国際教育ナビ

英語教材を探す

  • TOP
  • プロフェッショナル一覧
  • おすすめ英語教材
  • 教育トーク
  • 特集記事
  • おすすめの授業法
  • ウェビナー
  • お知らせ
  • TOP
  • プロフェッショナル一覧
  • 石田 直也
  • はじめてのジョリーフォニックス

はじめてのジョリーフォニックス

最終更新日:2022年5月26日

おすすめしたプロフェッショナル

石田 直也 / 青翔開智中学校・高等学校 教諭

目次

  • はじめてのジョリーフォニックス
  • はじめてのジョリーフォニックス2

はじめてのジョリーフォニックス

東京書籍

この教材を詳しく見る

はじめてのジョリーフォニックス2

東京書籍

この教材を詳しく見る

メッセージ

Q. 良かったところ
イラストが豊富で、例文が簡単で、小学校から中学校への橋渡しができる。視覚・聴覚・触覚など、多感覚で覚えられるので、どんなタイプの生徒でも記憶のとっかかりが作りやすい。また、中学1年生で押さえておくべき文法事項も含まれている。中学1年生の1学期の授業の中で文法の難しい説明はしないが、何となく文法に触れた状態で2学期に進めるので、2学期以降の学習がスムーズに行える。
通常の英語の授業では、小学校で英語を習っていた生徒と習っていなかった生徒の差が出てしまう。そうすると、習っていなかった生徒には苦手意識を持たせてしまうことがある。その点、フォニックスはほとんどの生徒がやっていないので、同じスタートラインで出発することができる。
本書は世界中で使われているので、関連する教材やアプリがとても豊富で、かゆいところに手が届く指導を行える。


Q. 困ったところや改善してほしいところ(もしあれば)
もともとネイティブスピーカーの子供たちを対象にした教材なので、出てくる単語の数が多い。(日本の生徒たちは)音や意味はすでに理解しているが文字だけ分からない、という現地の子供たちとは前提が違う。そこを意識して指導する必要がある。発音に関しては、1音節の短い単語の音は記載があるが、文章になったときの強弱やイントネーションの記載がないので、アクセントや英語のリズムの記載があると良い。

Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
●問題/課題
日本の英語学習者の実態として、「知っている単語は読めるが、未知語は見当をつけて読むことすらできず、ひとまずローマ字読みをしている」という課題意識があった。学年が上がるにつれて「単語→文→文章」と理解するべき幅が広がるが、最初の「単語の認知」に問題があるとその先でつまずいてしまう。単語の認知には、音の側面と文字の側面があるので、両方を知っておく必要がある。それで本校では、本格的な英語学習に入る前に、小学校から中学校への橋渡し的な学習として、フォニックスを学んでもらっている。

●他の類似教材ではなく、なぜ本教材にしたか
平成30年度から、中学1年の1学期は検定教科書は使わず、英語の読み書きの基礎をひたすら行う授業(文字(音素)のインプット・アウトプット、読み方のルール(フォニックス)学習後に単語・文のインプット・アウトプット)を実施してきた。当初は、市販教材ではなく、知り合いの教員(私塾の主催講師)が作成したものを使用していた。教材形式は冊子・プリント・データがあり、良い教材だった。内容も濃く、本校に合わせてカスタマイズされていて使い勝手は良かったが、教材とリンクしたアプリや問題集など周辺の教材がなく準備の手間がかかっていた。
昨年度(令和2年度)から本校に異動してきた教員が、フォニックスを教えていた経験があり、その教員から本書を紹介され、中学1年生を対象に、今年度(令和3年度)から導入した。
本書は、アメリカ版やイギリス版などがあり、現地の小学生が読み書きの練習のために使っている教材である。日本の生徒の場合、単語の読み方だけを教えると、未知の単語に出会ったときに、読み方のルールが分からないので読めないという課題があった。現地の子供たちのように音の読み方を教わっていれば、知らない単語であっても読むことができるので、非常に良い教材だと思う。
また、教員用の指導書もあり、指導法やカリキュラムが確立されていて、再現性が高い。指導者に対して間口が広い点も教材変更の決め手となった。


Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
中学1年生を対象に、1学期の期間限定で「フォニックス」2冊を扱う。
(ジョリーシリーズは「フォニックス」と「グラマー」の2ステージに分かれているが、「グラマー」は日本語未翻訳のため、時間的な問題から本校では「フォニックス」のみを扱っている)
「シンセテック・フォニックス」の指導法では、最終的に生徒・児童が自分の力で音を結合(シンセサイズ)して単語を読めるように指導していく。本書のカリキュラムとして
文字の音を覚えること
文字の形を覚えること
ブレンディング(文字と文字をつなぎ合わせて単語として読むこと)
セグメンティング(単語の中にある音を識別すること)
ひっかけ単語(フォニックスのルール外の単語 ex. oneなど)を正しくつづること
ができるように組み立てられている。上記の5つのスキルを教科書を通して獲得していく仕組みになっている。

●本書の構成
1冊目は、英語の基本となる42音の発音とつづりの組み合わせを教えるための教材。1ページに1つの音が掲載されていて、ABC順ではなく、英語でよく使われる音順になっている。1ページの構成は、大体7ステップ。
まず最初に、文字としてどういう読み方をするのか音の確認
次に、絵を見せながらそのつづりと音を含むストーリー(2段落程度)を教員が提示する(例:「S」なら「Snake」が出てくるお話)
それに関係するジェスチャーをしながら音をインプット(例:「S」なら蛇のくねくねをイメージしながらS字の動作)
文字を書く練習
音の聞き取り。イラストを見ながら、その単語を教員が発音し、それを聞いてその音を含む単語のイラストを選ぶ
ブレンディング。実際に発音しながら、他の音とのつながりを練習する
ディクテーション
この流れで、1回の授業(45分)で3〜4音ずつ扱い、1冊目は3週間くらいで終えて、2冊目に移る。
2冊目には、全部で23ユニットあり、各ユニットは6ページにわたり5つのレッスンで構成されている。
レッスン1:新出の同音異つづり(例:cheese の「ch」 の音以外に、school など「k」 の発音になるもの)
レッスン2:新出のひっかけ単語
レッスン3:ディクテーションと文字の練習
レッスン4:英語を外国語として学ぶ子供たちに培いたいトピック(例:場所を表す前置詞・副詞)
レッスン5:まとめと英作文(語彙/リーディング本文(5文程度)/引っ掛け単語の復習/リーディングQ & A/作文/単語集)

●実際の使い方
生徒用の教科書自体がワークブックのようになっており、レッスン内に設けられているアクティビティを行い多感的に学びながら、本を進めていく。設問は、イラストと単語のマッチングや、単語・文に合わせてイラストを書くなど。また時折、単語の導入からペアでの確認が終わった後、生徒(20人程度)を2〜4のグループに分け、ホワイトボードに導入した単語を表示し、各グループにリレー方式で1単語(1文字)ずつ書いていかせるというアクティビティを行うこともある。
1回の授業で1ユニットを終わらせるように扱う。ボリュームが結構あるので、自力でできる簡単なところは宿題にし、絶対押さえておきたいところだけ授業に組み込むようにしている。6ページ中4ページ分くらいは授業内で扱っている。
さらに補助教材として、自力で読める単語が多くなってきた頃には、同シリーズの「ジョリーフォニックスリーダーズ」という絵本を使うこともある。これにも複数のレベルがあるが、level 0 または level 1を使用していた。単純に読み聞かせをする場合もあるが、「ランニングディクテーション」というペアワークをさせることが多い。事前に何かしらの英文や文章(この場合はリーダーズ)を教室外などに貼っておき、生徒1が内容を覚え、生徒2に口頭で伝達、生徒2はそれを聞き取り配布されたプリントに書き起こすアクティビティである。


