NEO現代を読む [Standard]/NEO現代を探る [Advanced]
最終更新日:2022年2月23日
- おすすめしたプロフェッショナル
-
今福浩太郎 / 東京電機大学中学校・高等学校
NEO現代を読む [Standard] /NEO現代を探る [Advanced]
いいずな書店
- おすすめのポイント
-
Q.良かったところ
入試問題をベースにした良質な英文で、幅広い社会問題に触れられる点。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
2021年度の高校3年生から採用予定。特進クラスはAdvanced、その他のクラスはStandardを利用。英文の長さは、Advancedが500ワード前後、Standardが400ワード前後。
私立学校としては希望大学へ合格させると同時に、中高一貫校としては6年間の教育の仕上げを行いたい。そのため、入試問題をベースにした良質な英文で、かつ単なる受験勉強で終わらずに、社会にどうつながっていくのかを考えさせたいと思い選んだ。Advanced, Standardの共に、現代の社会問題を考えられる幅広いテーマ(言語、差別、環境問題、難民問題、科学技術、教育、ビジネスなど)を扱っている。本校は理系の生徒が多いので、大学進学後は社会問題を解決するための研究を行うことになる。そのため、「どのような問題があるのか」「その問題はどこまで解決されているのか」「これから何を解決する必要があるのか」を知るきっかけにしてほしいと考えている。加えて、大学入試では多種多様な社会問題がオンタイムで出題されるため、トレンドの英文を読ませたいと考えている。
なお、読解後には、生徒同士で意見の共有を行う予定。世の中で起きている出来事を自分事化させるために、中学生の頃からいろいろなトピックでエッセイを書かせてきた。特に高3は、社会に働きかける力が付いてくる時期なので、扱うトピックに対して自分の意見を構築する機会を作りたい。また、同じ理系でも薬学・理学・工学などさまざまな分野に進学を希望する生徒がいるため、同じ英文を読んでも興味を持つ部分や意見が異なる。その違いを共有することで、より幅広い思考力や視点を育みたいと考えている。
Q.実際の使い方
「一人で勉強できる力を付けること」を目的に、授業は自宅学習のための土台作りという位置づけ。長文読解では目安となる基準を3段階程度に分け、生徒と共有し、自分がどの基準にいるかを意識させる。授業中に1段階目の生徒は自宅学習で2段階目、2段階目の生徒は3段階目ができるようにアドバイスして自宅学習に繋げる。
長文読解における最終ゴールは、著者の意図をつかみ、自分の意見を持つことなので、そのために必要なポイントを評価基準として具体的に生徒に提示。
<例>
論理展開を表す語句を見つけられる
トピックセンテンスを探すことができる
段落を超えて全体として著者の言いたいことがつかめ、自分の意見を言うことができる
ペースは2時間~2.5時間で1ユニット予定。予習を前提とした授業を展開する。
1時間~1.5時間:論理展開のつかみ方など、読解のポイントや問いへの解説
2時間:後半は音読やサマリーの作成
Q.利用が向いているクラスや生徒
テキストのレベル
Standard:センター試験、標準私立大学入試
Advanced:標準私立~難関私立・国公立二次試験
大学進学を目指す学校であれば、生徒への問いかけ次第でどんな学校でも問題なく利用できると思う。かなり意識の高い生徒でない限り、社会問題に大きな関心を寄せている高校生は多くない。しかし、教員側の問いかけ次第では、長文読解を通して新しい知識や情報に触れ、興味を持たせることは可能だと考えている。
- 今福浩太郎
- 東京電機大学中学校・高等学校