中学英語の復習ができる!生徒の学びを丁寧に支える使いやすい英語教科書
最終更新日:2023年2月21日
- おすすめしたプロフェッショナル
-
学校法人市川学院 市川高等学校 英語科 F先生 / 学校法人市川学院 市川高等学校
VISTA English Communication Ⅱ New Edition
三省堂
- おすすめのポイント
-
Q. 良かったところ
高校生向けの教科書としては、英語が苦手な生徒にとっても、文法や単語のレベルが難しすぎないところが良い。
1ページ内に掲載されている英文の長さやパラグラフの量などもちょうど良い。
また、レッスンで扱っているテーマをもとに、生徒の興味や関心を広げるような授業ができる点も良いと思う。
例えば、「世界の誕生日」をテーマにしたレッスンでは、アメリカの高校生がどのような誕生日の過ごし方をしているかについて書かれている。
そこから、アメリカ以外の国での誕生日についても考えてみよう、というように視野を広げていけるので、教員にとっても教えやすいのではないだろうか。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:
当校の3年生には、特進コース・進学クラス・普通クラスの3つの教育課程がある。そのうち普通クラスには英語が苦手な生徒が多く、中学3年までに習う英語を完全にマスターできないまま入学してくる生徒が多い。
そのため、普通クラスの生徒に対しては、高校を卒業するまでに義務教育レベルの英語を身に付けさせることを課題としている。
状況(クラスの人数やレベル):
15年以上前から3年生の普通クラスで使用している。普通クラスには3クラスあり、1クラスの人数は35名。大学受験する生徒は少なく、中学校卒業の英語レベルに到達していない生徒が多い。
他の類似教材ではなくなぜこれか:
以前は、出版社が偏らないよう、5年程度を目安にいろいろな教科書に変えて使っていたが、生徒がなじめなかった。そのため、生徒が勉強に取り組みやすいように、中学校で使っていた英語の教科書と同じ出版社の教科書を使うようにした。
また、大学受験をする生徒が少ないため、大部分の受験をしない生徒の英語力に合わせたことも理由のひとつである。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
レッスンは1~10に分かれている。
各レッスンのページ数は8~10ページ(レッスンによって異なる)。最初の見開き半ページにレッスンで扱うテーマについての概要がクイズ形式(日本語)で紹介されている。
本文は、見開き半ページごとに英文・単語の意味・設問が掲載されている。英文の分量は各レッスン見開き半分×3ページ分。
本文のセクションのあとは、本文に出てくる文法の詳しい解説や穴埋めなどの演習問題なども掲載されている。
レッスンとレッスンの間には、会話練習やリーディングのコツ、文法のまとめなどのコーナーもある。
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):
レッスン内の1つのセクションを3時間分の授業で終わらせるペースで進めていく。1週間の英語の授業は3コマ。英語が得意ではないクラスなので、1年間で1冊終えることを目指すのではなく、じっくり時間をかけて授業を進めることを意識している。
各セクションの1回目の授業では、まず教員が英文を読んで生徒に聞かせている。3~4回スピードを変えながら読む間に、生徒には自分で音読できるようにカタカナやひらがなで英文に読み仮名を振らせている。
生徒が自分で英文を読めるようになったら、1人1文ずつ全生徒に音読させていく。音読を重視しているため、毎回授業の冒頭に5分ほど音読の時間を割いている。
文法について教える際は、英文の内容を理解できるようにあらかじめ単語の意味を書いたプリントを作って生徒に渡している。
各ページの学習が最後まで終わったら、教科書に準拠したワークブックの演習や、教科書の英文から抜粋した単語のテストなどをして授業のまとめを行う。
定期テストの2週間前には、教科書のテスト範囲から抜き出した英文の和訳や単語問題などの小テストを作り、定期テストの簡易版として解かせている。
指導する上での工夫:
英語があまり好きではないクラスなので、まず授業に興味を持たせることが重要だと考えている。
そのため新しいレッスンに進んだときは、1時間分の授業を使ってまずそのレッスンで扱うテーマの概要を説明し、生徒が授業に興味を持つように促している。
Q. 使ってみた結果
英語が苦手で、教科書が難しいと感じている生徒がいる一方で、中学校ではあまり英語の成績が良くなかったが、このテキストを使って勉強したことによってテストで80~90点とれるようになった生徒もいる。
そのような生徒は、自分自身でも英語の理解力が上がったと実感できて、英語学習に対するやる気も上がったようだ。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
英語が苦手な生徒や受験を重視していないクラスに向いていると思う。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
一般的な大学受験を目指すクラスや生徒には物足りないだろう。
- 学校法人市川学院 市川高等学校 英語科 F先生
- 学校法人市川学院 市川高等学校
プロフィール
外国語大学卒業後、書道関係の専門誌を発行している企業に就職して編集業務を担当していた。その後塾講師として3年間勤務。塾講師をしながら教員免許を取得し、本校の英語教師となる。教員歴は16年。書道部顧問も務めている。