キクタン【中学英単語】
最終更新日:2022年2月23日
- おすすめしたプロフェッショナル
-
匿名先生
キクタン【中学英単語】
アルク
- おすすめのポイント
-
Q.良かったところ
本書の構成が、左から右へ【単語→フレーズ→文】という形で構成単位が大きくなっていくので、小テストを行う際に、単語の定着度合によって出題形式を変えることができる。1年生は左ページの単語と意味の連結だけに絞って出題し、2、3年生で1年時の成績の良かった生徒には、右側のフレーズと例文から出題している。教材を新しく買わなくても難易度設定を行いやすい。
Q.困ったところや改善してほしいところ
テストメーカーがない。今は手打ちで作成しているので、テストメーカーがあれば助かる。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
私は一昨年(平成31年/令和元年度)までは本校(中高一貫校)の高校を受け持っており、昨年(令和2年度)中学校に異動したときには、中学生はすでに本書を使用していた。本校では中学入学時に共通の単語帳を購入しており、昨年度の中学3年生が本書を持っていたので、少なくとも4年前には導入していたと思う。おそらく、導入した頃はまだ中学生向けの単語帳が数少なかったので、出版されている中で、構成が分かりやすく使いやすいものを選んだのだと思う。中学からエスカレーター式に高校に上がる一貫生が、高校から入学してくる生徒たち(偏差値50前後)と比べて劣らないだけの力を付けさせるのにちょうど良い教材だと思う。
Q.実際の使い方
●本書の構成
1冊に56のユニットがあり、各ユニットは見開き2ページで、16個ずつ単語が載せられている。左ページの左半分に見出語、その横に意味、右ページにはその単語を使ったフレーズと例文という構成。
●使い方
中学1年生から3年生まで、3学年を対象に、週に6時間ある英語の授業で帯活動として扱っている。いずれの学年も、1週間に3ユニット(48語)ずつ、まったく同じ範囲を扱う。毎回48語を、一気にCDの音声を流し、生徒がリピートして発音の確認、そして意味の確認を行う流れ。1週間同じ範囲をくり返す。全部で48語あるが、CDのテンポに合わせて進むと、大体5分~10分で扱える。
学習した範囲に基づき、週に1回、全学年で一斉に小テストを行う。テストは30問(30点満点)で、8分~10分以内で行える程度のもの。
なお、2、3年生は、単語の定着度合によりリーグ形式でクラスを2つに分け、問題の難易度を変えて出題している。2、3年生の上位リーグの生徒(前年のテスト5回の平均点が20点~25点以上)には、右側のフレーズと例文から、並べ替えと和文英訳問題を出題する。1年生と2、3年生の下位リーグの生徒には、基礎をもう一度しっかり押さえるために、左ページの単語と意味の連結だけに絞って、記号選択問題やスペルを書かせる問題を出題する。リーグごとの順位を、3学年全体でトップ10まで発表し、表彰なども行っている。
縦割りで競わせることにより、1年生は2、3年生を超えられるように、3年生は1、2年生に負けないように努力する。意外と1年目の生徒の方が、初めて触れるものに対する学習意欲が強いこともあり、必ずしも2、3年生が有利とは限らないのでおもしろい。
2学期末頃までに1周終わるので、ひととおり終わったら、最初に戻って繰り返し扱う。
Q.使ってみた結果
生徒はランキングが出ることにより、モチベーションが上がる。ただの単語帳ではあるが、制度設定をしっかり行えば、単調にならずに学習させることができる。
1年生の時から本書を用いて小テストを行っている生徒は、日頃から単語帳を持ち歩く習慣が付いている。単語を覚えようとする意識は高い。単語が使えるようになれば、英作文力が付く。受験を意識して教えているわけではない。表現力が問われる時代になってきているので、言いたいことを英語で表現できる力を付けてほしいと思う。
Q.利用が向いているクラスや生徒
共同的に学びに向かう習慣ができている学校にはピッタリはまる。
ただ「覚えて来いよ」と言って、テストして、できていないから追試、というだけではなく、生徒同士が良い意味で互いに競い合う仕組みづくりが大切。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
特になし。
- 匿名先生