Q. 使ってみた結果
本書を使い始める前は、本書のもともとの対象が現地の幼稚園児や小学生なので、中学生には少し例文が幼稚かな…という心配もあったが、生徒は問題なく取り組んでいる。
音の認知能力や、アウトプットする際の調音力(正しい音で発音する力)が上がっている。英語と日本語の発音が異なっている部分について、舌や両唇などの使い方の違いを意識をして操れるようになったと思う。
夏休みの宿題で「自宅にあるものや街中で見かけるものなど、目に入る英単語を自分の力で読んでみる」という取り組みを行った。生徒たちからは「意味は分からないけど、とりあえず読める」という声があがっており、確実に力が付いている。
中1でフォニックスをやった生徒がいま高校生になって、「なぜ世の中学生はフォニックスをやらないのか?」と言っていた。高校では覚える単語数が一気に増えるので、スペル・読み方・意味を一度に覚えるのは結構大変だが、意味は分からなくてもひとまず読めれば、ゼロから覚えなくて済む。
読み方が分からないと、リーディングでは、脳内でその単語の再生ができず、リーディングのスピードが落ちてしまう。また、リスニングでは音が拾えず、そこでつまずいてしまう。本書の学習により、スピーキングの発音向上以外にも、リスニング力の向上やリーディングの速度が上がるので、基礎力の底上げにはなると思う。まだ数値的な集計はできていないが、フォニックスを学んだ生徒たちの音声の録音データを、一般の大学生の発音と比較し、どれくらいズレがあるのかを検証してみたいと考えている。


Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
基本的にはどの学校にもお勧め。特に、中学校の英語を始める前段階に最適。
小学校の英語の授業でやっておいてくれたら、中学校の英語の授業への移行がスムーズになるので助かる。


Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
テストの点数アップに短時間で直結するわけではないので、それを目的としている学校には向いていない。

石田 直也 / 青翔開智中学校・高等学校 教諭

石田 直也
青翔開智中学校・高等学校 教諭

プロフィール

大学在学中、オーストラリアにてDiploma of TESOL取得。その後現地語学学校にてインターン。帰国後『ベーシックジーニアス英和辞典第2版』(大修館書店)の発音部分を監修。現在は、青翔開智中学校・高等学校高等部に所属。高校1年生の担任を担当。 …

プロフィールを詳しく見る
プロフェッショナルの一覧

英語教材を探す

  • Repeatalk 詳しくはこちら
  • Twitter
  • Facebook

お知らせ

  • 2023.3.3

    3/25『教員ネットワーク作りセミナー』

  • 2023.2.14

    3年ぶり対面開催!『Cambridge Day 東京 2023』

  • 2022.12.7

    文部科学省英語教育推進リーダーが名古屋に集結!『英語なんでもQ&A』

  • 2023.1.17

    【2023年2月開催予定】 英語科 教員対象セミナー 一覧

  • 2023.2.20

    【2023年3月開催予定】 英語科 教員対象セミナー 一覧

  • 2022.12.24

    【2023年1月開催予定】 英語科 教員対象セミナー 一覧

レビュー募集

国際教育ナビでは、教材レビューを投稿したい方を募集しています。お気軽にお申し込みください。編集部員よりオンライン取材させていただきます。

申し込む

教材キーワード検索

よく見られている教材

※直近7日集計

  • チャート式シリーズ EARTHRISE アースライズ総合英語

    数研出版

  • エースクラウン英和辞典

    三省堂

  • 英作基本文例600

    啓隆社

  • Focus on Listening

    エミル出版

  • 新解説 英文法[完全]演習 Power Frame 850[New Edition]

    桐原書店

国際教育ナビ

  • Twitter
  • Facebook

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-15-12 301
運営会社:コトバンク株式会社
プライバシーポリシー

Copyright ©️ 国際教育ナビ. All rights reserved.