英文法基礎10題ドリル
最終更新日:2022年4月8日
- おすすめしたプロフェッショナル
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森拓也 / 帯広北高等学校
英文法基礎10題ドリル
駿台文庫
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
英語が苦手な生徒は「英文法基礎10題ドリル」で反復練習できるので語順の意識につながる。英語が得意な生徒は入試問題にチャレンジしてさらに和訳までさせて、より英文への理解を深められる。問題自体は比較的簡単なため、英語が苦手な生徒でもパターンさえ理解できればマルがたくさんもらえる。それが成功体験になるので英語が嫌いでも訳せたり、文章にS,V,O,Cをふることができるようになる。そういった経験が生徒たちのモチベーションにつながる。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
ドリルの中ではあまりない。強いて言えば、今後、さらにさまざまな年代の人をターゲットとした上級レベルがでたらなおいいのではないかと思う。
英語ができる人、得意な人が取り組めるレベルのものや、基礎ドリルを完遂できた人が次のレベルにいけるような教材が出たらいいなと思う。
文法、文型に関しては「英文法基礎10題ドリル」が一冊終わればひととおり網羅できる。実際に入試で出題されるレベルの問題は比較的長文や複雑な問題が多いため、同じドリル形式でもう少し難易度が高いものがあると学習する側はさらに取り組みやすくなるのではないか。Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
英語の品詞への理解や英語の語順の理解に役立つと考えたため。
「英文法基礎10題ドリル」は並べ替え問題しかないので取り組みやすく、出題される問題パターンが毎回異なるので、解説を丁寧に見なくても取り組める教材だと感じたため導入した。●問題・課題 :生徒たちの何ができて何ができていないのかを可視化できていないところが一番の問題点だと感じている。その結果、生徒が「これはできる」が「これはできていない」といった思考をせず、一概に「自分は英語ができない」と思ってしまう傾向がある。
可視化を図るために、生徒自身がどのくらい英語が読めているのか、理解できているのかを確認・認識するためのツールとしてこの「英文法基礎10題ドリル]を使っている。
今後、学習指導が新しくなると評価の仕方も変わってくる。それに伴い、生徒自身が自己評価をしたり、現時点でどのようなことができていればいいのかを判断するためにCANDOリストを作成中。提示をしながら授業できるような仕組みを整備している段階。細かい理解度を測る教材やテスト等があればと日々探している。●状況(クラスの人数やレベル:コースによって分かれるが、be動詞が分からない生徒から共通テストを受けて国公立一般受験や難関の模試を受ける生徒まで本当にさまざま。
●他の類似教材ではなくなぜこれか:英語に苦手意識を持つ生徒から得意な生徒まで幅広く学習できると感じるため。英語が得意な生徒でもいざ復習をしてみると分からない箇所がでてくる。そういった部分でも少しずつ無くしていき、理解するまで学習できるところ。Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
本書の「英文法基礎10題ドリル」は主に1年生の特進コースをメインで使用している。自分でひたすら問題を解くパターンと講習で利用する場合がある。自分でやってきた問題を講習で生徒が解説したりする場合もある。基本的に生徒たちに解いてきてもらった問題を解説するのが一番スタンダードなやり方。テキストを利用しての進め方に関しては1年で1冊のペースで進めているが、学習中に理解できない箇所があれば繰り返し復習している。授業内では自学自習に取り組んで苦手意識を改善し、英語に対してもっと理解を深められるようにそれぞれが工夫している。進め方に関しては基本的にはドリルの順番に沿って第1章から進めているが主に自学自習に活用。小テストや定期テストの取り組みを見て、できないところや理解不足に感じる部分を解説。
【教材の構成】
ドリルの構成として36構成ある。英語の基本的な部分から理解できるように1章の第1文型(S.V)から順番に構成されている。テキスト第5〜6章が【S.V.O.C】文型にまつわる一番重要な箇所となる。初歩が理解できていないと次に進めないため、第1章から進めることで英語の基本的な構造から理解を深められるよう工夫している。【指導する上での工夫】:コロナ禍になってできなくなっているが以前は生徒同士の教え合いを実施していた。ペアの組み方に関しては席順で隣同士で行っていた。
低学力者同士であれば別だが、そういったクラスでは無いためそれぞれが教え合ったり、考え合ったりということがお互いにできるレベルがそろっているクラス。
無理やり生徒を動かしてペアを作らなくても何とかなるのかなと思う。講習でも普通の授業でも正解した問題を生徒同士で解説させる取り組みを行っていた。そういった取り組みが生徒個人の学びとなり、理解度が高くなるのかなと思う。Q. 使ってみた結果
S.V.O.Cといった文型などを考えさせられる問題を定期テストの大問の一部として出題していて、その正答率は上がってきていると思う。日本語訳をする際に誤った日本語を使うことがなくなっているなと感じる。生徒によって程度の差はあるが簡単な英語は理解できるようになってきている。入試問題のexerciseは歯応えがあってとてもいい。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
英語が苦手な生徒から自分はある程度英語ができると思っている生徒まで利用できる教材なのではないか。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
基礎ドリルなので受験を控えている高校3年生には必要ないかと思う。
- 森拓也
- 帯広北高等学校