- 対象:高校生(実践レポートでは高1の終わり〜高3前半、レベル別にシリーズを乗り継ぐ形で使用)
- 技能:リスニングを軸に、音読・発音、ディクテーション、英作文
- レベル:標準(実践レポートでは Basic / Standard / Pre Advanced の各レベルに言及)
- 出版社:エミル出版
- 向く狙い:音声変化を意識させながら、共通テスト・民間試験形式のリスニングを帯活動で積み上げたいクラス
Focus on Listeningとはどんな教材か
エミル出版の高校生向けリスニング教材です。出版社の紹介文によると、共通テストおよび各種民間試験の形式に対応し、スピーキング力を養成するための音読用音声を備え、解答配布まで10分で完結する設計です。付属品はトレーニングブック、解答、音声CD(4枚組、CD付のみ)です。
実践レポートを寄せた静岡県内私立高校のM先生(『Standard』を使用)によると、全体は20の Training で構成され、1 Training は見開き1ページと巻末のディクテーション問題1ページの計3ページです(『Basic』『Pre Advanced』も同じ構成とのこと)。各 Training は次の5ステップで進みます。
- Phonetic Change:音声変化の解説。音がどう消えているかなどを聞き取って空所に書き込む。
- Listening for Grammar:英文を聞いて、近い意味のものを選ぶ同意文の判断。
- Listening Practice:3分くらいの会話や文章を聞いて問題に答える。
- Dictation:巻末に各 Training 対応のディクテーション問題がまとめられている。
- 英作文
現場で迷うポイント——どんなクラスに向き、どんな場合は別の選択か
M先生の学校では、音声面からの英語力強化を目的としたリスニング教材を各学年に1冊導入しており、毎年その学年に合うものを選んでいます。本シリーズを選んだ理由は、各 Training の最初に「Phonetic Change」があり音声変化に意識を置いて段階的に進められること、巻末のディクテーション問題をきっちり扱えばリスニングの力が付くと判断したこと、レベル設定が丁寧で解説が詳しく見やすいことでした。きっかけは、高3担当時にサンプルを見比べて同シリーズの『Pre Advanced』が共通テスト向け教材に入る前のレベルとして良い印象だったことで、その後高1で『Basic』、持ち上がった高2で『Standard』と使い続けています。
使用しているのは、特進コース6クラスと専門コース3クラスを含む普通科のほぼ全クラス(1クラス35〜40人弱)で、生徒のレベルは英検3級〜準1級と幅広いものの、ほぼ足並みをそろえて進められているとのことです。向いているのは「大学入試を意識する学校であればどこでも」で、レベルが各種あるので学年に応じてシリーズ内で進められると述べています。逆に、大学入試を念頭に置かないなら、あえてこの教材でなくてもよいというのが先生の見立てです。
困った点として挙がっているのは、「Phonetic Change」に音の説明はあるが音声が付いていないため、現状は教員が発音して聞かせていることです。音声変化の指導を教員の発音に頼らず進めたい場合は、この部分の運用を考えておく必要があります。
授業での使い方——導入・展開・宿題への組み込み
先生の実践レポートでは、年間計画として高1の終わりから『Standard』を使い始め、高2の2学期初めに1冊を終えて『Pre Advanced』に移行、高3の前半で終えたあとは模試問題などに進みます。
- 帯活動として組み込む:週3回のコミュニケーション英語の最初の10〜15分で扱う。
- 1 Training を2回に分ける:1回目は Listening Practice まで、2回目に Dictation と英作文。
- ステップごとに答え合わせ:授業内で各ステップの問題を解き、各自が持つ模範解答で採点。ステップごとに必ず確認してから次に進むことで、1つずつ理解したうえで積み上げる。理解しないまま進むと、最初に学んだことの効果がなくなってしまうため。
- スクリプトで確認して聞き直す:スクリプトを見て本文を確認したうえでもう一度聞き、自分の聞き取りと比べる。
- 時間があれば音読:スクリプト確認後に各自で音読する時間を取る。
先生は、スクリプトをうまく活用することで音読からのリスニング力向上や読解にも展開でき、オンライン英語学習サイト English Central の動画も併用して、興味を持った内容を広げたり音読・読解力の向上に役立てていると述べています。
結果としては、生徒は意欲的に取り組んでおり、具体的な数字は出していないものの試験結果もそれなりに向上しているように見えるとのことです。長文で扱われたトピックについて授業後も話している生徒がいるほどで、世界のさまざまな国の話題から日常生活まで幅広い題材が扱われている点も挙げています。
編集部からひとこと
共通テスト/民間試験形式対応リスニング教材




