しっかり身に付けておきたい英文法を厳選!シンプルで分かりやすく解説してくれている副読本
最終更新日:2022年11月2日
- おすすめしたプロフェッショナル
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林マミコ / 下北沢成徳高校
基礎からの英文法ノート
増進堂・受験研究社
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
構成がシンプルなところ。
1コマが見開き1ページに収まって、簡潔に説明されている。
英文も長すぎないので取り組みやすい。
余計なことが書かれておらず、とにかく反復練習をさせるための教材。
応用のためのねじれや複雑な問題もなく、「この問題にはどの用法が当てはまるか」などのヒントが多め。
昔ながらのテキストなので(初版は平成6年出版、改訂版が平成16年出版)、SDGsや貧困問題など、近年注目を集めている社会問題を題材にしていたりはしないが、日常生活などを題材にしているのでとっつきやすさはある。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
特に困っているところはないが、あえていえば「最低限の内容」である。
プラスアルファでもう少し知識をつけたいが、応用させたいときには教科書などを併用しているので問題は感じていない。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
本教材著者の岩永 孝幸氏が今年度(令和4年度)から本校の教員陣にジョインしたことをきっかけに使い始めた。
ここ数年生徒は、中学生の頃から文法よりもコミュニケーションに力を入れた授業を受けてきている傾向にある。
そのため、Speaking力は上がってきている一方で、基礎が身についていない文法の苦手な生徒が多い。
文法用語である「不定詞」や「過去分詞形」などの言葉が教科書内に出てこず、それが「不定詞である」ということを知らずにいる生徒もいる。
また、認定教科書も全体的にコミュニケーション寄りの内容に変更されており、文法を身につけさせるのには十分ではない。
そこで、高校2年生で改めて基礎を見直す教材として取り入れた。
状況(クラスの人数やレベル):進学コースは1クラス20〜30名、進路としては日東駒専レベルが中心、偏差値は50前半ほど。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
1単元は見開き1ページ。
左ページの上半分〜7割ほどに、5つほどの例文とともに、今回の文法の解説がされている。
その下にまず初歩的な練習問題が4〜5題ほど並ぶ。
右ページには反復練習のための練習問題が15台ほど並んでおり、複数回取り組むことで身に付けさせる。それぞれ練習問題には、穴埋め、並び替え、和訳などがある。
レベルとしては「基礎を身につけるため」で、さほど難しくはない。
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
国際コース、進学コース、特進コースがあるうち、進学コース2年生の英語表現の授業にて、生徒に購入させて利用している。
1単元が見開き1ページで完結し、2〜3コマで1単元を終わらせる(45分授業)。
教科書(Vision Quest 2/啓林館)と併用して、副教材として使っている。
教科書の内容を一通り行ってから、文法解説時の補助として授業内での解説時に使っている。
Vision Qusetは、1は内容もまとまっており分かりやすい。2は1年生の内容が身につかなかった生徒にとっては少々ハードルが高く難しい。そのため、改めて文法の基礎を身につけさせるために採用。
1年で1冊完結を予定している。
本校は1年を4分割した「クォーター制」をとっており、ちょうど半分が終わったところ(取材は10月中旬)。
教科書の進行速度に合わせており、予定通りのペースで進められている。
基礎を固めてある程度応用もこなせるようになったら、英検を受験して力試しすることを勧めている。
文法の学習をしっかりできれば筆記は受かる。また、文法学習で身についた力を使って面接練習に挑むことで、よりSpeaking /Litseningのレベルも上げることができると考えている。
Q. 使ってみた結果
1学期(4〜6月中旬)で初利用し、期末テストにはこの教材から全く同じ文章の問題も出したが、平均点が40点と伸び悩んだ。
基礎中の基礎なので、このレベルがクリアできないと他の応用やコミュニケーションもできないと思う。
まだ結果が出ておらず文法そのものよりも、勉強の仕方・プロセスを学ばせているような段階。年度末まで使い続けて、文法の勉強方法=反復練習をしっかり身に付けてほしい。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
現在は進学コースでのみ使っている。
国際コース・特進コースでも必要だと感じる生徒がいるが、両コースの上位層の生徒には簡単すぎると思い、レベルを上に合わせた教科書のワークを使っている。
一方、進学コースは教科書だけだとついていけず、理解度が十分ではないので本教材を併用している。
基礎を固めていきたい生徒が多いクラスには向いていると思う。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
基礎がしっかりしている生徒にとっては、簡単すぎて退屈になってしまうだろう。
- 林マミコ
- 下北沢成徳高校