- 対象:中学生(実践レポートでは中1〜中3、公立・私立とも)
- 技能:文法・語彙・ライティング(英作文)を中心に、スピーキング・長文読解・入試対策
- レベル:基礎・補習〜標準
- 出版社:正進社
- 種別:教科書準拠のワークブック(付属:単語帳つきミニ解答、赤シート、新教科書対応補充冊子〔2・3年〕、CD)
エイゴラボとはどんな教材か
正進社の中学生向け英語ワークブックです。出版社の紹介文によると、英語が苦手な生徒にも得意な生徒にも成長してほしいという考えで従来の教科書対応ワークの問題点を見直して作られ、発行6年目に全体の構成は変えずに問題設定を改善しています。付属品は冒頭のとおりです。
実践レポートを寄せた先生方の説明を総合すると、構成は次のとおりです。
- 1冊に Lesson(本教材では PROGRAM と表記)が8つあり、1つの Lesson は3つほどの UNIT と、まとめページ(「基礎力を鍛えよう」「力だめしをしよう」「Speaking/Writing など」)から成る。
- 各 UNIT は、文法の解説と基本文に続いて、STEP1「イメージする」(絵から考える穴埋め)、STEP2「練習する」(穴埋め・並べ替え)、STEP3「使ってみる」(日本語からの英作文)、「教科書に出てきた単語・表現」の順で進む。
- 特設ページとして「Honegumi LAB」「Focus Reading」「World Watch」がある。
- 別冊「ミニラボ」は本冊を縮小して解答を朱書きしたもので、赤シートを使った反復練習に使え、単語帳も付いている。
教科書準拠である点が特徴で、実践レポートは『NEW CROWN』『New Horizon』の準拠版を使う学校のほか、『Sunshine』を採用する学校からも寄せられています。松蔭中学校・高等学校のB先生は、Lesson の並びや単語・文法の出る順番が教科書と同じなので教えやすく学びやすい、と述べています。
現場で迷うポイント——どんなクラスに向き、どんな場合は別の選択か
6本の実践レポートに共通するのは、とっつきやすさで英語が苦手な生徒を引き込める、という評価です。絵が多く表現を使う場面がイメージしやすいこと、英作文の日本語文が口語的で中学生の関心を引きやすいこと(小畠功行先生は「テストのない生活を送りたいよ。―それっていつ?」のような例文を挙げています)が理由です。B先生は標準レベルを発展に、基礎レベルを標準につなげたいときに向くと述べ、学力差の大きい公立校(小畠先生)、英検5級〜3級が混在する30〜40人のクラス(匿名の先生)でも問題なく使えているという報告があります。
一方で、条件付きの注意点も挙がっています。
- 発展層が多い進学校では物足りない可能性:問題量はワークブックとしては若干少なめで、応用問題を数多くこなしたい層には物足りないかもしれない(B先生、匿名の先生)。難関高校受験に十分対応できるかは分からない(小畠先生)。
- 口語的な日本語文が英作文で混乱を招くことがある:主語が省かれた砕けた日本語を英訳する問題があり、学力低位の生徒にはピンとこない場合がある(小畠先生、匿名の先生)。空欄の下に英語の語順で薄く日本語が示されているので、それを見れば解ける構造ではあります。
- 完全な自学用と割り切れないクラスもある:生徒のレベルによっては教員が解説しながら扱う必要がある(匿名の先生)。各学年10名ほどで英検5級〜4級レベルが中心の学校では、後半の英作文パートに苦戦する生徒が出そうで、部分的に活用するほうが扱いやすい(匿名の先生)。
- 教材データ:定期テストを作る際の教材データがなく手打ちになっている(B先生)。HPの単語テストはアレンジできる形式があると助かる、ミニラボの音声用QRコードの読み取りの反応が悪い(匿名の先生)。
