4技能5領域の英語言語活動アイデア
最終更新日:2022年8月25日
- おすすめしたプロフェッショナル
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芹澤和彦 / 大阪高等学校
4技能5領域の英語言語活動アイデア
明治図書
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
本書は、授業内で実施できるアクティビティーが55種類紹介されているテキストである。
幅広い習熟度レベルにおいても、生徒の実態を指導者側がしっかり把握していれば、どの言語活動も実施できる。
授業は生き物なので、生徒の実態と環境(時間帯・人数・習熟度レベル・雰囲気など)で言語活動の仕方も変える必要がある。多くのアクティビティーの中から、今の生徒に合うアクティビティーを選んだり、それをアレンジして指導することでバリエーションも増え、生徒たちもパターン化されていない活動に満足度が上がっている。
実際、生徒たちからのアンケートでも、「楽しかった」「しんどい活動もあるが、英語の力がついた実感がある」という声が集まっている。
「言語活動」といっても、例えば同じぺアワークでもさまざまなアプローチの仕方がある。
4技能5領域の学習指導をするにあたって、「言語活動」の引き出しを多く持っているということは、生徒の実態に合わせてさまざまなアプローチをすることができる。
本書の言語活動内容を用いることで、他の先生方の言語活動への視点を知ることができ、バリエーションが豊かな言語活動が可能になると言える。
また、同じ言語活動でも、複数の視点から複数の言語活動の方法が紹介されているため、自分にはない発想や、指導方法を知ることができ、アクティビティーの幅を広げることができる。
Q.困ったところや改善してほしいところ
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問題/課題:
教科書に沿ったリーディングの授業はできても、そこから4技能5領域に派生していくのは難しい。そのため、「実際の授業で取り入れられるアイデアが多く詰まったものがあると良い」という思いで執筆し、利用している。
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状況(クラスの人数やレベル):
頻度はコースによるところもあるが、担当してきた高校のどのクラスでも利用できた。現在は探究コースを担当し、本書を導入している。 -
他の類似教材ではなくなぜこれか:
どの教科書・参考書・文法書を用いても、本書と掛け合わせて、言語活動ができる点が魅力的である。
Q.実際の使い方
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本教材の構成
見開き1ページで一つの言語活動が紹介されている。
左上に活動タイトル、活動目的、その下に、活動の手順などが示されており、右ページには活動する際のポイントなどが示されている。
全部で55のアクティビティについて紹介されており、それぞれの活動に対して指導のポイントや着目する視点が示されている。
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授業の進め方
教科書や文法書とは異なり、言語活動を行う際のアイデア紹介・工夫紹介であるので、各言語活動によって言語活動時間は異なる。
目安となる時間や、グループワークの人数なども示されているため、生徒の実態・レベル・雰囲気にも合わせやすい。
特にお気に入りのアクティビティーは「自己調整ライティング」。
これは自己調整学習の理論をライティング活動に取り入れた活動。
「英語のライティングの後、リフレクションを具体的に書く。」
これを年間通じて行うことで、生徒たちが自立的に英語学習と向き合うことができるようになっていく。
これは英語学習だけでなく人格形成においても有効な活動だと考えている。
Q.使ってみた結果
多くのアクティビティーが掲載されており、その目的や手順、指導のポイントなどがまとめられているため、言語活動の実践にバリエーションが増える。
生徒たちもさまざまなアクティビティーに取り組むことができ、楽しく活動できている。
Q.利用が向いているクラスや生徒
中高生向けではあるが、小学校でもできると思う。英語教室や塾でも用いられていることから、幅広い層を対象に活用できる教材となっている。「生徒の“苦手”にフォーカスした指導がしたい! 」「生徒が楽しみつつもしっかり力のつく活動にしたい! 」という思いで執筆しているため、そのような思いを抱いている先生にお勧め。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
特にない。
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- 芹澤和彦
- 大阪高等学校
プロフィール
大阪高等学校英語科教諭。探究コースカリキュラムマネージャー。立命館大学大学院言語教育情報研究科修了。京都市立堀川高等学校にてキャリアをスタートさせ、複数校勤務したのち、現職。 EF Excellent Award in Language Teaching 20…