アフターコロナだから得られる高校生留学のメリットを大公開【第一部】

最終更新日:2023年7月5日

【サマリー】アフターコロナだから得られる高校生留学のメリットを大公開

水際対策の緩和に伴い、海外留学への扉も再び開き始めました。そしてこのアフターコロナの時期に留学をすることは、将来の人材価値を大きく高めることにも繋がります。留学を悩んでいる生徒にとって、先生の一言が大きな後押しとなり、一生モノの経験ができるかもしれません。

しかし、海外のコロナ状況がはっきりわからないので勧めづらい、費用がかかる、自分も留学経験がないのでメリットを教えてあげられない、という理由で、生徒の背中を押してあげられないというお悩みを持つ先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は海外留学のスペシャリストである「トビタテ!留学Japan」プロジェクトディレクターの荒畦悟様、「一般社団法人海外留学協議会JAOS」理事長の加藤ゆかり様をお招きして、海外留学のメリット、安全性、手段、費用について最新情報をお話しいただきます。

正確な情報を根拠に、自信を持って生徒の背中を押してあげられるようになりましょう!

もくじ

【第一部】トビタテ!留学JAPAN 荒畦様:10代で留学する意義について
   < 付録 >トビタテプログラムの最新情報

【第二部】JAOS理事長 加藤様:留学手段、費用などについて

 

【第一部】「トビタテ!留学JAPAN」プロジェクトディレクター 荒畦 悟 様

留学を勧める背景
■ 高校生の意識調査
私も高校生のときに1週間ほど、姉妹都市交流でアメリカに行きました。きっかけは、中学校の先生に背中を押されたことです。スピーチコンテストに出させてもらい、賞を取ったことが自信になって、海外に行きたいと思い始めました。本当に先生の一言がすごく貴重だと思いますし、高校時代に留学に行ったことは私が今トビタテをやっていることに繋がっていて、高校時代の経験が人生を変えたと思っています。

高校生の留学意識調査によると、なんと高校生の約8割、そして先生方の7割が、留学が将来に役立つと思っています。さらに、実際に留学したいという高校生は約4割に及びます。しかし、たった1%の高校生しか留学してないというのが現状です。コロナ後も、留学したい生徒の意向は変わっておりません。高校生たちは海外へ行きたいと思っているのです。

■ これからの世界と日本
ニュースでも、日本の国際競争力が下がっていること、人口が減って国内の市場が縮小していること、生産性が低いこと、男女の格差が広がっていることが取り上げられています。
また経団連はこれからのグローバル経営を進めていく上で、グローバルに活躍できる人材が不足していることに課題感を持っています。
そして今は「VUCAworld」(=正解のない時代)と言われる時代です。特にこの1年は、ロシアからのウクライナ侵攻により、円安や物価高になり、本当に先が見えない世の中になってきていると思います。
その中で、これからを生きていく若者に求められる能力はどんなものか、そのためにどういう支援の仕組みがあるのでしょうか。

留学のメリット
■ 求められる能力
正解のない時代でこれから求められる能力は、自ら道を切り開いていく力と、前例に流されない力です。自ら道を切り開くためには、自分軸をしっかりと確立していくことが大切です。
この自分軸を生み出す経験をするためには、違う価値観に触れる必要性があります。自分のコンフォートゾーンから出て、いつもと違う思考や価値観、人間関係、環境に出会うことで、自分らしさに気づくことができます。これを私たちは「Away体験」と呼んでいます。

自分軸を育むAway体験には、①住む場所を変える、②時間配分・時間の使い方を変える、③付き合う人を変える、という3つの要素が関係します。実はこの3つは、人間が変わるための必須要素で、逆にこの3つを変えないと人間は変われないと言われています。
留学をすればこれら3つをすべて一気に変えることができます。つまり留学をすれば、自分自身を変えることができるのです!
一方で、新しいAway体験は不安なことでもあります。その不安な状況で一歩踏み出すために大切なのが、いつも支えて応援してくれる人(セキュアベース=安心・安全の場所)の存在です。高校生にとってのセキュアベースは、家族や親友、先生です。それで先生からの「君ならできる、応援しているよ」という一言が、彼らがAway体験へ一歩踏み出す力になるはずです。

■ 10代で留学する意義
10代で留学することの価値は、”社会を見るメガネが増える”こと、つまり世界を違う目線、広い視野で見れることだと思っています。実際、海外経験がある人や海外に興味がある人は、社会への関心や問題解決意欲が非常に高いという調査結果も出ています。

