「自分の意見をどう伝えたらいいかわからない」「アウトプットが不安」そんな生徒にピッタリ。充実のテーマと解答例から学ぶ、英検対策本。
最終更新日:2023年4月19日
- おすすめしたプロフェッショナル
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加藤 豊 / 富士学苑高等学校
最短合格!英検2級英作文&面接完全制覇
ジャパンタイムズ
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
英作文と面接で求められる能力を、同時に高めてくれるところである。公式HPにも記載されているように、英作文と面接のNo. 3&4は出題テーマが共通しているため、同時に攻略するのが効率的だ。さまざまなテーマやトピックに対して「賛成」「反対」のいくつもの意見を学べることは実際の試験にも大きなプラスになる。本書を授業に活用することで、生徒たちに「豊富なネタ」を提供できるのは教員としてありがたいと感じた。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
5年程前、共通テストへと変更されるタイミングで「英検」重視の風潮がでてきた。結局共通テストに英検が採用されることはなかったが、その頃から学校全体としても英検に力を入れるようになった。特別進学コースでは年1回の受験、その他のコースは任意であるが推奨している。
これまで、3級・準2級までは何となく合格できた生徒も2級合格には壁があり、特に英作文とスピーキングの際に意見の返し方について課題を感じていた。本書は議題に対する意見の理由例や表現が多く載っており、これらがセットで学べるので良いと感じ、授業内で導入し始めた。状況(クラスの人数やレベル):
高3特別進学コースS・Aの生徒を対象に授業内で使用。1クラス30名前後他の類似教材ではなくなぜこれか:
本書の内容が英検だけでなく他の検定にも対応していると感じること、また、扱っている話題が豊富な点が魅力的だった。Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
全体として大きく以下3つのchapterに分かれる。
①「英作文」と「面接」の概要と解答法
② 2技能を同時攻略する――分野別 コンテンツブロック150
③ 英作文&面接模擬問題①では英作文の出題形式、解答法、面接試験の流れ、面接試験の構成と解答法を学び、②では論述のパターンを学んだ後、【教育】【生活】【環境・社会】【ビジネス・IT・メディア】【日本と世界】という英作文と面接の頻出テーマを同時攻略する。③では実践として模擬問題を実施する。
授業内では主に②のchapterを活用し、それぞれのテーマに関してのトピックを掘り下げながらパターンや表現を指導している。1テーマでおよそ10~15ページ分あり、1テーマ内に10ほどのトピックが登場する。
例えば【教育】をテーマにした回では、「オンライン授業をどう思うか?」「9月入学をどう思うか?」などのトピックがある。それぞれのトピックでは、はじめに用語などの英語表現を学んだ後、賛成・反対それぞれ3~5パターンある意見例を読み、自分の考えや意見の伝え方を学ぶ。【教育】という大きなテーマの中でより具体的な意見を述べる訓練ができるのがポイントである。Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
週2コマある「論理表現」の授業のうち、1コマを使用。
毎年冬に英検があるため、高2の2学期、期末後くらいから本書を授業で使い始める。使用期間は12月~2月のおよそ3ヶ月間。冬休みに家庭学習課題として課すことも多い。基本的に本書をもとに各テーマごとに自作プリントを作成し、生徒に指導している。英検対策にかける時間も限られているため、各テーマ授業1コマで触れる程度で全ての内容は取り組めない。自作プリントでは、英検によく出るトピックの英文を1、2文ピックアップし、穴埋め形式で生徒が無理なく書けるように意識している。指導する上での工夫:
英検2級は、3級や準2級と比べて出題される単語のレベルが高い。そのため、授業内ではできるだけ2級レベルに近い語彙や、よりアカデミックで難しめの単語に言い換えて指導するようにしている。Q. 使ってみた結果
以前よりも、生徒たちは自分の意見に対して深い説明ができるようになった。特にあまり馴染みのなかった日本の社会問題などは日本語でも意見を出すことが難しいが、本書で意見のバリエーションや伝え方を多く学び語彙力が上がった。また、ディスコスマーカーや文と文のつなぎ方、段落構成についても度々触れたので文法のアウトプットレベルも上がったと感じる。数値は集計していないが英検の合格者も増加した。本書を「難しい」と感じていた生徒もいたとは思うが、「なるほど。こういう視点もあるんですね!参考になります」と、興味を持って前向きに取り組んでくれる生徒も多く、嬉しかった。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
インプットは割とできるが、アウトプットでつまずきの多い生徒、英検2級合格を目指す生徒。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
基礎が固まっていない生徒。
- 加藤 豊
- 富士学苑高等学校
プロフィール
山梨県出身。大学入学時、世間ではグローバル化について騒がれていた。短期留学を経験し、知らなかった海外の世界を知ることで日本を見直すキッカケになり、「人生の楽しみ」をより深く味わえるようになった。生徒たちにも「新しい発見」を多く経験してほしい。また、英語学習を通…