Event Report

教員同士で語り合い、一歩踏み込んだ授業づくりを考える!「今こそコンテンツ第3回ポストリーディング(高校)編」

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2026年8月1日、海城中学高等学校にて、英語教員のためのセミナー「今こそコンテンツ第3回ポストリーディング(高校)編」が開催されました。ファシリテーターを務めたのは、海城中学高等学校の渡邊聡大先生、北里大学附属順天中学校・高等学校の川口純先生、そしてゲストとして頌栄女子学院中学校・高等学校の浅輪旬先生が登壇されました。

今回で3回目を迎えるこのセミナーは、学校や世代、経験年数の垣根を越えて、教員同士が授業について気軽に語り合える場を作りたいという思いから始まったものです。

会場に集まったのは、勤務する学校も教員としての経験年数もさまざまな先生たち。先生同士だからこそ交わせる率直な意見や、異なる視点に触れることで、新たな気づきが生まれる場面も随所に見られました。

「今こそコンテンツ第3回ポストリーディング(高校)編」とは

「今こそコンテンツ」は、「ただなんとなく英語を教える」から一歩進み、扱う本文のコンテンツを軸にねらいを持った授業設計の視点を育てることを目的とした英語教員向けのセミナーです。英文のコンテンツを大切にしながら、教材とどのように向き合い、授業を作っていくのかを考えます。

第2回となる前回は、「中学校の教科書を使ったポストリーディング活動」をテーマに開催されました。その際、参加者から「高校の教科書でも取り組んでほしい」という声が寄せられたことから、今回は高校1年生用の検定教科書を使った「ポストリーディング活動」をテーマにしました。英語の知識や本文の内容を理解するだけで終わらず、そこから生徒自身の思考や発信へとつなげていきます。

渡邊先生は、「高校になると、教科書の中身も内容のあるものになってくるので、コンテンツを活かした活動は高校の方がやり易いことは確かです。今回も面白いタスクはいくらでも作れると思います」と話します。

当日は、ジグソー法によるアイスブレイクからスタート。参加者は自己紹介を兼ねて教科書の内容を分担して読み、互いに教え合いながら理解を深めました。その後、川口先生と渡邊先生による実践提案に続き、後半にはグループワークでポストリーディング活動を考え、各グループが授業案を発表しました。

川口先生と渡邊先生による実践提案

まず、川口先生と渡邊先生が、この教材であればポストリーディング活動を授業にどう取り入れることが可能か、それぞれの実践例を紹介しました。

川口先生が提案したのは、学校内で起こる問題をテーマにした活動です。教科書本文で扱われているテーマは生徒自身からは少し遠い社会的な話題だったため、より身近な題材として学校内の問題に取り組む課題を設定しました。

課題は、目標や活動内容、手順に加え、必要となる言語材料や足場掛けなどを細かく設定したうえで提示します。また、学校やクラスサイズに合わせて、個人・グループのどちらでも、また発表方法も動画提出でもプレゼンテーションでも取り組めるものとしました。

一方、渡邊先生は、毎日の授業でどうしたらなるべく手間をかけずにいい流れを作れるか、という方向性を決めた上で活動を組み立てていきます。

意識したのは、教科書を有効利用して、いかに意味のあるポストリーディング活動を作れるか、ということです。教科書に掲載されている材料も活用しながら、プレゼンテーションとペア活動のバランスを考えた簡単にできる実践を紹介しました。

教科書を題材に授業案を考えるグループワーク

川口先生と渡邊先生による実践提案の後は、参加者がグループで実際にポストリーディング活動を考えていきました。

題材となったのは、冒頭のアイスブレイクでも使用した教科書のレッスンです。まずは一人ひとりが授業案を考え、そのアイデアをグループ内で共有。そこから意見を出し合い、40分間で一つの授業案にまとめていきます。

短時間で取り組めるワークや、2学期からすぐに活用できそうなプランなど、さまざまなアイデアが出されました。先生自身がモデルとなり、生徒にヒントを与える工夫も盛り込まれ、それぞれのグループで授業案が形になっていきます。

