- 対象:高校生・大学受験(実践レポートでは高1〜高2で使用)
- 技能:長文読解を中心に、語彙・リスニング・ライティング(英作文)・入試対策
- レベル:標準
- 出版社:エミル出版
- 向く狙い:読ませるだけでなく設問演習で問題慣れさせ、要約で大意をつかむ力をつけたいクラス
Cutting Edge Greenとはどんな教材か
Cutting Edge Green は、エミル出版の大学入試向け長文読解問題集です。出版社の紹介文によると、英文と語句の音声は本体から無料でダウンロードでき、解説書は1課あたり6〜8ページの分量があります。教員用の付属品として音声CDとデータCD-ROMが用意されています。
実践レポートを寄せた横内敦先生によると、本教材は全5ユニットで構成され、各ユニットは環境・経済・科学などさまざまな分野を扱った3〜4のトピックから成ります。付属のナビブックには問題の解答を書き込む欄と100字要約の欄があり、大意をつかんで大事な部分を抽出する練習に使えると述べています。
現場で迷うポイント——どんなクラスに向き、どんな場合は別の選択か
横内先生が導入したのは、高1〜高2の理系3クラス(1クラス34〜35人、レベル分けなし)で、生徒はおおむね英検2級レベル、準1級取得者もちらほらいるという環境です。導入の動機は、使用中の教科書がリーディング主体で演習問題が少なく、英文の問題の解き方・文章の読み方の経験が少なかったことでした。つまり、読解の素材は足りているが、設問を解く経験と要約の練習が不足しているクラスに向いた選び方です。
一方で、トピックには取り上げやすいものとそうでないものがあり、面白みの薄い内容は深掘りせず演習問題を解くだけで終えることもあると述べています。1つの題材をじっくり掘り下げて議論するような使い方を主目的にすると、物足りなさを感じる場面があるかもしれません。同校では高2・高3での使用がメインで、高1からの導入は横内先生たちの代が初めてとのことなので、どの学年に置くかは教科書との兼ね合いで判断する余地があります。
また、横内先生は本教材のトピックをライティング題材として使いたい意向を持ちつつ、別の教員が担当する論理表現の授業でエッセイライティングを扱っているため見送っていると述べています。本教材は問題を解くためのものという位置づけで、ライティング指導を主目的にするなら別途の設計が要ります。
授業での使い方——導入・展開・宿題への組み込み
先生の実践レポートでは、2022年度に高1の後半から Green を導入し、次のような流れで進めています。
- 宿題で予習:都度宿題を出し、生徒が予習してくることを前提にする。
- ペアワークで確認:予習した内容をパートナーと確認し合う。
- 解説:当初は一つ一つ和訳していたが、現在は解答の根拠となる箇所を明確に示すことと、より良い和訳を伝えることが中心。
- 語彙力増強:文中に出てきた単語の同義語をその場で考えさせて紹介する。別の語に言い換えられる力はリーディングでもライティングでも効き、入試では言い換えられている箇所が答えになりやすいという理由から。
時間配分は、週5単位の英語のうち、リスニング教材を約30分、残りの20分で本教材の1単元分を進め、終わらなければ次の授業の20分で続きを扱います。両方が一通り終わったら『Focus』を約30分、という3教材の並行運用です(内容は連動していません)。ペースは生徒の理解状況で調整しますが、1教材にかける時間は長くても30分までとしています。トピックの好みで飛ばすことはせず、経験値を積むために全部取り組む方針です。
工夫として、教材の英文に同義語やポイントを書き込んだノートを映して解説すること、「書き手には必ずメッセージがある」という視点で助動詞や語の選択から筆者の意図を読み取らせることを挙げています。評価面では、既習の文章を再出題すると和訳の記憶力を測ることになるため、定期テストでは授業で扱っていない文章を出題し、生徒の安心感のために4割は既習事項をアレンジした問題にしています。
結果として、導入から約半年で生徒の作業スピードが格段に上がり、模試でも時間的な余裕が出てきた印象だと述べています。教員が和訳や解釈を説明するだけより、生徒に自分で考える時間を与えたことで生徒が動き始めたと感じており、最近は長文で細かな解説をあまりしなくなったそうです。
編集部からひとこと
大学入試長文読解問題集





