NEO現代を読む [Standard]
最終更新日:2022年2月23日
- おすすめしたプロフェッショナル
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池邉泉 / 大分高等学校
NEO現代を読む [Standard] /NEO現代を探る [Advanced]
いいずな書店
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
受験対策や記述式の模試の対策のための英語教材ではあるが、題材が幅広く、生徒が興味を持って能動的に取り組める。
たとえば、「昆虫食の必要性」、「セラピー犬の利用効果」、「動物の個体数の減少が観光産業に与える影響」といった理系・文系にとらわれない幅広い題材を扱っている。英語が得意でない生徒でも、題材に興味を引かれ、読んでみたいと思わされる。また、使用されている単語や構文が、英作文でアウトプットするときによく使える、実際的なものが多い。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
2020年度に高校3年の特進科を対象に導入した。特進科は習熟度別に4クラスに分けており、上から2つ目のレベル(偏差値55~60くらい)で利用している。
それまではすべてのレベルでSKYWARDシリーズ(桐原書店)を使っていた。SKYWARDには、単語や文法ポイントなどがまとめられたサブノートが付いていて、とても手厚い教材である。しかし上のレベルのクラスに対しては手厚さよりも、話題の豊富さや、大学入試問題によく使われる単語の比率が高いという点を重視して、本教材に変更した。
また本書は、英文を読む上で核となるキーワードを拾えるように、その部分が設問になっているので、要点をつかみやすい。後で本文を要約させる際に必要なポイントをしっかり押さえられる。
そして、本文の内容がとても興味深い。話題が身近で切り口がおもしろいので、英語が得意ではない生徒でも読みたい意欲を起こさせられる。たとえば食料問題についての題材の中で、昆虫食の必要性を考える話題がある。生物系の進路に進みたい生徒などは、非常に興味を引かれる。
Q.実際の使い方
高校3年生のコミュニケーション英語の授業(週4回)の中で利用している。
本書には、History、Culture、Society、Science、4つの分野でそれぞれ5つずつ、合計20のテキスト(各400~450字前後)がある。
テキストの構成は、1ユニット見開き2ぺージで、左側に本文、右側に設問がある。
授業で扱う前に、まず家で予習として、下記の流れで3回は音読と設問への回答にチャレンジしてくるように指導。
1回目:分からない単語は線を引きながらとにかく最後まで読み進める。右ページの問いの答えを埋められるところは埋める。
2回目:1回目に分からなかった単語で、2回目に読んで意味がクリアになるものがあればクリアにする。右側の問いでさらに埋められる問題があれば埋める。
3回目:どうしても分からない単語があれば、辞書で調べる。右側の問いは自分なりにすべて答えを記入する。
授業では、英文の段落ごとに5~6問ずつ、内容を問うプリントを自作して用いる。まず最初に本文をCDで流して聞かせ、プリントの質問に対する答えを見つけて書かせる。
全員で答え合わせをした後、段落ごとに生徒を指名して音読させる。重要なポイントは説明を加えながら、必要に応じて生徒に質問して答えてもらう。本テキストの質問、および、プリントの質問の答えがつかめれば本文の要約ができるようになる、ということを意図している。最終的には、英文を日本語100字程度で要約させる。
習熟度別に1クラス14人~25人と少人数制のため、授業内で手厚いフォローができるので、少し英語が苦手な生徒でも問題なく付いてこれる。
Q.使ってみた結果
本校の生徒は、3年生に上がってくる頃には、7割程度の生徒が英検2級を取得しており、準1級を目指しているレベル。本教材により、英文の「読み方」が身につき、高度な長文でも問題なく読めるようになってきている。ユニットを進めるごとに確実に力が付いてきている実感がある。
Q.利用が向いているクラスや生徒
受験目的での利用が向いている。加えて、自分の中にない新たな知識を、英文を読んで伸ばしていくことができる教材である。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
偏差値55より下のレベルには少し難易度が高いと思う。
- 池邉泉
- 大分高等学校