英語が苦手な生徒でも授業が楽しみになるアプリ
最終更新日:2022年8月31日
- おすすめしたプロフェッショナル
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埼玉県立公立中学校 匿名先生 / 埼玉県立公立中学校
Kahoot!
kahoot
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
解答の際に、正解不正解で音が出たりと、生徒の興味を引くようなデザインや作りになっているため、英語が苦手な生徒でも英語に興味を持ち、前向きに取り組めるようになっているところです。
また、問題を自由に作成できるので、生徒のレベルに関係なく使用することもできます。中学生に向けて利用していますが、高校生でも英語が苦手な生徒が多い学校であれば利用しやすいと思います。
教員だけではなく、生徒も問題を作成することができるので、作成するために文法や単語を自主的に調べることができる点も魅力的だなと感じます。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
生徒アカウントを利用する際に、作成した問題の一部だけ抜き取って利用したり、作成途中のものを共有したりできない点を改善してほしいなと思います。10題の問題がセットになったURLは共有ができるのですが、10題中の1題を抜き取ることができず、生徒全員の問題を少しずつ組み合わせたりしたい際に、利用できない点が残念だなと感じます。
生徒アカウントとして登録をしている生徒が作成した問題も、一部の問題を抜き取って利用できたり、他の生徒と共有ができたらより嬉しいです。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
導入経緯
「英語教員ガチサロン」という英語教員同士の情報交換ができるオンラインコミュニティに参加した際に、参加されている教員の1人からアプリについて知りました。コミュニティの中では、授業の中で使用する教材として、認知度が高く使用している先生も多い印象でした。生徒が楽しく英語を学ぶことができそうだと考え、授業へ導入しました。
Q.状況(クラスの人数やレベル)
主に1クラス約33人で構成されている3年生の4クラスで使用しています。また、英検は強制で受検はしていないのですが、毎年、準2〜3級を1クラス約3〜4人受験しています。
偏差値としてはそれほど高くないですが、英語の授業に意欲的で、約半数の生徒は英語が好きな印象があります。ただ、長文や英作文は苦手な印象もあります。
Q.他の類似教材ではなくなぜこれか
個々で淡々と解答していくのではなく、リアルタイムに生徒全員と競い合うことで、自己効力感を高めたり、実際に使用している時の、正解、不正解の音や考える時の音楽が、問題を解く楽しさに自然と繋がると考えたためです。
Q. 教材の構成
教員アカウントは、有料プランと無料プランがあります。無料プランは機能として、4択の問題や、2択の問題、true or falseの問題の作成ができます。有料プランは同様の機能にプラスで、タイピングの問題、並び替える問題の作成ができます。私が使用しているのは、無料プランです。4択の問題をよく利用するので、無料でも十分に使用できます。ただ、利用できるのであれば有料プランの方が、生徒に多くの方法で回答させることができ、楽しむ幅が広がるため利用できたら利用したい気持ちもあります。
本教材は、ブラウザ版とアプリ版があるのですが、授業内ではChromebook使用するため、アプリ版は対応しておらず、ブラウザ版を利用しています。フィンランドの会社が作成したものですが、日本語対応もされているので、わかりやすいサイトになっています。問題の内容は基本的に前回の授業の文法や単語の復習として、ワークや、公立入試の問題から出題するようにしています。問題自体が、URLで生徒や他の人に配布できるようになっているため、オンラインコミュニティに、同じ文法を扱っている問題のURLが存在している場合は、そちらを拝借しているときもあります。今後は、学期末に生徒がグループで作成している問題も使用して、他クラスに出題をしたいとも考えています。
既存の問題を使用していても、1回の問題を作成するために毎回30〜40分かかってしまうため、完全にオリジナルな内容で問題を作成することは少ないです。
授業中の使い方
生徒全員がChromebookを使用できるため、Chromebookで、授業の最初5〜10分の時間に、前回の授業の復習の問題を個別に取り組んでもらいます。問題は1問につき20秒の制限時間が設けてあり、8〜10問出題しています。全員が取り組み終わった後に、上位5位の表示がされるため、クラスで共有し、上位の生徒には全員で拍手をするようにしています。ただし、生徒全員に共有ができるのは、上位5位までのランキングとクイズのみとなっており、教員側でも全員の回答を見ることはできないです。発表終了後は、本教材は使わずに本題の授業に入っていきます。現在は宿題として利用をしていないのですが、授業の中で利用した問題をURLにして、Googleクラスルームで生徒に配布をすると、自主的に復習をするため問題を解いて使用してくれる生徒もいます。今後は、宿題としても利用できたら良いなと考えています。基本的に復習問題として作成をしていますが、予習としても十分使用できると思います。
また、学期末には出席番号順に、3人1組でクイズを作成する機会を作っています。作り方を教える際は、クラス全体に教員が作成している過程や、使い方を画面共有で見せながら教えています。簡単に作成ができるため、あまり多くは説明しなくとも作成することができました。
英語が苦手な生徒でもグループで作成をすることで、苦手を補い合っている姿が見受けられます。それでもオリジナルで作成が難しいグループは、授業の中で使用している文を抜き取って、出題することも良しとしています。反対に英語が得意な生徒は、「日本で一番多い苗字はなんでしょうか」などの面白い問題を英語で作成してくれます。生徒同士で問題を作る際は、2時間割り当て、1時間で作成。もう1時間で発表をし、教員からの褒めの一言と、クラス全員で拍手をして共有をしています。
指導する上での工夫:
機能としては、選択問題以外にも問題を作成できるのですが、英語が苦手な生徒もいるため、選択制の問題にし、わからないながらも解答することができるようにしています。
また、前回の授業で出てきた単語や、文法を使用して問題を作成しているため、楽しく復習できるようにしており、作成した問題は家でも復習ができるよう生徒にGoogleクラスルームで配布をしています。
Q. 使ってみた結果
成績的な観点ですと、結果がわかりにくいのですが生徒の反応を見ていると、英語が苦手だった生徒がクイズをいつやるかと楽しみにし、以前よりも興味を持ってくれている印象があります。 逆に英語が得意な生徒は、上位5位だけ全体に発表されるため、上位に入ろうと奮闘したり、入れた時には自己効力感が高まっている印象があります。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
どんな教科にでも使用できるので、使用したい教科にもっと興味を持ってほしい、楽しく学習をしてほしいと考えている学校や、クラスには向いていると思います。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
導入に、遊びを入れることに抵抗がある学校やクラスには向いていませんが、使い方が分かれば使用する先生も増えるのではないかと思います。
- 埼玉県立公立中学校 匿名先生
- 埼玉県立公立中学校
プロフィール
中学生の時に英語は好きなのに授業がおもしろくなく、もっと面白く楽しい授業を自分で実践してみたいと思ったことがきっかけで英語教員を目指すようになりました。自分だけではなく、周囲の人も巻き込んで英語を好きになってほしいという気持ちが強かったことや、所属していたサッ…