中学の復習から始めるのに最適!苦手意識がある生徒でもアウトプット活動がしやすい難易度と構成の論理表現用教科書
最終更新日:2022年11月11日
- おすすめしたプロフェッショナル
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東京都内私立高校 M先生 / 東京都内私立高校
VISTA Logic and Expression I
三省堂
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
教員用教材に含まれる提示用パワーポイントを使用することで視覚的にも分かりやすく、そこから音声も聞けるためCDなしでもリスニングが可能になった。教科書のQRコードで、生徒もいつでもリスニングや重要表現の確認ができる。
各レッスンの基本構成が3ステップ方式(導入→インプット→アウトプット)で、教科書通りに進めれば自然とこれらの活動ができる。ワークシートもダウンロードできるので、ディクテーションの穴埋め問題はそれを使っている。
中学の復習から始めたい本校のレベルに合っている。イラストも適度に多く、文法解説も1ページにおさまっている。必要なら自分で提示用パワーポイントにスライドや問題を追加でき、アレンジもしやすい。教科書にあまり内容や問題があり過ぎても生徒が大変なので、最低限の部分を補いつつ、生徒の反応を見ながら追加して、状況に合わせられる。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
現時点では特になし。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:
今年度から高1に導入した。
きっかけは学習指導要領の改定。英語の授業単位が4単位から5単位に増え、今までは「コミュニケーション英語Ⅰ」の4単位を、長文読解と文法に2単位ずつ割り振られていたのが、「英語コミュニケーション」3単位、「論理・表現」2単位に変わった。文法定着だけに充てていた時間が「文法+表現」に置き換えられ、発表や対話などのアウトプットが可能になった。
今までの文法の授業では、文法書を前から解きながら中学の復習をしていたため、どうしても一方的な講義形式になりがちだった。話す・読む・聞く活動は、長文読解の2単位の時間だけであまりできていなかったため、なるべく読んだり意見を言ったりする活動ができないかと考えていた。
文法に充てていた2単位が「論理・表現」に変わり教科書を選ぶ際に、まずレベルは本当に簡単なものでないと難しいことと、なるべく自分の意見を言ったり書いたり読んだり、いろいろな活動ができる教科書が良いと思った。「コミュニケーション英語」の教科書で利用していた三省堂さんから勧められた本教材がそれらの希望に合っていたため選定した。
状況(クラスの人数やレベル):
1クラス 33 人前後。ほとんどの生徒が英検3級未取得。
他の類似教材ではなくなぜこれか:
生徒のレベルとして本当に苦手意識が強い生徒が多いため、記載内容が多いものや教科書が分厚いものは避け、なるべく分量が少ないものが良かった。早い段階で本教材を勧められていたので、他の教材は参考程度に見た程度で、本教材をベースに多少比較はしたがやはりこちらが良いと判断した。
また、各ページに QRコードが掲載されており、生徒が自宅でも自分の PCやスマートフォン等でリスニングやスピーキングの練習が可能なため。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
全体で15レッスンあり、1レッスンは、4〜6ページ。
各レッスンの基本構成は3ステップ方式(導入→インプット→アウトプット)で「コミュニケーション活動」と「文法の指導」の両方がスムーズに行える。レッスンごとの内容は以下。
1.その課で使用する単語、熟語、表現
2. ペアでの対話練習
3. リスニング問題、役立つ表現集
4. 自分の意見や発表、またはゲームなど。最後に文法の解説と問題
3レッスンごとに、英会話表現集・スピーチ・ディスカッションのやり方なども掲載されている。
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):
本教材を使う授業は週に2コマあり、1コマは50分。1レッスンを3コマほどかけて扱う。本教材の掲載内容に沿って以下のように進めている。
1コマ目では、簡単に文法を説明し、単元に出てくる表現や単語を発音。問題を解き、キーとなる会話を発音してペアで練習する。練習後、教員の前で発表を行うこともある。
2コマ目では、もう一度キー会話をペアで練習して復習、リスニングページでも同じキー会話を復習。リスニング問題を解いた後に、ディクテーションの穴埋め問題でその単語の聞き取りをすることで復習している。状況により、役立つ表現、やり取りに必要な表現を発音し、余裕があれば次回発音の小テストをすることを告知する。
3コマ目では、レッスンによって違うがスピーチ・ゲーム・ライティングのどれかを、2~3人のグループで行うかプリントに書く。最後に文法説明をして終わり。余裕があれば読みのテストを実施することもある。
本教材は高1~2の2年間で使う予定なので、1年で終わらなかったら続きは高2で使い、高3で同教材のⅡを使う予定。
指導する上での工夫:
教員の一方的な講義授業ではなく、グループで考え、皆で問題を解く、のようにやってみる機会を多くしている。また、完全にAll Englishはなかなか難しいが、なるべく指示は英語でを心がけている。
Q. 使ってみた結果
教員が授業でそのまま投影して使えるパワーポイントの使い勝手がとても良い。既にベース資料があるため、資料作成以外の授業準備に時間を充てられる。パワーポイントに付いている音声でリスニングもやりやすくなった。生徒も今どこを進めているのか分かりやすいと言っていた。
今年度から使用を開始したため、点数の変化は分かりかねる。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
最初のページは英語の語順から始まるので、中学校の復習から進めたいというクラス。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
国公立や私立難関大など上位校を目指す生徒が多い学校には、絶対的に内容が足りないと思う。
- 東京都内私立高校 M先生
- 東京都内私立高校
プロフィール
大学卒業後、現在の高校に非常勤講師として1年間務め たのち、専任教諭として 10 年間務めている。 実は高校までは理系だった。元々英語の文法が好きだったが、話せるようになりたくて大学で英語を学び、英語教員の道へ進んだ。生徒にも机上の勉強ではなく、話して伝わった…