25項目の基礎英文法をマスターして、リスニング力・会話力アップも狙える!初心者向け英文法ドリル
最終更新日:2023年3月8日
- おすすめしたプロフェッショナル
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大山 裕隆 / 中央大学杉並高等学校
21マスで基礎が身につく英語ドリル タテ×ヨコ 高校入門編
アルク
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
これまでは、何もしゃべれないで黙ってしまう生徒がいたが、とりあえずしゃべれる生徒が増えた。内容は簡単ではあるが、楽しく反復練習をすることにより、実際のスピーキングに向けての基礎力が定着した。知識としては知っているという状態から、実際に使える状態になっている。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
同シリーズは「高校入門編」までしかないので、難易度が高めのものも欲しい。高校2年生以降も使えるようなものがあれば良い。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:
高校入学の段階において、生徒たちが中学校レベルの英語は知識として理解しているが、スピーキングを実践するとなった際に英会話としては出てこないという状況が見られる。例えば、三単現のSなどは英語上級レベルの生徒でもスピーキングの場面では間違えやすい。ある調査でも、高校生における中学レベルの英語の定着率・理解度について、非常に低いという研究結果が出ている。高校1年の生徒たちに中学の基礎をしっかり定着させたいと思った。状況(クラスの人数やレベル):
現在大学1年生の生徒が高校1年生だった、4年前の平成31年度、高1の全クラスにて、一番初めの教材として使用。1クラスあたり40名構成×8クラス(すべて普通科)で学年全体で320〜330名程度。レベル的には英検2級、CEFR A2~B1レベル。他の類似教材ではなくなぜこれか:
タテ7行×ヨコ3列の教材構成が唯一無二で、他に類似教材はなかったから。現在は、同様の構成でレベルを上げたものを自作して用いている。(現在は導入当時より多くのバージョンが出ているかもしれないが、導入時は本教材シリーズではこのバージョンが最上レベルのものだった)Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
見開きで左側に穴埋めのマス目、右側に答えのページで1セット。これが文法ポイント別に25セットあり、全107ページ。マス目状の構成になっており、タテ7行×ヨコ3列(または7行×2列)。縦の行は主語など、横の列は目的などが入っており、タテとヨコが交差する箇所の指示に沿って、行・列を追うごとに活用が異なっていく構成になっている。
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):
週2回の論理・表現(当時は英語表現)の授業で、最初の10分間を帯活動として、1回の授業でテキストの1セットを実施。1学期間で2周扱った。基本は、高速で音読させる。穴埋めのあるところで教員の後に付いてリピーティングをさせた後、全員起立させて音読を1回行わせ、速く読みおわった生徒から着席する。その後、リードアンドルックアップ、バックトゥーバック(背中合わせ)などペアワークを使って様々な音読活動を行う。期末テストの対象範囲として出題する。1学期の期末試験はほとんど全部テキストの内容が該当。
指導する上での工夫:
内容が簡単なので、飽きないようゲーム性を持たせて楽しく音読をさせる。ペアワークを多く取り入れることで、ゲーム性を持たせて和気あいあいと実施。音声データもダウンロード可能となっているので、生徒は各自で音声を聞くこともできる。ダウンロードするようにと指示は出しているが授業では特に使用していない。Q. 使ってみた結果
結果を数値化するのは難しいが、ケンブリッジ英検のスピーキングのスコアが4技能の中で一番高かった。生徒が音読に慣れた感じが見られる。最初は何もしゃべれなかった生徒がだんだん口をついて英語が出てくるようになった。特に旧課程のときはスピーキングのアウトプットができない生徒(書くことはできるけれど英語がしゃべれない生徒)が多かったが、本教材の授業を実施することで抵抗なくしゃべれるようになった。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
どの学校でもやった方が良いと思う。学校のレベルにもよるが、中学段階の復習として高校1年生の段階での導入で良いのではないかと考える。ただし、学校の進度によっては中学校でも実施はできると思う。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
現在の高1については、新学習指導要領で小3から英語をやっているので語彙力も増えていて、このテキストだと難易度的に簡単すぎると思う。
- 大山 裕隆
- 中央大学杉並高等学校
プロフィール
埼玉県出身。2004年より中央大学杉並高校に勤務。大学附属校の教員として受験にとらわれない、実用的な英語教育を目指している。常に生徒たちが英語を使っている授業環境を作ることを心がけており、生徒たちが「英語で何かを伝えたい」という気持ちになってくれたときは、本当…