DUALSCOPE English Expression
最終更新日:2022年2月23日
- おすすめしたプロフェッショナル
-
鈴木結紀
DUALSCOPE English Expression
数研出版
- おすすめのポイント
-
Q.良かったところ
英文法に関する大量の知識や情報が、きちんとまとめられており、大変分かりやすい
文法説明の例文に使われる単語が、比較的易しいので、すんなりと理解ができる
解説力が非常に高い! 文法解説が非常に丁寧なので、生徒からも「分からなくても、家で一人で読み進めていくうちに理解できた」と好評である
生徒が抱きやすい疑問や間違えやすい文法に関しては、さらに詳しい解説やコラムがあり、学習者目線に立った工夫がある構成だと感じる
Q.困ったところや改善してほしいところ
全部で631ページもあるので、辞書並みに分厚く、持ち運びにくいのが生徒に不評である
かなり内容の詰まった本であるため、授業時間を考えると、いくつか割愛する必要が出てくる。私が受け持つ生徒は大学入試を控える生徒であったため、入試でほぼ出題されないような難易度の高いものはサラッと目を通す程度に留めた
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
英語専門学科の高校生を受け持つにあたり、生徒自身がどんな疑問を持ったとしても、開けば解説が書かれているような深い学びを可能にする参考書を探していたところ、本教材を見付けた。
本書は英語に関する膨大な量の知識が掲載されているにもかかわらず、文法ごとに分かりやすくまとめられている。その上、解説や例文も高校生にとって分かりやすい。授業はもちろんのこと、家庭学習においても活用できると感じた。
Q.実際の使い方
授業の中で本教材をメインで活用している。
授業で扱う文法事項を生徒が読み、練習問題を解いてもらっている。具体的には、文法の例文と解説を生徒に読んでもらい、その後、教員が詳しく解説する。例文を音読練習した後、理解度を測るため、練習問題にとりかかる。生徒に解答と問題の解説をさせることで、どのように理解しているのかを教員側も把握できる。
章末問題は宿題として解いてもらい、授業で解説の後、小テストとして活用している。本書の文法は難易度の高いものも含まれるが、何度も復習させることで定着を図る。
Q.使ってみた結果
本書は、英文法に関するハイレベルの知識が、高校生にも分かるよう段階的かつ丁寧に解説されている。それに留まらず、練習問題が組み込まれており、小さなまとまりごとで練習できる易しい「練習問題」と、力試しがしっかりとできる難易度を上げた「章末問題」の両方が充実。そのため、自分自身の理解度をチェックしながら読み進めることができる。
もともと英語に対して苦手意識があり、家庭学習でどう勉強したらいいか分からなかった生徒でも、この本の解説を繰り返し読むことで、一人でも学習を深めることができた。また、先述したように、難易度を段階的に上げなら練習問題が設定されているため、スパイラル学習となって定着しやすい。練習問題で間違った部分は、もう一度、文法解説を読んでもらうようにした。その結果、以前は「英語は訳が分からないから丸暗記」という姿勢だった生徒も、「文法構造を腑に落ちるまで理解しようとする」姿勢に変化し、生徒自身の英語力が確実に上がっていった。
Q.利用が向いているクラスや生徒
大学進学を目指す高校生
英語専門で学んでいる高校生
本書は高校生にとってハイレベルの英文法を網羅した参考書であるため、上記の属性に向いていると感じる。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
中学レベルの英語がまだきちんと定着していない生徒(まず基本的な文法や語彙を先に教えないと、本書では難易度が高過ぎるため)
- 鈴木結紀
プロフィール
公立中学の英語教員として10年間の勤務経験を持ち、現在は中学生・高校生の家庭教師をしている。 ・生徒の目線に立った分かりやすい指導 ・教えた英語を、生徒自身が(試験、日常、そして将来の仕事などで遭遇した際に)実践的に使えること この2つを大きな柱として指導する…