読みトレ100
最終更新日:2022年2月23日
- おすすめしたプロフェッショナル
-
匿名先生
読みトレ100
浜島書店
- おすすめのポイント
-
Q.良かったところ
本文が「英語を学ぶために読む」というより、「内容を楽しんで読む」ために作られている。この教材は、「学校で用いる英語はかしこまったものばかり」という固定観念にとらわれておらず、英語学習をより楽しく、実践的に行えるように工夫されている。そのため、この教材から、英語は「単に教科的な知識の指導にとどまらず、生きた言葉として活用できるようになってほしい!」という願いが伝わってくる。
タイトルの「100」は、本誌には各ページ100語前後で書かれた100話の題材があることを意味する。「読みトレ100」は、英語学習者が多読・速読によって英文を直読直解する力を身に付けることができる教材である。ホームステイするためにアメリカから来たビル君(15歳)とそのホストファミリー、ガールフレンドのあおいちゃんが主な登場人物。日本の生活習慣や中学校生活についてアメリカ人の中学生の目線で書かれた滞在記はユーモアや豆知識があり読んでいて楽しい。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
中学3年生で継続導入しており、使い始めてから5年目になる。担当教員が変わっても教材は変えていない。
中学3年生では、読んだ内容を「話す」・「書く」という活動につなげたいため、まとまりのある文章を速く読む力を付けたいと思っている。難解でつまらない文章を読むのに時間をかけていては他の活動につなげられないため、読み物教材としてちょうどいい量で、なおかつ、話題の発展性があると思われるこの教材を採用することに決めた。
本誌のみ390円 解答付き460円教員用音声CD(1~50回分)と、解答冊子付き。生徒が本文音声を聞いて取り組む音読練習のモデルとして、または内容理解を強化するために活用することができる、音声データのQRコード付き。本誌は、見開きの左右ページにビル君が書いたという設定の見聞録が書かれている。各ページ上部にタイトル、下部に1題の質問が書かれている。見聞録の内容としては、日本に留学することになったビルくんの異文化体験記や、日々の生活で印象に残った出来事などが100語程度の英文で書かれている。内容は友達とのやりとりや恋心、テストでショックを受けたことなど、生徒が経験しそうな親しみのある内容などが含まれている。
Q.実際の使い方
帯活動の教材として、授業の最初に5~7分ほど使っている。まず、音源を聞いて内容をさっと把握してから黙読させる。本文の内容に関する質問が各ページ1問設定されており、本文中に必ず答えがあるので、その質問の答えと関係のある文に下線をつけさせる。特に、1~17話までの質問は日本語だが、18話以降の質問は英語になるのも特徴。1、2分経過したところで下線を付けるべき文を全員で確認して終了。早く読み終わった生徒には補充の質問が3題、巻末に設定されているのでそれを解かせる。早く終わっても追加の質問に取り組めるので時間の無駄がなく有効的に使えている。
1分間で何語の英語が読めるようになったかを測定するWPM(words per minute)早見表が付いており、本誌タイトルの由来のように、何語読めたかを重点的に確認できるようになっている。「100」以上を目指すようにと声をかけて、生徒によっては個別に、より高い目標を設定するように促している。
Q.使ってみた結果
初見の英文を「訳す」のではなく「読む」ことができるようになる。訳読式の授業を受けてきた教員や生徒にとっては最初の文から訳したくなってしまうようだが、この教材を使っている生徒たちは、質問の答えをとにかく速く探すためにさっと読む習慣を身に付けることができる。速い生徒は100語程度の英文を20秒程度で読み取ってしまう。また、黙読中、思わず笑い出す生徒がいる。それは、生徒の頭の中で英語が英語のままで理解されている証拠と解釈できる。1年間で100話読み終えたら1万語の英文を読破したことになり生徒にとって大きな自信となる。
WPMについて、TOEICでは150〜200と言われているが、本教材は英文の難易度等から150くらいになる生徒もいる。
Q.利用が向いているクラスや生徒
中学2、3年生で使用ができる。英語が苦手な生徒でも日々の積み重ねで少しずつ英文を読むことに慣れていける。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
なかなかいないとは思うが、「学びは学び」と割り切っており、「楽しみながら学ぶ」ということに抵抗のある生徒。
- 匿名先生