基礎から中堅私大以上レベルまで!おもしろいテーマ満載の読みがいある長文読解テキスト!
最終更新日:2023年6月1日
- おすすめのポイント
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おすすめのポイント
本書は基礎レベルから中堅私大以上のレベルまでを網羅しており、私大や難関国立大学を目指す本校の生徒にあっていて、段階的に学習できる点が使いやすいと感じている。
また、取り上げられているテーマが非常におもしろく読みがいがある。たとえば『指紋が犯罪捜査に使われる経緯』『畜産業に使われる大量の水』『才能と練習(プロは1万時間練習をしている)』など、よく取り上げられるトレンドな話題(SDGsや地球温暖化など)とはまた一味違った内容が非常におもしろい。生徒も関心をもって取り組んでいる様子が、グループワークで活発に議論を交わしている様子から見受けられる。
Q. 対象としたクラスの特徴(学年、人数、授業目標等)
学年と人数:
本校には全部で4コースある。その中で
・特別進学コースαクラス(以下αクラス):東大・京大・国公立大医学部など最難関といわれる大学への現役合格を目指すクラス・特別進学コース(以下特進コース):難関国公立大学や難関私立大学をはじめ、日本大学医学部や歯・薬学部などの難関学部への現役合格を目指すクラス
の2コースで、高校2年生から本書を取り扱っている。
英語能力のレベル感、動機付けの強さ:英検でいうと、高校1年生で準2級、 2年生で2級を目指している。
個人的に達成したいこと・こだわりたいこと:
共通テストや入試で大事になってくるのが「概要を掴むこと」である。
入試問題に対してどういうふうにアプローチしたらいいか、訓練をしており、一文一文が難しい問題でも読めるようになってほしいと、日々授業に取り組んでいる。Q. 課題意識、導入の経緯
本書は当時高校3年生を担当していた先生が使用していた教材。その先生が担当するクラスの夏期講習を代講することになったのが本書を使うきっかけに。それまで使っていた教科書に特別不便さを感じていたわけではないが、より良い教材だと思い、自分の担当クラスでも導入することにした。
Q. 実際の使い方
授業における展開:
英語演習の授業で教科書代わりに取り扱っており、特進コースの高校2年生でLevel1からスタート。授業は週に4コマで、大体2〜3コマで1Lessonが終わり、本書にはない赤本を中心に大学の過去問を取り入れながら、1年で1冊が終わるペースで進めている。
αクラスの場合は高校3年生の夏期講習でLevel3を使用している。
通常の授業ではもう少しレベルの高い『Make Your Ascent to Better English Reading』を取り扱っている。
Q. 工夫したポイント
授業準備で工夫していること:
特進コースの中でも、附属大学の内部進学を希望する(英検準2級〜2級相当の)生徒にとっては少し難しく、繰り返しReadingすることを意識し、なんとなく「こんなことを言ってるよね。」という概要を身につけてもらいたいと思っている。
本書は単語の穴埋めや、内容理解に関する問題が選択問題ばかりで記述問題が非常に少なく、オリジナルで記述問題を作成している。
問題はテキストの内容に関するものや、概要を掴むものである。
目的は概要を掴むことなので、問題文は英語だが日本語で回答してもらう。英語だと逆に「教科書からそれっぽいところを理解せずにコピペする」可能性があるからだ。使い方は
①教科書を読む
②教科書の問題(選択肢)を解く
③もう1度教科書を読む
④教員オリジナルの記述問題を解く
⑤グループワークの流れで授業を実施している。
記述問題は回収も採点もせず、問題のためだけの解説はしない。記述問題に取り組むことを重視し、内容理解に関する問題を日本語で回答しているため、授業の中でその答えがわかるようになっている。
最後に、さらに内容理解を深めるために、授業内でグループワークを実施。グループ内でReading内容や出題された問題について話し合う時間を設けている。(クラス全員に発表する場は設けていない)
この時間は生徒も活発的に発言している印象だ。また授業の前に最低3回読むよう指示を出したり、問題文の和訳に時間を割いたり、他の過去問を用いるなど、さらにミクロな取り組みも実施している。
Q. 実施した結果
生徒の成績の変化等:
本書を使ったことに限らないと思うが、長文を読む量は増えてきており、長文慣れしてきてる印象がある。
2023年実施の共通テストの本番の結果は、想定より良い成績を収めていた。Q. 今後に向けて
昨年度は、特進コースの高校3年生を担当し、1Lessonにつき、1コマ読む時間、2コマ問題を解く時間に割いた結果、1冊終わりきらなかった。
今年度は、高校3年生は附属の試験対策や入試問題の対策も入れるので、スピーディーに進め、問題を解く時間を1コマにし、1冊しっかり取り組んだ上で、他の演習にも取り組めるようにしたい。
- 高瀬 圭
- 佐野日本大学高等学校 英語科主任