自身も、中学校ではプリントを用いた英文法の説明と問題演習、高校では英文和訳と和文英訳のみの授業を受けてきました。
いい授業をしたい気持ちはあるのに、うまく形にできないために結果や評価に結びつかない状況に多く接し、とても残念に感じています。
本書は、こうした状況を踏まえ、英語の授業を英語で行えるようになるための具体的なアプローチを提示したいと考え、制作しました。
実際の使い方
英語の授業を英語で行うためには、説明が中心の授業ではなく、新出事項に慣れ親しんだ上で言語活動に取り組ませるという、発想の転換を提案しています。
教師と生徒が英語でやり取りをしながら新出事項に気付かせる「オーラル・イントロダクション」を行い、日本語で補足説明をし、理解できた英文を音読し、暗唱できた英文を使ってパターン・プラクティスを行います。
本書には、実際の授業を想定した「オーラル・イントロダクション」における教師と生徒のやり取りが掲載されています。そこで使われている語句を、教師自身が得意な分野の語句に置き換えて授業で実践してください。
また、「パターン・プラクティス」についても、教師が実際に使用している教科書の言語活動や、教師自身が作成した言語活動の語句に置き換えて授業に取り入れることをおすすめします。
想定される効果
「オーラル・イントロダクション」を行い、教師と生徒が英語でやり取りしながら新出文構造や教科書本文の新出語句の理解を深めることで、生徒の聞く力や話す力が高まります。また、教師が英語を使用することで、生徒が英語を使おうとする動機付けも高まるはずです。
さらに、音声を通して教科書本文に登場する新出文構造や新出語句に慣れることで、教科書を読む際の負担が減り、結果として読む力の向上にもつながります。
「パターン・プラクティス」は、生徒が基本文の語句を入れ替えて新しい文を言ったり、基本文の語順を変えたり、疑問詞を加えて疑問文を言ったりする活動です。こうした練習を通して、発表ややり取りなどの「話す」活動に取り組みやすくなり、話す力が向上します。加えて、話した内容を書き起こすことで、書く力の向上も期待できます。
今後に向けて
本書では、新出文構造の「オーラル・イントロダクション」と「パターン・プラクティス」を中心に紹介しています。しかし実際の授業では、教科書本文の新出語句の「オーラル・イントロダクション」や、教科書本文を扱った「パターン・プラクティス」も行うことが必要です。
本書を通して英語で英語の授業を行うことに慣れてきたら、活用する場面をさらに広げていくことにチャレンジしてほしいと思います。
- 宮﨑 太樹
- 高千穂大学
プロフィール
東京都国立市出身。 高千穂大学 商学部 助教。名古屋学院大学大学院外国語学研究科博士後期課程修了(英語学博士)。東京都に奉職していた際には、2013年に東京都教育研究員、2014年に東京都研究開発委員、2016年から2017年に東京都教師道場リーダーとして活動…



