
利用中の英語教材をそのまま使える 英語教員向け音読学習管理アプリ
最終更新日:2023年9月1日
- おすすめしたプロフェッショナル
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匿名先生
RepeaTalk
コトバンク株式会社

- おすすめのポイント
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宿題の自学自習ノートを毎日提出させ、下校までに添削して返していたが教員負担が大きく、次のステップとして口を動かす練習をさせたい思いもあった。RepeaTalkを宿題として導入したところ、教員負担が減り、生徒も発音が良くなりモチベーションアップにもつながった。
Q. 対象としたクラスの特徴(学年、人数、授業目標等)
学年と人数:
高1のすべてのクラス。1クラスの人数は約40人。授業目標:
まず暗記し、その後暗記した文章の一部を自分で他の単語に変えられる、文法構造がわかる。高1では、文法だけではなく「口を動かす」ところまでもっていくのが大きな軸。Q. 課題意識、導入の経緯
中3を担当していた2019年度から導入している。その生徒たちが中1~2の時に「自学ノート」という、ノート1ページに自学自習(英語について内容問わず)をして毎日提出させる取り組みをしていたが、教員負担が大きいことが課題だった。当日預かったノートを、空き時間に添削して生徒が帰る前に返さなくてはならないからだ。その点本教材は放課後の時間でもチェックできるというメリットがあり、iPadでも学習ができて効果も高いことを知り、導入を決めた。
学習の定着化や毎日英語に触れる機会として「自学ノートに手で英語を書く」の次のステップとして、口を動かす学習に力を入れていきたいという思いもあった。
Q. 実際の使い方
授業における展開:
授業内ではなく課題に利用し、提出したら加点するかたちで成績にも入れている。授業で使う教科書『NEW TREASURE』や『CROWN』の本文を、授業後に自宅で復習として『RepeaTalk』を使って音読練習する。
授業終了後にすぐ取り組ませたいため、それができるように課題を配信しておく。提出期限は、授業後3日以内。場合によってはややハードルを下げて、例えばレッスン9が終わった時にはレッスン9か1つ前の8を提出していればOKとしていた。授業でレッスン10に取り組んでいるときに8の練習をしても効果は薄いだろうから、授業で学習した直後に音読することで効果を上げることが狙い。
同様にレッスン8-1が終わったらすぐにそこだけを練習できるように、課題はセクション単位で細かく設定している。
『RepeaTalk』は、課題を何単位で作るかやどんな順で何を音読させるかのステップ、リピート回数やどこまで必須にするかなどを、教員が生徒の様子を見ながらカスタマイズできる自由度の高さが魅力。ただその分、学校の目標に合うステップをどう組むのか、どのステップを取り入れるのが正解か、生徒への負荷は適切かを見極めるまでは試行錯誤だった。他校の取り組みも参考にしてステップを組み直し、以下のような5ステップに落ち着いた。
1:まずは2回ずつボキャブラリーの音読
2:区切られた文の復唱練習
3:発音と抑揚に気を付けながら本文の重ね読みの練習
4:さらに日本語の文章のみを表示させて英語の音読
5:最後にネイティブのお手本を聞きながらもう一度音読するクイックレスポンス添削は、生徒一人一人の音読を少しずつ聞きながら発音の癖などを見ている。
途中で変更した点として、音読する文章が長い課題で「読む時間が足りない」と文句が出たため、音読できる時間の設定を1~2秒単位で増やしたところもあった。
加えて、オンライン英会話では予習として生徒全員に『RepeaTalk』のレッスンを配信している。こちらは必修ではないので、利用している生徒はクラスの1割程度と少数派。しかし外国人講師と話すときに心の余裕ができるという声があり、生徒も効果は実感している様子。
Q.工夫したポイント
授業準備で工夫していること:
『RepeaTalk』を使うときには絶対にイヤホンをしないように生徒に伝えている。イヤホンをしなければお手本音声はスピーカーから出るため、それを聞きながら生徒が発音して録音すると、両方の音声が録音される。そうすれば録音後に録音音声を再生したときに、お手本音声と自分の発音を交互に聞けて、どう違うのか比較できる。イヤホンをしているとお手本音声が録音されず、再生して聞けるのが自分の発音だけで聞き比べできなくなり、とてももったいないのでイヤホンは付けない使い方がおすすめ。
評価で工夫していること:
平常点として成績に加えているのに、取り組まずにこの点数を捨ててしまう生徒もおりもったいなかったため、最初は厳しめに設定していた提出条件を途中で緩めた。概ね5つあるステップ全てで、ステップごとに録音と録音音声再生を1回ずつ必須行ってから提出にしていたが、一通りやると20〜30分はかかっていた。どうしても間違えたまま出したくないとこだわり40〜50分かかかってしまう生徒も。
少しハードルを下げ、全ステップではなく最後の提出ステップだけ録音と再生を必須にして提出すればOKにしたところ提出率が向上した。ただし録音時間は最低10分と伝え、10分未満の場合は不備として減点扱いにしている。
また、定期考査を『RepeaTalk』をやっていたら完全に有利になる問題にしている。本文の文章をそのまま使う問題で、その場で読んでいては絶対に終わらないくらいの問題数を出す。『RepeaTalk』は、覚えてしまうくらい読むレッスンが多いので、前置詞の空欄補充や並べ替えのような「本文を音読して、口で覚えていればすぐに解けるよね」という問題を定期考査に入れている。取り組みさえすれば定期考査にも有利だということが高2でわかり始めて「昔は提出していなかったが今は出している」という生徒も何名かいる。
Q. 実施した結果
生徒の成績の変化等:
導入前も、授業内でペアワークや音読、中学の場合は学期ごとのスピーチ発表もさせるなど、スピーキングに元々力を入れていた。加えて本教材で、自分の発音やその評価を確認しながらしっかり音読練習でき、発音も向上した。実際に他学年の英語授業を受け持つ教員から「『RepeaTalk』を使っている学年の生徒は発音が良い」と評判も良く、その後利用学年が広がり最終的に中3~高2で定着し本校全体の取組みの1つになった
発音内容が自動で文字化され、正しい発音との一致率と共に生徒画面にも表示されるため、教員に添削する時間があまりないときでも、生徒自身でどう聞こえたのかや発音の良し悪しがわかるので、とても助かっている。カラオケ感覚で気軽に取り組めて、良くなっていくこともわかり、一致率が悪かったら理由を考えるきっかけになる。生徒のモチベーションにつながり、定着率が上がった。
『RepeaTalk』はネット上で生徒の学習をチェックできるなど、生徒の記録をしっかり取りながら状況によって一括添削などを利用し、時間に融通を利かせられる。自由度がとても便利。
保護者の反応も良好。タブレットを中3から使っていると、ゲームや漫画など遊びでの利用を心配してしまうが、本教材は生徒が自室やリビングでブツブツと英語を話している姿から勉強の様子が見える形で伝わるので好印象とのご意見を複数いただいた。
保護者からの費用面でのマイナス評価も特にない。まとめて積み立てて学年費で計上しており、年度末に新年度の利用教材を選んで、年度ごとに金額も含めて保護者に通知している。

- 匿名先生