Grove English CommunicationⅡ
最終更新日:2022年2月24日
- おすすめしたプロフェッショナル
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平田純 / 北陸学院高等学校 中等部・高等部主任 (高3生ご担当)
Grove English CommunicationⅡ
文英堂
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
教科書自体の内容はそこまで難しくなく、易しい英語で読むことができるため、生徒たちの自信につながった。学年が上がり、教科書のレベルが上がっても生徒たちは問題なく対応することができていると感じる。毎年、英検準1級に合格する生徒も数名(多い年は10名前後)おり、本教材を使っての指導に効果を感じている。
Q.困ったところや改善してほしいところ
こうだったら良いなと思う部分を補うために、自作教材を作成した。PPTにしてYouTube上にアップしており、それに連動した自作プリントも作成して使用している。また、この自作教材に関しては、Groveを使用されている他の学校でも、文英堂さんを通じて利用可能になっている。音読指導の一助となれれば幸いである。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
以前からGroveを使っており、校内で厚い信頼を寄せている1冊。対象学年にもよるが、英文の難易度はそこまで高くない(旧センター試験や英検2級レベル程度)。読みやすい文章をどんどん読ませることで生徒の経験値が高まっているため、とても理にかなっている教材だと感じる。
・問題/課題
特定の課題解決のために導入された教材ではなく、以前から愛用されている。まず第一に、教科書を完璧にするという指導方針を大切にしている。自作のプリントを活用することで、生徒には教科書に書き込みをさせず、試験前にまっさらな教科書を見て内容が分かるかどうかを確認させている。
・状況(クラスの人数やレベル)
高2の特進クラスを担当。(1クラス33~34名、総合進学クラスと合わせて全部で9クラス)
・他の類似教材ではなくなぜこれか(継続理由)
レベル感が良く、指導がしやすいため継続している。また、使用効果を十分に感じているため。
Q.実際の使い方
特進クラス、総合進学クラスで指導ペースや教材学年が異なる。全クラスに設置の電子黒板を授業で活用。
・総合進学クラス:同学年の教科書を使用(高2用)
教科書は1冊でレッスン10まであり、各レッスンの中でPart1から4まで分かれて構成されている。レッスンでは大きなテーマがあり、パートではさらにその内容が4分割されている。テーマは多岐に渡り、生徒たちの興味を引き付けるものばかり。文英堂出版のものは特にテーマが面白いと感じている。
(例)「世界のチョコレート不足事情」「経済状況とスカート丈はつながりがある」など。SDGsにも自然と触れられるようなテーマが多い。慌てず、ゆっくり・じっくり丁寧に授業を進めている。
・特進クラス:3学期は1学年上の教科書を使用(高3用)
教科書はパートで分かれておらず、1レッスンにつき長文が1つ掲載されている。見開き2ページで1レッスンの構成。授業時間「コミュニケーション英語」は45分1コマで、週3コマ実施。1レッスン分進めるのに3コマほど使うペース。
指導する上での工夫:
授業の半分は「生徒たちが音に触れている状態」を作ることが目標。自作教材や教科書付属CDを活用して、英語を聞いてるか・しゃべっているか・ペアワークしているかの時間を多くとるようにしている。
【リスニング】
特にリスニング指導にかける時間は長い。英文をあえて速いスピードの分かりにくい状態で聞かせ、その後ペアワークを実施し、どんな内容だったのかお互いに発表させる。答えられないと恥ずかしいという気持ちで、生徒は頑張って聞こうとする。3回ぐらい繰り返した後、教科書のQ&Aや自作の穴埋めシートでディクテーションをさせる。
【同時通訳】
また、高2特進コースでは「同時通訳」をテーマに指導に取り組んだ。教科書の英文を音読しつつ、遅れないように日本語で翻訳していく。スピードが重要で難易度は高いが、流れていく英文は物理的に戻らないため、頭から返り読みしないための訓練になる。この同時通訳を、独自の取り組みであるパフォーマンステスト(口頭試験)に入れている。このパフォーマンステストは、私が赴任してから実施を始め、現在5年目だが、学習内容の定着に効果を発揮している。速読を目指すには、同時通訳が最も有効だったとこの1年で感じた。
Q.使ってみた結果
最も良かった点は、生徒が音のない勉強をしなくなったことである。生徒たちの日常に音読やアウトプットが根付いてきているが、ポイントとなるのは自宅での音読時間をどう増やすかだ。実は、教科書の補足教材として自作のPPT教材を作成している。それをYouTube上にアップすることで、生徒たちが自宅でもしっかりと音読時間を確保できており、より教科書の内容が定着するようになった。さきほど述べたパフォーマンステストでも音読が課されるため、生徒たちは隙間時間を見つけてよくYouTubeで練習するようになった。また、音読がスピーキング力向上につながっているとも感じる。リスニング力の向上に効果があるかどうかはデータとして検証はできていないが、「速く読めれば速く聞ける」と信じて指導している。
※出版社から許可を得て、自作教材をYouTube上にアップしています
Q.利用が向いているクラスや生徒
進学校でも、そうでないところでも、活用の仕方によってほぼ全ての学校で利用できると感じている。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
特にありません。
- 平田純
- 北陸学院高等学校 中等部・高等部主任 (高3生ご担当)
プロフィール
北海道出身、石川県での教員歴が20年目を迎えました。 「まずは英語の授業を楽しいと感じてもらいたい」。その想いから、YouTubeを活用した自作教材の活用や、パフォーマンステスト等、生徒を飽きさせない工夫に努めています。また、授業の初めに必ず「今おススメの洋楽…