早めの準備が肝!アメリカ留学の現状とこれから

最終更新日:2021年5月26日

新型コロナウィルスの流行により、予定されていた海外研修や留学の中止が相次いだ2020年。国際交流を通した生徒の学びには大きな影響があリました。その中でも、ビザの発給停止に飛行機の減便、アジア系に対するヘイトクライム報道など、アメリカ留学を取りまく環境にとっても、とりわけ変化の大きな年となりました。

この1年でガラッと変わったアメリカ留学事情、そして今後の留学のあり方について、シアトルに拠点を置き、留学エージェントとしても活躍する海外研修コンサルティング会社 リプルインターナショナルの池上富子さんからお話を伺います。

 

コロナ禍留学の実情

コロナの感染が拡大し始めた2020年、シアトルでは2月の終わり頃に現地校の閉鎖が始まりました。3月、4月の時点で1年間以上の長期留学をしていた留学生のうち、80%が帰国したと聞いています。

この時期、現地校はオンラインへの切り替えの準備をしていました。シアトルのほとんどの学校は6月に学年が終わります。この時、留学を切り上げた留学生は、残り2カ月強、というところで帰国したことになります。

 

私たちが最後に受け入れた1カ月間の短期留学の生徒たちは、3月1日に滑り込みセーフで入国しました。ただ、受け入れ校は2週間後に閉鎖となり…。

 

受け入れ校は日本に帰国しても参加可能なオンラインプログラムを提案してくれました。しかし、子どもたちからは「現地に残りたい!」という強い意思表示があったんです。ホストファミリーも、引き続きの受け入れを快諾してくださったため留学を継続。無事にプログラムを終えて、帰国時もスムーズに出入国ができました。

 

この短期プログラムだけではなく、私の知る限りではどの受け入れ校も、帰国した留学生が母国から参加できるオンラインプログラムを提供していたと思います。留学を終える手順は、受け入れ校が責任を持って手配していた印象です。

 

今だからこそ、早めの手続きを

アメリカの場合、現地で通う受け入れ校から入学証明を発行してもらい、その書類を取得して初めて大使館のビザ申請を始めることができます。そのため、受け入れ校とつながりのあるエージェントやコンサルティング会社を通して留学準備をするのが便利です。

コロナ禍以前と比べて注意が必要なのが、留学準備が複雑化している点です。隔離期間の長さや入国時のウイルス検査の条件などは、日々刻々と変化します。減便している飛行機の確保や隔離期間中のホテル手配の必要性、ビザの申請手続きにかかる時間の予測はなかなか難しいのが実情です。「留学したい」という意思があるならば、早め早めに準備を進めた方がいいでしょう。

 

シアトル内の学校の現状

今はシアトル内のほとんどの公立学校がオンラインと対面のハイブリッド型で授業を行っています。教室内のソーシャルディスタンスを保つため、クラスは2つのグループに分かれて登校します。

その点、私立校は規模が小さいこともあり100%対面授業に戻った学校が多いです。シアトルは州として教育水準が高いこともあり、一般的に公立校に人気が集まっていました。しかし、学校が再開する手際の良さを見て、子どもを私立校へ入学させる現地の家庭が増えています。コロナの影響力の思いがけない側面です。

 

オンライン留学の可能性と現地留学の意義

オンラインプログラムは、コロナを通して増加傾向にあります。

「日本にいながらにして本当に留学だと言えるのだろうか」という不安もあるかと思います。しかし、シアトルに姉妹校を持つ日本の私立校が実施したオンライン留学プログラムは、講師の高いクオリティが功を奏して大好評だったそうです。

挑戦できる体験が限られるオンラインだからこそ、質の高さが求められてくるのではないでしょうか。今後は、実際に留学する前の「お試し」のような形で、オンライン留学が大きな役割を果たしていくと考えています。

この頃はコロナに加え、アジア人差別の問題でもアメリカ留学への不安が高まっているように思います。個人的には一度も深刻な差別を経験しないで過ごしてきました。ただ、シアトル内でも日本人女性が被害を受けた事件があり、不安がないわけではありません。

しかし、このような時だからこそ、今まで優しくしてくださった人たちに感謝の気持ちを示していくしかないかなと思っています。

差別の背景には、知らないものに対する恐怖があります。相手の心が開くのを待っていては、いつまでもこちらに開いてもらえないかもしれません。

その前に、自分から心を開く。

相手に自分を知ってもらうことで、恐怖を取り除いてもらうしかないのです。コロナによるアジア人差別に限らず、留学では大なり小なり、このような葛藤を感じる機会があるでしょう。

オンライン留学でも多くの学びが得られるとは思いますが、上にあげた葛藤や文化の違いに基づく失敗など、現地で実際に過ごしてみて初めて体験できることもたくさんあります。自分からオープンになることを心がけて、これからもぜひ多くの生徒に留学に挑戦してほしいと思います。

 

諦める前に相談を!

留学形態の多様化や状況把握の困難さから、担当の先生方も混乱されていることと思います。

私たちリプルインターナショナルには、長年ビジネスを超えてお付き合いしてきた地元の方々や良い関係を築いている現地の受け入れ校とのネットワークがあります。この現地ネットワークや、多様な留学プログラムを作成してきた経験から、オンラインであれ実地であれ、ご要望を伺いながらプログラムを一緒に作っていくこともできるかと思います。

「何から手をつけていいかわからない」「とりあえず今の時点でどんな留学ができるのか知りたい」といった声にもお答えしています。ぜひお気軽にご相談ください。

 

「コロナ禍」の海外留学最新事情 〜現地エージェントが語る留学の“これから”〜

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