英単語ターゲット1900 6訂版
最終更新日:2022年2月23日
- おすすめしたプロフェッショナル
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林美恵子 / 鹿児島情報高等学校
英単語ターゲット1900 6訂版
旺文社
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
生徒たちにとって使いやすい。一生懸命に本書を開いて、しっかりと取り組んでいる姿を見られる。
巻末に「英検準1級によく出る単語200」という特集があり、英検準1級に対応できる単語力が付けられる。しかし、英検だけに特化したものではなく、大学入試、英検、その他いろんなシーンで使える単語が集約されているので、幅広く指導しやすい。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
私が赴任した4年前(平成30年度)にはすでに使われていて、他の教員たちの評判も良い教材だった。おそらく10年以上は使用している。
実際に大学入試で出た文章が例文として使われており、入試レベルに十分対応できる単語集であること、また英検準1級レベルの単語も掲載されていることが採用の大きなポイントである。大学進学を目指す「e-プレップ科・プレップ科・情報システム科特進コース」の3つのクラスで導入している。
また、これらのクラスでは英検取得にも力を入れており、例えば、e-プレップ科では高校1年で準2級、高校2年で2級合格を目標に掲げている。それよりさらに上の級については、各自ができる範囲でベストを目指すように励ましている。本書には、英検準1級の試験で良く出る単語が後ろの方にまとめられている。また、付属の教材や「ターゲットの友」という無料アプリと連動して使えるので、英検上級を目指した、より充実した単語学習が行える。
Q.実際の使い方
学年により異なるが、英語表現、またはコミュニケーション英語の授業のなかで用いている。高校2年生から使い始め、3年生の半ば頃までの1年半を掛けて、全体の通り学習を2回行う。英単語の意味を日本語で書かせる単語テストを、1回40問ずつ、週2~3回のペースで行うとそれを達成できる。
具体的な学習ステップは、テストを行う前の授業で、次回のテストに出す範囲の単語の音読練習を1回、意味の確認を1回ずつ行う。まず教員がお手本として音読し、生徒がリピートする。派生語などのプラス情報も加えて、意味を説明する。その次の授業の際に、その範囲の単語テストを5分~10分程度で行う。解答は一度回収し、採点したものを返却して各自で確認する。
夏休みなどの長期休暇中には、課題として「書き込み式ノート 英単語ターゲット1900 Workbook」を使ったりしながら単語の書き取りをひたすら行わせる。実際に手を動かすと覚えやすいので、Writing活動を意識的に行わせたいと思っている。
生徒への動機づけとして、過去問や模試の長文問題の中から、ターゲットに出ている単語をすべて拾い出し、「ターゲットからこれだけ出ているんだよ」「ターゲットをやっておけば、これだけできるようになるんだよ」ということを教えている。
Q.使ってみた結果
補習の時に長文を読ませているが、教えていない難しい単語の意味も知っているので、「どうして知ってるの?」と尋ねると、「ターゲットのどこどこに出てきたよね」という声を聞く。
また、英検2級・準1級の合格者からは「英検のキーワードになっていた単語が、この前ターゲットのテストでやったのと同じだった」という声もあがっている。昨年度の3年生は、34人のクラスで、約1/3以上に当たる14人の生徒が準1級に合格した。ターゲットを勉強しておいた成果を実感している。
1年生で「コロケーション」という教材を使っていたが、生徒たちにはしっくり来なかったようで、あまり活用されていなかった。ターゲットに変わった途端、生徒たちが楽しそうに取り組むようになった。「コロケーション」はフレーズで覚えていたのに対し、「ターゲット」は単純に単語ごとに覚えていけるので、使いやすいのかなと感じる。またアプリと連動してゲーム感覚で楽しめる。保護者の中には「子供が楽しんで取り組んでいるのを見て、自分も子供と一緒にやっている」という人もいた。
Q.利用が向いているクラスや生徒
大学受験を目標にするクラス。英単語が絶対に必要なコースには役立つ教材だと思う。高いレベルの大学にも対応できる。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
英語嫌いな生徒たちにはレベルが高く難しいので、うまく取り組めず、”ただの紙”でしかない。就職コースに進む生徒には必要ない。むしろ、就職先に合う専門的な英単語集を作ってあげる方が良いと思う。
- 林美恵子
- 鹿児島情報高等学校