教科書に準拠したAIアプリで単語や音読練習を強化!英検対策の教材もカバーし、マルチに活用できる
最終更新日:2023年3月22日
- おすすめしたプロフェッショナル
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本松 真 / 日本体育大学桜華中学校・高等学校
AI英語教材 abceed
アプリ
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
単語テストだけでなく、音読練習も行えて、音声の提出も可能。実際に生徒たちが音読をしたものをAIが得点にしてくれる。AIが正しく発音できているものとできていないものを色で判別してくれるので、ちゃんと読めていないものに関してはっきり分かる。発音できていなかった単語のみを聞いて、やり直し、得点が上がって合格になる喜びを味わえる。自分の音読が点数化されるので、ゲーム感覚の要素が入っていて、文字で英語を読むよりは楽しみながら学習できる。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
現状、単語と音読は使っているが、すべての機能を活用できているわけではない。使ったことがない機能に関しては分からないが、今使っているものに関しては特に不便はなし。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:
本校では5年ほど前(平成30年度頃)から三省堂の教科書を使用しているが、2年ほど前に営業の方から、三省堂が株式会社Globeeと共同開発した商品があるということでご紹介いただいた。ちょうどコロナ禍でICTを活用した授業を展開できないかと考えていた時期だったこともあり、昨年度(令和3年度)から導入した。状況(クラスの人数やレベル):
高1、高2のすべてのクラス(1クラス30人程度×1学年6クラス、すべて普通科)の英語コミュニケーションで使用他の類似教材ではなくなぜこれか:
本アプリの導入時は英語科主任は別の教員だったが、英語科で話し合って決めた。他のアプリと比較したわけではないが、本校でメイン教材として採用している教科書「My Way」に即したアプリであること、また本校は英検を年に1回は全員受験させているので、本アプリに英検対策用の教材も入っているのがちょうど良かった。Q.教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
さまざまな出版社の合計200冊以上の英語教材が収録されており、その中から勉強したい書籍を選んで学習できるアプリ。三省堂の教科書であれば中学高校のすべての教科書が網羅されているので、教科書に沿った使い方ができる。英検やTOEICなどのテキストも入っているので、資格取得のための学習ツールとしても使える。
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):
教科書の進み方に応じて、アプリを併用している。基本的には、レッスン全体が終わった時にレッスンの単語テストや音読練習を行うなど、復習目的で使用するケースが多い。授業の進度が早めで、セクション1つは2コマで終わる。各レッスンのセクション数は3~4で、レッスンにより異なるが、1レッスン4セクションの場合最大8コマで終わるので、レッスン終了ごとにアプリを活用する。
さまざまな機能があるが、私が主に活用しているのは、単語テストと音読練習である。アプリ上で教材「My Way1」を選択すると、その教材のレッスンの一覧が表示される。扱っているレッスンを選択して、単語テストをするのか、音読練習をするのかを選択する。
【単語テスト】については、出題数と合格点を決めて配信時間を設定するとその時刻に配信され、生徒は各自のタブレットでテストに解答できる。大学入試は解答用紙がマークシート形式なので、まずは単語の意味を答えられるよう出題している。
(例)enrich
・共通の ・知識 ・~を助ける ・~を豊かにする ・わからない
このような選択肢が画面上に出てくる。「わからない」という選択肢も含まれている。
出題する問題数は30問配信。合格点を8割で設定している。【音読】については、精読の観点からもまずは1文1文の音読を課している。
(例)Why do we have so many endangered languages?
各セクションの英文が1文ずつ画面に出て来て、まずは模範の音声が流れ、次にマイク機能を活用して音読・録音を行う。その後、正しく読めているかが表示される。採点機能が付いているので合格・不合格が分かる。一度に配信する文量はセクション1つ分。
辞書機能が付いているので、画面上の本文の一つの単語をクリックすると辞書の画面に飛び、その単語の意味の検索もできる。
指導する上での工夫:
単語テストは定期考査に直結するので、テスト形式で行っているが、音読に関してはただ音に興味を持ってほしいと考えている。その材料として使っているため、「合格/不合格」の採点機能が付いてはいるが、成績評価には入れていない。Q. 使ってみた結果
英語を読み、書くことが得意な生徒もいれば、聞く、話すことが得意な生徒もいる。英語に興味・関心を抱いてくれるなら、どちらかでなければならないという理由はない。このアプリはゲーム感覚でも楽しめるため、特に英語が嫌いな生徒にとって「英語を学習するきっかけ」になってくれたらと思う。単語をタップすると辞書機能が使えることも便利である。
ただし、このアプリを使用したから成績が上がったということを数値化し、特定することは難しい。例えば、「定期考査で単語を覚えなきゃ」という意識のある生徒にとっては、アプリを使用しても、使用しなかったとしても覚えてきた上で試験に臨むからである。とはいえ、従来の黒板と教科書だけの授業と比較すると、アプリを活用した授業の方が携帯電話やiPadなどの電子機器を日常的に活用している生徒にとっては取り組みやすい授業になるのではないかと考えている。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
音読や単語に関してはどの学力層であっても活用しやすい。三省堂の教科書以外も含まれているので、三省堂の教科書を使用していなくても使えると思う。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
三省堂のどの教科書を使うかによってレベルは異なるが、受験教材として考えると「My Way」」は本文の難易度が高くはないので、大学受験英語の観点では、より受験に特化した教材を使った方が良いと思う。
- 本松 真
- 日本体育大学桜華中学校・高等学校
プロフィール
福岡県出身。大学卒業後、20代の頃は塾・予備校業界で勤め、30代になってから学校業界(高校)で務めることになった。日体大桜華高校の他に、他の私立高校でも勤務していた経験がある。現在、高校1学年主任兼英語科主任という立場で日々生徒たちと楽しい日々を過ごしている。…