トビタテの派遣留学生たちは、新たな視点や新たな興味、新たな目標を見つけて帰って来ます。こういった未来に向けたエンジン(意欲)とコンパス(人生の指針)という自分軸を見つける可能性が留学にはあると思います。

<付録>「トビタテ!留学JAPAN」最新情報

「トビタテ!留学JAPAN」は、文部科学省と民間企業の官民共同で活動しています。高校生や大学生の若者を海外に送り出し、コンフォートゾーンから出てAway体験をしてもらうことで自分軸のある人材を育てていこうというプロジェクトです。
留学というと、様々な固定概念があると思いますが、トビタテの留学は海外体験、海外での修羅場体験と捉えていただいた方が良いと思います。
成績や語学力は不問です。情熱、好奇心、独自性、この3つが選考基準になっています。そしてやりたいことを、行きたい場所で、行きたい期間行う、という自分で作れる留学計画がトビタテの大きな特徴です。

探究学習のフィールドワーク先もしくはリサーチ先を違う国でやってみる、それがまさにトビタテの留学計画です。例えば、環境に興味がある生徒が、海岸のマイクロプラスチックを探すため、地元の海岸ではなくて違う国の海岸で調べてみようといった感じです。語学力からスタートする留学ではなく、自分のやりたいことや関心からスタートできるのがトビタテの留学です。
返済
不要の給付型の奨学金を支給をしているところも大きな特徴です。
アジア圏であれば月額12万円、それ以外だと16万円になります。留学準備金も支給される形になっており、期間の長さと渡航国の組合せで金額が決まります。

また留学だけでなく、事前研修や事後研修、トビタテ生同士のコミュニティがあり、全国47都道府県から120カ国に飛び立った仲間たちと繋がることができます。プロセス一貫を通じて新たなグローバル人材、自分軸を持ったグローバル探究リーダーを育成するプログラムになっております。

自由に計画できるといっても、ある程度カテゴライズしてコースを作っております。

■マイ探究コース:まさに自分が好きなことです。日本食が好き、パイロットになりたい、建築に興味がある、動物が好きなど自分の好きなものをベースに留学計画を作ることができます。

■社会探究コース:世界や日本の課題解決に興味があり、例えば気候変動や地域活性、子供の貧困、ヘルスケア、LGBTQ、AI、IoT、食、農業といった課題ベースで留学計画を作って留学をするというコースです。

■スポーツ芸術コース:オリンピック選手になりたいというレベルではなく、日々やっている部活動の延長線上で、他の国で部活動を見学したり参加したりします。例えば、野球部に入っていた生徒が、スペイン語も全く話せませんがドミニカに留学しました。ドミニカは野球が非常に強い国ですが、そこで野球チームを見学して彼が驚いたのは、ドミニカでは子供を怒らないということでした。いつもの自分の練習場とは全然違う環境で子供たちが生き生きとしていて、ミスをしても全然怒られないということに彼はカルチャーショックを受け、野球は怒りながら指導することが是じゃないんだということに気づいたという、そんな留学をした子も中にはいます。

3つのコースを見ていただいただけでも、皆さまが思い描いている留学という概念を打ち壊すものではないでしょうか。それがまさに私たちの目的で、海外に行くというのは多様であっていい、もっと楽しくあっていい、自分の興味分野を突き詰めるために海外のフィールドを使えるということを高校生にも、先生方にも知っていただいて、多様なチャンスを皆さまの生徒にご紹介いただけると嬉しいです。
トビタテ!留学JAPANにご興味を持っていただいたら、ホームページから学校経由で事務局にご応募ください。

■ 留学お役立ち情報
みんながどんな留学をしているのか調べたいという方にお勧めなのが『留学大図鑑』です。

ここにはトビタテ生の体験談が、現在1800ほど貯まっています。キーワードで検索するとそのキーワードに当てはまる体験談が出てきます。自分が興味あることがこんな国でこんな形でやっているんだ!こんな勉強も海外でできるんだ!という発見になります。

留学するしないに関わらず、探究学習の中でも、自分の地元では、このテーマでこんな取り組みをやっているけれど他の国ではどうなんだろう?など、調べ学習の材料としても非常に役立つと思いますので、ぜひご活用いただければと思います。

では、実際に生徒が留学したいと言ってきたら、何をどうしたら良いのでしょうか。スペシャリストの加藤様にお伺いしましょう。

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