Vision Quest総合英語 2nd Edition
最終更新日:2022年5月28日
- おすすめしたプロフェッショナル
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中国地方 私立高校 I先生 / 中国地方 私立高校
Vision Quest総合英語 2nd Edition
啓林館
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
基礎をしっかり押さえて、文型を理解させることにより、文の構造を理解し、リーディングやリスニングの力が伸びている。また、アプリ版を導入することで、せっかく導入したiPadを活用できている。アプリ版の教材も体裁・内容は紙媒体とまったく同じで、年間550円を追加で支払うと、アプリ版を使用できる仕組みになっている。生徒にとっても、iPadの教材は本よりなじみやすいと感じる。数学でも啓林館のiPad版教科書を使っている。他の教科との一体感を出すことができている。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
本教材に掲載されている問題数が少なめ。章によっては、問題がない項目や2~3問程度しかない項目もある。また本教材は、各章の対応する問題が巻末に掲載されているという構成上、授業で扱う際に切りが良くない。そのため別冊の問題集を購入している。1冊でアプリ上で演習問題までまとめて行えると助かる。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
2018年度の1年生(最初の年は特進コースのみ)から年次進行で1人1台iPadの導入を開始した。それをきっかけに、特進コースの1年生を対象に、アプリ版がある教材を活用したいと思い、本教材に変更した。アプリ版の教材も体裁・内容は紙媒体とまったく同じで、年間550円追加で支払うと、アプリ版を使用できる仕組みになっている。おそらく今はもっと多くのアプリ教材の選択肢があると思うが、導入当時は本教材しかメジャーなものがなかったため、こちらの教材を採用した。
Vision Questには本教材「2nd Edition」の他に「Ultimate」版もある。「Ultimate」は載せられている用法の多さや解説の詳しさの点で、それまで利用していた数研出版の「チャート式総合英語」に似ている。以前のレベルに合わせると「Ultimate」かなと思ったが、基礎の定着が必要な生徒が多いので、基礎をしっかり押さえられる「2nd Edition」を採用した。特進コースには2クラス(偏差値60程度・1クラス10~20人/偏差値50前後・1クラス20~30人)あるが、どちらのクラスでも本教材を使用している。Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
本教材は文法の参考書なので、通常は「英語表現」の授業で使うことが多いと思う。しかし本校では、英語表現はネイティブスピーカーの教員が1人で授業を行っており、ネイティブに文法の指導をさせるのは難しい点があるため、日本人教員が指導できる「コミュニケーション英語Ⅰ」の週5回の授業で用いている。
本書の構成:
文法項目ごとに24章に分かれていて、1章あたりは7~10ページ程度。各章の構成は下記のとおり。
各章の最初には、先生と生徒の会話(質疑応答)が1ページ載せられ、その章で学ぶ文法項目のコアとなる点をイラスト付きで分かりやすく説明している。
その章の項目の学習ポイントが並ぶ(例:時制なら「過去」「現在」「未来」など)
それそれのポイントごとに例文が1つがあり、その後に解説が載せられている
解説の横に、図やイラストも加えられ、さらに分かりやすく説明されている
巻末には、日常的な英語表現を文法項目別に収録した「会話のためのプレハブ表現」、また各章対応の確認問題が載せられている。実際の使い方:
教科書で新しい文法項目が出てきたときに参考書として参照する。また、本教材だけをメインで扱うときもある。本教材に載せられている確認問題は、問題数が少ないため、別冊の問題集「Vision Quest English Grammar 47 New Edition」を併用している。
問題集は文法項目ごとに見開き1ページ。左側が説明、右側に20問くらいの問題が載せられている。授業内で問題を解いて、全員で答え合わせを行い、復習する。1時間で見開き1ページ進むのが目標。時間内に終わらない生徒は、宿題として行わせる。指導する上での工夫:
説明がずらずらっと並んでいるが、その通りの説明で理解ができる生徒は少ないので、できるだけ短めの分かりやすい言葉で解説するようにしている。練習問題は、ポイントが分かっていないと“しっかり”間違える作りになっているので、問題を解いてみて、間違えやすいところは手厚く解説を加える。
項目ごとに例文が載せられているので、例文を覚えて暗唱すればスピーキングの練習にもなるが、進度が遅くなるので授業でそこまでは扱えていない。学校の方針として「塾に行かなくても学校で指導します」と謡っている。試験範囲を効率的に網羅するため、アクティビティなどを行う時間はあまり取れない。Q. 使ってみた結果
以前は、英文を聞いたり読んだりしたときに「どういう意味なのか分からない」という生徒の意見が多かった。しかし、本教材は、最初から英語の5つの文型を意識しながら文を読ませる仕組みになっており、文型をくり返し使うことで、英文の成り立ちに対する生徒の理解度が上がった。それに伴い、リーディング、リスニングの力も上がった印象がある。具体的なデータは出していないが、模試の成績が上がっている。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
高校1年生で、大学進学を目指して基本から英語に取り組みたい生徒にお勧め。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
基礎をすでに理解している生徒や、会話的な表現に重点を置き、入試問題ほど文法や語法的な正確性を必要としない生徒には合わないと思う。
- 中国地方 私立高校 I先生
- 中国地方 私立高校