All Aboard English Communication I
最終更新日:2022年2月22日
- おすすめしたプロフェッショナル
-
匿名先生
All Aboard English Communication I
東京書籍
- おすすめのポイント
-
Q.良かったところ
本校では英検を全員受験するようになっており、1学期に3年生、2学期に2年生、3学期に1年生が受験する。卒業するまでに全員3級取得が目標である。本書は英検に対応している単語や熟語が多数含まれており、この英検取得の目標をほぼ実現させられた。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
本校には【総合ビジネス科・普通科(グローバル特進・スポーツ健康コース)・調理科・モビリティ工学科・看護科】の5学科6コースがあり、グローバル特進コース以外の学科・コースでは、すべてで同じ検定教科書を使用している。しかし、学科ごとのレベル差があり、下位層は、ベネッセの基礎力診断テストでD帯の生徒が多い学科もある。そのため、以前使用していた教科書(Landmark Fit)は難易度が高く、難しいと感じる生徒が多くいる状況だった。それに対し、本書は平易な文や写真などを多用しており、苦手意識の軽減につながるのではないかと考え、選択した。また、以前の教科書では3観点の評価(「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」)をする上で、特に「思考力・判断力・表現力」は通常のテストなどで計ることが難しく、評価が難しいということもあった。その点、本書はグループワークなどの活動を組み立てやすい題材も多く、教員側の負担の軽減も期待できると思った。
Q.実際の使い方
各単元は見開き4ページで、「新出単語→文法→5問程度の演習→本文の内容(日本語訳は事前に配っておく)→活動」といった流れで進める。学科によって異なるが、新出単語やコーラスリーディング、日本語訳などを扱った後、さまざまな活動を行う。
例えば、その単元の題材が歌舞伎ならば、歌舞伎の要素を取り入れた英語劇を作り、演じてみる。5~6人ずつのグループに分け、シナリオ・音響・衣装などはすべて生徒が計画して行う。制限時間は特にないが、1グループ当たり、およそ7分~10分程度である。英語劇以外にも、ロボットやAIの話題の時は、実際にロボットを工作し、機能や役割をグループで考える。教員が作成したワークシートを使って、ロボットの名前やサイズ・目的やエピソードなど、各項目を英語で埋める形になっている。最終的にはみんなの前で発表を行うため、教員のサンプルを参考にして原稿を作成する。作業中の会話については、留学生のいるクラスはすべて英語で行うことができるが、その他のクラスでは日本語の使用を認めている。また、単語や熟語を調べたり、自分たちが作った英文が、本当に自分たちの言いたい日本語の文章になっているか翻訳アプリで確認したりするため、携帯電話の使用を許可している。教員はあえて口出しをせず、困ったときだけ手助けするようにして、できるだけ生徒たちで動くようにしている。
1単元当たりの時間数は活動内容によって異なる。英語劇では14時間使用したこともある。グループワーク以外の時間は各単元を同じくらいの時間数で設定しており、1単元につき平均4時間程度のペースで扱う。単語と内容把握に1~2時間、文法指導と演習については様子を見ながら変えている。
Q.使ってみた結果
座学だけでなく、実際に英語を使用する場面が増加したことにより、モチベーションが低い、または英語が苦手な生徒も、積極的に授業に参加するようになった。生徒からは「文字が大きく、イラストや写真があるので、英語が分からなくてもおおよその内容が分かった」という声があった。
Q.利用が向いているクラスや生徒
英語が苦手であり、偏差値は40前後の生徒がほとんどといったクラスに向いていると思われる。
また、就職試験で中学校範囲の試験が課されることを想定すると使えるかもしれない。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
難関校を目指す生徒や、英検で2級以上を目指す生徒には全然物足りない。
- 匿名先生