
ロイロノートを採用したICT先進校があえて音読特化アプリを使う理由
最終更新日:2024年10月11日
- おすすめしたプロフェッショナル
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上本 善之 / 兵庫県立宝塚西高等学校 英語科教諭
RepeaTalk
コトバンク株式会社

- おすすめのポイント
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ロイロノートとの棲み分け
(上本先生)生徒にもインターフェースが分かりやすいですし、音声認識の精度も良かったです。提出された課題を一元管理し、チェックして返却できる機能も便利ですね。
― ロイロノートでも録音の提出機能はサポートされていますが、あえて音読アプリを利用されている理由について教えて下さい
ロイロノートにはRepeaTalkのような自動添削機能はないので、現在のRepeaTalkのような使い方はそもそも想定していませんでした。ロイロノートはパフォーマンステストで活用しているので、RepeaTalkとは棲み分けして利用しています。
普段の課題として継続的に音読学習を実施するためには、教員の負担も抑えられるものでなければいけません。その点でいうと、RepeaTalkにはAIによる一致率評価があり、課題に対する評価の一部をアウトソーシングできるのが良かった点です。
RepeaTalkの導入により家庭での音読学習に強制力を持たせ、音読の定着促進など、今までできなかったことが実現できるようになりました。もしRepeaTalkを導入していなかったら、生徒の家庭での音読学習量は現在と比べると半減していたかもしれません。
― 「予習はしない」ということでしたが、RepeaTalkは家庭学習、復習で使用されているのですか?
(上本先生)そうですね。授業外でも音読回数をある程度確保することが一番の目的です。また、モチベーションの高い生徒はハイスコアを狙おうとするので、彼らのスキルが向上してくれたらいいな、と。
1年生の間は提出したかと合格したかを評価に加えています。 昨年担当した3年生では提出点を半分、それから提出したパートの平均一致率を半分、評価に組み込んでいました。
― RepeaTalkのステップ構成は1年目に組まれたものから大きく変わっていないようですが、ステップ構成についてこだわりはありますか?
(上本先生)難易度順ですね。最初はリスニング、次にリピーティングで、オーバーラッピング、シャドーイング、最後に音読。今使っているこのステップがちょうど良いと思っています。
パフォーマンスに変化
― RepeaTalkしかり、英語学習しかり、生徒のモチベーションをキープする秘訣はありますか?
(上本先生)ある程度は外的動機付けに頼るしかないですよね。RepeaTalkでは、「学期末までにやらなかったら全員残して、すべて提出してもらう」と言ってあります。強制ミッションです(笑)。その中で、RepeaTalkチャレンジ(※)をやってもらって、一部の生徒だけでも楽しく前向きに頑張ってくれたらいいかな、という感じです。
音読は筋トレのようなもので、楽しくはありません。もう無理矢理やるしかない。もちろん、トレーニングで自分の発音をもっと綺麗にしたいという生徒も一部はいます。でも全員がそうではないから、取り組ませるためにはある程度の強制力も必要ですよね。
― その他RepeaTalkを使ってみて良かったこと、使い続けている理由などはありますか?
(上本先生)3年生まで使い続けた結果、パフォーマンステストの出来が1年次と比べてかなり上達しました。もちろん、授業内でも積極的に話す機会を設けていましたが、RepeaTalkが果たした役割は大きいと思います。ネイティブ音声を聞いて、真似をして、自分の音声を入れていく。RepeaTalkのおかげで、音声面についてはかなり強化されたと思いますね。
RepeaTalkがなかったら、生徒が家で音読することはないでしょう。サボる生徒が圧倒的に多いので、強制力を持たせて授業外でも英語を読ませるという活動には、大きな意味があると思っています。
※RepeaTalkチャレンジ…特定期間の学習状況を競い、生徒のモチベーションアップや学習定着を後押しするイベント
良い教育を子供に還元したい
― 今後、先生が英語の授業で取り組みたいことや展望があれば教えてください。
(上本先生)RepeaTalkをはじめとしたICTを活用することによって、英語教育でやりたいことはある程度実現できているので、今後は教員の業務効率化に取り組みたいと思っています。特に最近はAIの活用に力を入れています。私の業務だけでなく生徒にもAIを使わせていて、なるべく自分で調べ物ができるよう、すべての生徒のiPadにChatGPTが入っています。AIの正しい使い方と間違った使い方について最初に十分に指導をしているので、今のところデメリットよりもメリットが大きく上回る使い方ができていると感じています。
ChatGPTのおかげで、1日2時間ぐらい勤務時間が短縮されていると思います。他にも、ロイロノートを使って先生方の業務負担を軽減するなど、いかに教育効果を維持しつつ、労力を最小化していくかということを考えています。業務をスリム化して、その時間でプライベートを充実させたり、あるいはもっと生徒に向き合う時間を確保したりしていきたいですね。
教職がホワイト化したら、若い世代でも教員を志す人が増えると思うんです。教員採用試験の倍率が上がり、優秀な人材が集まり、より良い教育が子供にも還元されて、みんなハッピー、という状態まで考えを広げているところです。

- 上本 善之
- 兵庫県立宝塚西高等学校 英語科教諭
プロフィール
2024年現在教員歴15年、兵庫県立山崎高等学校(7年)、兵庫県立宝塚西高等学校(8年)。University of York(イギリス)修士課程修了(MA in TESOL)。令和5年度文部科学大臣優秀教職員表彰、令和2年度兵庫県優秀教職員表彰、文部科学省英…