- 入試対策は別途:中3では、県立高校入試の形式に合わせた対策は別の教材で補ったという報告があります(匿名の先生)。
授業での使い方——導入・展開・宿題への組み込み
使い方は、授業内で文法導入から演習まで使う型と、家庭学習・課題用に回す型に分かれます。
授業内で毎時間使う型
B先生の実践レポートでは、週7コマの英語のうち教科書を扱う4コマでほぼ毎日使い、1 Lesson を2〜3コマ、1冊(8 Lesson)を1年で終えるペースです。
- 毎時間の最初の約5分、ミニラボで単語の発音練習と例文確認。週1回、見開き2ページ分(10〜15問程度)をテストする。
- UNIT 冒頭の文法解説を電子黒板に映して導入し、STEP1〜2 を各自で演習。解説は電子黒板に映した紙面に書き込む(授業支援アプリ MetaMoji Classroom を使用)。
- UNIT 3つ分を STEP2 まで終えたら教科書に戻り、音読・内容理解・文法をペアやグループで練習。
- 教科書の読み物まで終えたら、STEP3 以下を UNIT 3つ分まとめて解いて解説し、1 Lesson を完結させる。
小畠先生の実践レポートでは、「文法導入→Activity→問題演習→教科書→まとめ」の流れの問題演習で使います。一文法(教科書見開き1ページ)に2時間かけ、1時間目に本教材の演習まで、2時間目に教科書中心。演習中は必ず1人に1回は声をかけ、答え合わせは配布したミニラボで生徒自身に行わせ、浮いた時間をアクティビティに充てています。中3を担当した匿名の先生の実践レポートでは、パワーポイントの自作教材で新出文法の説明と口頭練習をしてから本教材で演習し、大半を授業内で終わらせています。宿題は3/4ページほどから1/4ページほどに減り、自作ドリルとの二度手間もなくなったとのことです。
家庭学習・課題用に回す型
匿名の先生の実践レポートでは、授業内ではほとんど扱わず、教科書の学習範囲を終えたら復習として対応部分を課題に出し、提出の確認を教員が行います。基礎問題20問程度、応用10問程度、新出語句10問程度と段階を踏めるため、生徒が積極的に解くようになったと述べています。
別の匿名の先生の実践レポートのポイントは、前半の基礎部分と後半の英作文部分を分けて出すことです。授業直後は前半のみを家庭学習に指定し、後半の英作文と新出語句はテスト前の復習用に残します。習ったばかりで英作文まで進むのは難しく、忘れたころに復習させるほうが定着するという判断です。
中1担任の匿名の先生の実践レポートでは、特進コースは完全に自宅学習用として宿題提出・チェック、進学コースでは中1で初めて英語に触れる生徒もいるため、STEP2 は宿題、STEP3 はできるところまで宿題にして次の授業で解説します。単語テストは、ミニラボの単語帳から教科書1レッスンにつき2回ほど、15個くらいずつ範囲指定して10問出題しています。
編集部からひとこと
自分で英語を組み立てる力をつけるワークブック
先生の実践レポートから
- 松蔭中学校・高等学校 B先生:『NEW CROWN』準拠で中1〜3の習熟度が幅広いクラスで使用。「英語は楽しい」という意識が芽生えることが大きなメリット。
- 小畠功行先生:公立中1で使用。ラフな例文と挿絵で苦手な生徒がワークを開くきっかけになり、ミニラボと赤シートがテスト前に頼れる1冊になっている。
- 匿名の先生:『New Horizon』準拠版を課題用に使用。教科書で扱う範囲を網羅しており、これ1冊で文法の復習は十分できる。
- 匿名の先生:少人数校で家庭学習用に使用。「英作文が分かるようになってきた」という生徒の声。
- 匿名の先生(中1担任):3コース制の中学で全コース共通に使用。反復練習が多く、先取りした文法を後から自分のペースで学べる。
- 匿名の先生:中3で使用。文法ごとに自作していたドリルプリントが1冊で済み、教材準備が楽になった。





