リスニングボックス 1　四訂版

啓林館

おすすめのポイント

Q. 良かったところ

授業内で、さまざまな場⾯で⾏われる英会話を聞き取る練習が⾏える。（例︓ショッピングのシーン・雑踏の中での放送を聞き取る、など）また、レベルが、PRE（英検４級レベル）〜３（準１級レベル程度）まで４段階あり、クラスのレベルに合わせて使いやすい。授業では他にも進まないといけない教材もあるので、１レッスンが短いと授業の中で併⽤しやすい。教師⽤の別冊の付属問題集があり、リスニング問題に使える絵や図のデータが含まれているので、テストの際の準備の⼿間も省ける。

Q. 困ったところや改善してほしいところ

もう１つ上のレベルがあるとよい。準１級を取った後の⽣徒の練習ができるようになるといいなと思う。またアメリカ英語のみ収録されているので、イギリス英語や他の国の英語を聞けるとよい。

Q.導⼊の経緯や、本教材採⽤の意図と狙い

平成27年度頃から、少なくとも６，７年は使⽤している。導⼊した当時は、帯活動として短時間で扱えるリスニング教材が他にまだあまりなかった。本書は10分ほどの短い時間で１つのレッスンを扱えるため、使⽤しやすく、採⽤した。その後、これに続いて似たような教材がさまざま出版されたが、本書は他の教材と⽐べて、⾳のつながりや強弱の解説が分かりやすいため、ずっと使⽤を続けている。

●状況(クラスの⼈数やレベル)
⾼校１年〜３年まで、英語に特化したコースで使⽤している。１クラスは20〜30名程度。レベル感は、卒業までに英検２級取得を⽬標。

●他の類似教材ではなく、なぜこの教材にしたか
聞き取りにくい⾳のつながりや強弱・リズムなどが解説してあるので分かりやすい。
例︓①「Not at all」︓⾳声だけを聞くと「ノッタットー」と⾳がつながって聞こえるが、その⾳を聞いて⽂字として頭に浮かぶようにならないと理解はできない。英語の前提として、⾳がつながって聞こえるということを説明している。

②「that’s it」︓⽂末を上げて読むか下げて読むか、または強調する場所によって意味が変わる。読み⽅を聞き取りも含めて解説している。
また、教師⽤の別冊の付属問題集がある。授業で扱った場⾯に関連したサンプル問題がたくさん掲載されているので、別の類題を使って、理解定着度の確認を⾏える。定期テストでもリスニング問題を２割程度は出題しているが、通常リスニングの問題⽤紙には絵や図の準備が必要で、これらをすべて教員が⾏うのは⼤変なこともある。この別冊では、絵や図が編集しやすい形でデータとしてもらえるので、準備の⼿間も省ける。

Q.実際の使い⽅

●本教材の構成
１冊に20レッスンあり、１レッスンは２ページ構成。１ページ⽬に、場⾯別のリスニング問題が４〜５
問程度出題される。（マークシート形式・20点満点）２ページ⽬には下記の３つのセクションがある。
・「Listeningのツボ」ー⾳の解説やその場⾯の聞き取りで注意すべき点を記載（例︓ショッピングの場
⾯なら、hundred や thousand を使った、⼤きな⾦額を表す数字の表現）
・「Practice」ー練習問題（３問程度）
・「覚えておこう」ー関連単語や表現（例︓ショッピングの場⾯で頻出する「May I help you︖」「It is
on sale」など）

●授業の進め⽅
担当教員により、朝学習で毎⽇扱ったり、英語コミュニケーションの中で扱ったりさまざまだが、個⼈的には、学校設定科⽬の受験演習の授業の中で、曜⽇を決めて週に１回扱っている。授業の最初の10分程度を⽤いて、１レッスンを⾏う。CDを流して問題を解いた後、解説を⾏い、「Listeningのツボ」にある例⽂を全員で⾳読する。その後、「Practice」の練習問題まで扱う。（レベルが上がると問題の語数も増えるため、15分くらいかかる。例えば、レベル３だと300語程度の⽂章を聞いて４，５問の問題に解答する）

Q.使ってみた結果

授業の３分の１くらいは⾳読に時間を割いている（本書以外の教材も含む）が、本書の活⽤により、⽣徒⾃⾝が聞き取りにくかったポイントを⾃覚して、英語らしい⾳読につながっている。数字的なデータは出していないが、全体的にリスニングのテストの点数も上がった。共通テストでも英検でも、ショッピングや駅や空港など、学校⽣活にはない場⾯設定の問題も多い。Authenticなさまざまな場⾯を練習できる。その場⾯でしか使わない表現を知ることができるので、⽣徒からも「やっててよかった」という声が上がっている。

Q. 利⽤が向いていると思われる学校・クラス・⽣徒

幅広いレベルに対応しているので、中学１年⽣から⾼校⽣まで、どの学校・クラスでも利⽤可能だと思う。

Q. 個⼈的にあまり合わないと思う学校・クラス・⽣徒

特になし