効果的なプレゼンテーションスキルを学んで即実践!基礎から応用まで身に付くプレゼンの教科書
最終更新日:2023年2月15日
- おすすめしたプロフェッショナル
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杉村 潤子 / 聖マリア女学院中学校・高等学校
Present Yourself Second Edition
ケンブリッジ大学出版
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
効果的なプレゼンテーションスキルを学習し、学んだことをすぐに自分のプレゼンで実践する機会があるのが良い。ユニットごとに「この表現を使いましょう」「こういうことを意識しましょう」という明確な目標があるので、達成できたかどうかの判断も明確に行える。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
音声教材や動画のデータがCD-Romなのですこし手間。タブレットでそのまま再生できるような形だとありがたい。また、随所に載せられているサンプル動画の中に、プレゼンするにあたっての良い例、悪い例があるが、悪い例が極端すぎるので、あまり参考にならないときがある。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:推薦入試の生徒が多いので、与えられたテーマについて話すことに慣れさせたい。またプレゼンは入試対策としてだけでなく、社会に出てからも必要になってくるので、実際的なスキルを身に付けてほしいと思っている。
状況(クラスの人数やレベル):高3の英語特修コースで、選択授業を週2時間設けている。そのうち「実践英語」のクラスを選択している生徒たち(今年度は24人)を対象に使用。レベル感は、英検2級レベル以上。
他の類似教材ではなくなぜこれか:少なくとも6年以上前から使用している。プレゼンテーションの教科書にあまり類似教材も多くはないが、決め手となったのは以下の点:
- オールイングリッシュの教科書
- 取っ掛かりやすい身近なトピック
- プレゼンの具体的な方法やモデルプレゼンテーションが付いていて、分かりやすい
- リスニング箇所が多く、耳で慣れるところが多く取り入れられている。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
全1~6ユニット。1つのユニットは下記の6つのセクションに分かれ、1セクション見開き1ページの構成となっている。
- Exploring the Topic:ユニットのトピックについて考える導入部分
- Focusing on Language:ユニットのテーマに沿って、使える単語・表現を学ぶ
- Organizing Ideas:ブレインストーミングし、アウトラインを考える
- Adding Impact: ユニットで特に注意を向けたいスキルを学ぶ(例:「ことわざを使いましょう」とか「General Statementから始めましょう」など)
- Developing presentation techniques:プレゼンで役立つテクニックを紹介
- Present yourself:学んだ点を生かして、自分のプレゼンを作成
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):2学期制の本校では、高3は4月から後期半ばの11月頃までで成績を出すため、その時期までに6回(6ユニット分)のプレゼンを完了するようにしている。選択授業は週に2時間しかないため、1時間で見開き2ページずつ進み、教科書を3時間程度で扱う。その後24人全員のプレゼンを行うのに、3時間程度かかるので、1ユニットあたり合計6時間、1カ月くらいのペースで進めている。
Team Teachingで、基本的にはネイティブ教員がオールイングリッシュで進める。補足説明が必要な点を日本人教員が日本語でサポートする。
各セクションの初めに、セクションの概要を説明する。そしてセクションの活動を行う。なるべくペアワークを多く取り入れ、ペアでインタビューなどをしてお互いの回答を教科書に直接書き込んでいく。それをクラスでシェアして、解説を加えていく。
プレゼンは個人単位で行い、1人につき3分程度。プレゼン時は、手元はノートカード(カードサイズのメモ)1枚のみ。資料などはタブレットでスライドを作って見せる。ノートカードやスライドの作成は基本は授業内では行わず、各自で作業する。各自のプレゼンが終わったら、英語で質疑応答の時間を設ける。
指導する上での工夫:ネイティブ教員とのTeam Teachingなので、二人で評価を行う。評価のポイントはテキストに記載があり、10項目×5点の50点満点で評価(例:決められた時間内でできるか、出だしのあいさつ、ジェスチャーの具合、姿勢など)。教員二人のコメント(良かった点と課題点)をそれぞれフィードバックし、成績は二人の点数の平均で付ける。また、自分のプレゼンについての「Self Evaluation」は毎回書いて提出させている。
Q.使ってみた結果
回を重ねるごとに、英語のプレゼンに対する自信が出てきて、段々上手になってきている。プレゼン後の生徒の自己評価を見ても、自信がついていることが分かる
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
プレゼンテーション力は英語に限らず大事なので、多かれ少なかれ、こういう機会があると良いと思う。ただ、英語がある程度できて、英語に対するハードルが低い生徒にお勧め。少人数クラスの方が扱いやすいと思う。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
文の構成などを行える程度の英語力がないと、限られた時間内でのプレゼンは難しいと思う。
- 杉村 潤子
- 聖マリア女学院中学校・高等学校
プロフィール
聖マリア女学院中学校高等学校勤務。今年度(令和4年度)は高校一年生の担任。英語科主任。 生徒たちに『英語の授業が楽しい』と思ってもらえるような授業を心がけています。