大学受験スーパーゼミ 全解説 実力判定 英文法ファイナル問題集 標準編
最終更新日:2022年2月23日
- おすすめしたプロフェッショナル
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河田淑美
大学受験スーパーゼミ 全解説 実力判定 英文法ファイナル問題集 標準編
桐原書店
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
丁寧な解説が付いているので、生徒の習得度に応じた対応が可能;
①生徒自身が解説を利用して、自力で間違えた問題の文法・語法の理解を深めることができる。さらに、その内容が含まれる単元が明記されているので、NextstageやUpgradeといった整理本や参考書で復習し、内容を定着させることができる
②生徒自身でできない場合、教師の指導の参考にできる
解説中に暗記すべき重要文法事項・語法がまとめられているので、整理しやすい
Q.困ったところや改善してほしいところ
本書は、1回分の演習にさまざまな単元の問題が出題されているが、空所補充問題に関しては、特定の単元からの出題が多い。英文法の運用能力を養うためには、単元から答えを推測できない方がいいと感じるため、空所補充問題も他の演習と同じような構成がいい。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
高校3年生の受験対策として、高校3年間で学習すべき英文法・語法の習得と定着、運用力の養成に役立つと考えて導入した。理解度、定着度、運用能力などをチェックし、生徒が運用・練習を繰り返すことで、不十分な文法項目への理解を深め、定着させることができる教材。
文法空所補充、文法正誤、イディオム、語句整序、英作文問題で構成されている
50問ずつ10回の合計500問で構成されていて、回を追うごとに難度が上がる(第10回は会話文の問題)
演習は単元別で構成されていないが、各回に頻出される単元がある
解説が丁寧である
①付属のチェックシートで、問題で問われている文法事項を確認することができる
②問題で問われている文法事項の説明に加え、同類の文法事項・語法などの解説も記載されている
③覚えるべき文法事項・語法がまとめられた表に整理されている
Q.実際の使い方
基本的には以下の順序で進める;
①何も参考にしないで問題を解く
②答え合わせをする
③できなかった問題の解説を読む
④(単元別問題で復習)
⑤反復練習
指導者の関わり方は生徒の英語力によって変化を付けていた。全てのステップを生徒自身が行い、理解の補助として指導者が必要な場合もあれば、全行程で指導が求められる場合もある。また、進めるペースも、1時間~1時間30分の授業で全行程を終える生徒もいれば、2~3回分の授業時間が必要な生徒もいた。
Q.使ってみた結果
生徒の文法・語法の習得度レベル、学習時間によって結果・成果は異なるが、間違えた問題への対応(解説して理解を深める、反復練習するなど)を確実に指導することで、文法・語法の習得度の向上が図れた。また、問題の英文を和訳する作業を必ず加えることで、英文法・語法を英文解釈をはじめ、読解分野への運用力養成にも効果が見られた。
Q.利用が向いているクラスや生徒
高校で学習すべき文法・語法の学習を終えた、高校2,3年生(中高一貫校などでは高校1年生)。あるいは理解度・習得度・定着度・運用力を確実にしたい生徒
重要文法事項や語法が解説も含め整理され、効率良く学習できる。そのため、受験が間近で、英文法・語法の仕上げを短時間で行いたい生徒
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
文法・語法の理解、習得度の低いクラスの生徒には効果的ではないと思われる。
文法・語法を運用して「読む」「書く」「話す」ができるようになるためには、まずは、表現や用法への理解が重要だ。そのステップを飛ばして本教材に取り組んでも、問題ごとに文法・語法などを説明するのにかなりの時間がかかる。また、理解を定着させるための他の教材が必要となり、本教材を中心に進める意味を感じなかった。
そういう生徒の場合、本教材を使うより、まず単元別に構成された問題集を方が、整理しやすく、効果的に理解を深めることができると感じた。
- 河田淑美