話し合いが進むにつれて、参加者同士のやり取りも次第に活発になり、思わず「私もその授業を受けてみたい!」という声や、教科書の良さにあらためて気づいたという声もありました。

最後は、各グループによる授業案の発表です。浅輪先生からの問いかけも交えながら、それぞれのアイデアをさらに深めていきました。

異なる視点に触れることで生まれた気づき

セミナーには、2回目、3回目となるリピーターに加え、初参加の先生も集まりました。参加した先生方に感想を伺うと、他校の先生と授業について考え、意見を交わす中で得たさまざまな気づきを話してくれました。

<参加した先生方の感想>

私立中高一貫校教員/2回目  
「他の先生が何を軸に授業を考えているのかを知りながら話し合えました。自分と共通する部分もあれば、違う部分もあり、最後に一つの授業案を一緒に作れたことがとても勉強になりました」

私立中高一貫校教員/3回目  
「普段は一人で授業案を考えることが多いので、いろいろな先生と話しながら一つの授業案を作っていくのが楽しかったです。他の研修と比べても、自分たちで考えて、実際に手を動かしながら取り組めるところが、このセミナーの面白さだと思います」

公立中学校教員/初参加  
「グループでは、自分より経験年数の短い先生から率直な質問が出て、『若い先生にとってそういうところが疑問なんだ』と私自身も新しい気づきをもらえました。自分の学校にも新しく入ってきた先生がいるので、今回の気づきを生かせると思います。また、自分とは違う視点を取り入れながら、一つの授業案を作れたのもよかったです」

私立高校教員/初参加  
「英語の研修自体が初めてだったので、いろいろな意見や自分がまだ持っていない知識に触れられ、今後の授業や教育に生かしていきたいと思いました。今回、経験のある先生方と一緒に活動して、同じテーマでも違う考え方があることを知りました。自分の学校では、先輩の先生と授業について話す機会がなかなかないので、学ぶことも多かったです」

取材を終えて

セミナー終了後、ファシリテーターの先生方に、この日の振り返りを伺いました。

渡邊先生
「今回扱った題材はとてもよかったと思います。ただ、『もう少し時間が欲しい』というグループもありました。みんなに考えてもらうというのが、このセミナーの趣旨なので、時間についてはもう少し考える余地があるかもしれません」

浅輪先生
「やはり高校の教材はいいなと思いました。レッスンの最後にある付加的教材も含め、どこをどう使うのか、あるいは使うか使わないかによっても授業が変わってくるので、そういう意味でも今回の教材は面白かったです」

最後に川口先生に、どのような人にこのセミナーに参加してほしいか聞きました。

「そんなに堅苦しくなく、でも授業の話を真面目にしたいという方に来ていただきたいですね。一人で悶々と悩んでいる先生や、『自分の学校では難しいかも』と思っている先生も、環境の違う他校の先生方と、オープンに限界を考えずに授業について語り合ってみてほしいです」

このセミナーで考えたことが、次に授業を作るときに「そういえば、あのセミナーであんなことを話したな」とふと思い出すきっかけになれば、それだけでも意味があるといいます。他の先生がどのように授業を作っているのか知りたい方や、普段とは違う視点に触れてみたい方は、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。

次回開催のお知らせ

「今こそコンテンツ第4回 while readingを意識したpre-postデザイン」

【日時】
2026年11月21日(土) 16:00〜18:05(開場15:45)

 【開催】
会場:海城中学高等学校
住所:新宿区大久保3-6-1
アクセス:JR山手線「新大久保駅」より徒歩5分、地下鉄副都心線「西早稲田駅」(3番出口)より徒歩8分

 【参加費】
無料

【ファシリテーター】
石井 潤(文教大学付属中学校・付属高等学校) 
川口 純(北里大学附属順天中学校・高等学校)
渡邊 聡大(海城中学高等学校)

【お申し込み&詳細はこちら】
https://20261121kyoikuevent.peatix.com/

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