Reading Power
最終更新日:2022年2月24日
- おすすめしたプロフェッショナル
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瀬戸伸晴 / 函館ラ・サール高等学校、函館白百合学園高等学校、遣愛女子高等学校
Reading Power
Pearson Longman
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
表紙に書いてある通り、Reading for pleasure, comprehension skills, thinking skills, reading fasterなど、これ1冊で多様なスキルの練習をカバーできる。
英文を読むスピードが遅い生徒は、どうしても全ての文章・設問を日本語に訳して理解しようとしてしまう。しかし、センター試験/共通試験ともに、問題文も設問も英語なので、全てを和訳する必要はない。英語で読み、英語で考え、英語で問題を解く練習をするにはすごく良い教材。全てが終わった後で、文章内でわからなかったところや知らない単語があった場合は、自分で調べたり質問させるようにしており、わからないところをそのままにしないようにしている。
最初に販売された版と改訂版とではストーリーはほぼ同じだが、文章の作り方に多少「現代っぽさ」が出ており、きちんと時代に即した教材に変化してきている。
また、本書はアメリカの教材だが、アメリカ英語だけでなくイギリス英語で書かれた文章なども含まれている(例:“Color”が”Colour”になっている など)。英語はアメリカだけで使われているわけではないので、さまざまなタイプの英語を学ぶ機会になっていて良い。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
知り合いの大学の先生からおすすめされて導入。本書は英文読解のために必要なパラグラフの種類の学習と速読の練習などで一番気に入っている教材である。
レベルも、Basic、ノーマル(記載なし)、Advanced、MOREと、基本のものから発展のものまでさまざまである。Basicは高校生には簡単すぎるので、上程度に英語が得意な中学生が解けるレベル。高校1年生はノーマル、高校2,3年生で扱う場合はMOREを利用している。レベルが高くなると長文の文章も長くなり、イラストもなくなる。
Q.実際の使い方
パラグラフの種類の説明をするときには通常の授業でも扱っている。速読練習40回の練習は特進コースの放課後講習など、受験対策用に使っている。
・Reading
「上手にReadingをするにはどうしたらいいか」というトレーニングをしていく。4~5行のパラグラフを読み「このパラグラフのトピックは何か」を3つの選択肢の中から選ぶ、というトピックを見極めるトレーニングや、そのパラグラフのメインアイディア、登場人物が何を言いたいかなどを選ぶエクササイズ。長文を読むうえで、この文章は何について話しており、何を伝えたいのかがわかっていると、内容の理解がスムーズに、早くなる。イラストからヒントを得て「〇〇の値段はいくらでしょうか」など、情報を探すエクササイズなどもある。こういった形式の問題は英検にも出てくるので、英検対策にもなる。また、1パラグラフの中にいくつか空欄があり、収まる単語を書かせるというエクササイズもある。
・パラグラフの4パターン
パラグラフの書き方には4種類ある。
①listing:私はこう思います、賛成です反対です、なぜなら…と理由が1~3つ書いてある
②time order:時系列順に書かれている
③cause effect:原因と結果(一番重要)
④comparison:比較
これらそれぞれの説明とトレーニングが記載されている。長文を読むときにまずパラグラフのパターンを見つけると、速読の手引きになる。
・速読練習
1つの長文を読むのにかかった時間、1分間に何語を読めたか(WPM)を計る。長文の裏をめくると、その長文に関する問題が8問書かれており、文章を見ずに答える⇒内容が頭に入っているか、内容をどれくらい理解できているかを確認する。長文とその長文に関する問題が40題あるので、各文章を何分で読み、何問正解できたかをグラフに書き残していく。
Q.使ってみた結果
生徒やコース・クラスのレベルにもよるが、1年生で速読練習を40回やるうちに満点が取れるようになる生徒もいる。
最初の方のレベルの本だとイラストがついているが、問題を解き終わると塗り絵をする生徒が非常に多いという、面白い点があった。
Q.利用が向いているクラスや生徒
大学進学を目標に、センター試験でいうと8割ほど取る生徒向け。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
大学進学を予定していない、センター試験で8割に届かない生徒には難しい。
- 瀬戸伸晴
- 函館ラ・サール高等学校、函館白百合学園高等学校、遣愛女子高等学校
プロフィール
1957年生まれ。北海道函館市出身。 南山大学 外国語学部 英文科卒業。大学在学中にアメリカ・イリノイ州立大学へ留学し、Political Scienceを専攻。 帰国後は函館大学付属有斗高校にて英語教員として24年間勤め、2010~2014年までは教頭も勤め…