4技能を鍛えながら英検対策できる問題集。英検で成果が感じられて英語学習のモチベーションもあがる!
最終更新日:2023年4月12日
- おすすめしたプロフェッショナル
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山﨑 幸之助 / 武蔵野高等学校
Step by Step 4 Skills 2
三省堂
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
CEFRのレベル毎に冊子が分かれており、内容が英検に則している(例えば高2で使っているA2レベルは英検準2級に即している)ため、目指す英検のレベルに合わせて取り組みやすい。
ボキャブラリーもライティングもスピーキングも、それぞれ英検準2級の問題や2次試験に準じた内容になっているので、4技能をまんべんなく鍛えることができる点も魅力。
また、Unitの章末にCollocation(コロケーション:よく使われる単語の組み合わせ)が付いていて、スピーキング(2次試験)やライティングで使えるような表現の穴埋め問題もある。それぞれのUnitでブツブツ切れていてそのUnitだけでしか使えないよりも、他のトピックでもトータルで使える表現が出題されているので使いやすい。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
ライティングで、語数は英検準2級レベルでも題材としては3級くらいと感じられるケースがあり、上手く連動しきれていない部分もあると感じる。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:
近年大学入試改革において英検など外部検定試験の比重が高くなる中で、それまではリスニング特化型授業をしていたが、ライティングやスピーキング活動にも注力して総合的に4技能を高めていく必要性を感じるようになった。
状況(クラスの人数やレベル):
全部で4レベルに分かれているうちの2と3のレベルについて、ステージ(コース)によって目指す英検レベルに合う方の教材を使用している。各ステージのレベルは、「進学ステージ」大学進学をはじめ進路に必要な学力を習得、「特進ステージ」GMARCHなどの難関大学現役合格を目指す、「インテンシブステージ(中高一貫)」国内の大学はもとより、海外の大学への進学も視野に入れた国際教育。
・『Step by Step 4 Skills 2』(CEFR A2レベル、英検では準2級)
高2の進学ステージ、高1の特進ステージで使用。人数は1クラス約30人。・『Step by Step 4 Skills 3』(CEFR B1レベル、英検では2級)
高2の特進ステージ、インテンシブステージで使用。人数は1クラス約30人。他の類似教材ではなくなぜこれか:
他の教材も検討した中で、一番本校の生徒にとっつきやすい内容だったため選択した。本校は英検に注力しているので、内容が英検に則している点が決め手。3年前から利用している。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
Unit6まであり、巻末に、『Step by Step 4 Skills 3』『Step by Step 4 Skills 4』のみリーディング問題が3問、問題中の全選択肢の一覧とそれぞれの意味も収録してある。Unit 1~ 5 は英検、Unit 6は GTEC に近い形式の問題を収録。1Unitは約10ページで構成は以下。
1 Vocabulary:4 つの選択肢の中から、英文に当てはまる正しい語句を選ぶ問題
Reproduction:Vocabulary で取り組んだ英文を、今度は口頭で言う
2 Practice 1: Listening Comprehension — Dialogue:ダイアログを聞いて問題に答える
Exercises:ダイアログに出てくる表現の定着と発信のための練習
3 Practice 2: Listening / Reading / Oral
A Listening Comprehension:英文を聞いて、日本語の質問に答える
B Reading Comprehension:A で聞いた英文を今度は文章で読む
C Oral Practice:フレーズごとに区切って英語を言う練習、英文の内容に関する英問英答の問題
4 Writing:主に自由英作文
5 Speaking:問題文の指示をよく読んで取り組むQ. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):
スピーキング・リスニングを中心に4技能に特化した、本校独自の「英語演習」授業で使用している。
本校は2学期制で定期試験が年5回ある。前期で1周(4~7月でUnit1~4、9~10月でUnit5~6)し、11月以降はもう1周。1年で2周して終了する。
授業は週に2コマあり、1つのUnitは2.5~3コマで終わるため、1.5週で1Unitくらいのペースで進む。
基本的な進め方は、生徒に問題を解かせ、電子黒板での解説やペア活動、音読などを行う形式となっている。
Oral Practiceにはリスニングのスクリプトがフレーズごとに区切られて日本語訳付きで載っている。そこでOral Practiceの問題を解くときは、日本語を読んで英語を音読したり、慣れてくると教科書を見ないで教員が言った日本語を英語で答えたり、それをペアでやったり、色々な形で負荷をかけながら取り組んでいる。
Writing(主に自由英作文)の添削は、最終的には回収して教員がするが、慣れてきたら動詞の正誤チェックなど、授業中にポイントだけ生徒同士で行うこともある。
指導する上での工夫:
生徒全体を巻き込み、会話などで絶えず集中する雰囲気を作れるように、スピーキング活動をメインにしており、発問の頻度も高いと思う。教員側がずっと教えているだけというよりも、生徒が何かをやっている時間の方が多いように心がけている。例えば、教員から発問して生徒がそれに答えたり、それをペアでやったりという時間を多くとるなどの工夫をしている。1つの授業の中で、生徒が話している時間が7割、教員が話している時間が3割くらいを目指している。その割合で授業が進んだ日は上手くいったと感じる。
Q. 使ってみた結果
英検対策をしようとすると、今までは改めて英検の勉強を指導していく必要があったが、それが授業内でできているため、教員の負担が減った。
生徒が英検受験時に授業でやったことを直に感じられるので、英語学習に対するモチベーションも上がっていると感じる。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
偏差値50以下くらいの中間層に、4技能のとっかかりとして使いやすい。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
偏差値60以上だとレベル的に物足りないかもしれない。
- 山﨑 幸之助
- 武蔵野高等学校
プロフィール
本校教員6年目。英語科主任、生徒の海外研修の募集や企画を担う海外事業部、進路指導部を担当。幼少期より英語が好きで、中学校で教わった英語教員に憧れて英語教員を目指した。元外交官で、勉強というよりリアルな英語の内容を教えてくれたことが新鮮で面白かった。自分も、少し…