総合英語 FACTBOOK これからの英文法
最終更新日:2022年2月24日
- おすすめしたプロフェッショナル
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牧野佳太 / 岩田中学校・高等学校
総合英語 FACTBOOK これからの英文法
桐原書店
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
本教材は写真や図が多いため、日本語訳だけでは理解しにくい英文法の意味を想像しながら理解でき、英語全体をイメージでつかむことができる。その結果、長文をしっかり読めるようになったり、英作文の表現の幅が広がったり、という成果が出ている。大学入試が共通テストに代わって、長文問題の量が増えた。文法そのものを問われるよりは、いかに長文を早く正確に読み取れるか、という点が勝負になる。その対策としても、本教材は役立つと思う。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
きっかけは、某有名進学校の英語の先生の授業を見学した際に、その先生が本教材を使用していて、気になり自分も手に取ったこと。2020年度からAPU・立命館コースの高校1年生を対象に導入。本校の立命館アジア太平洋大学(APU)とコラボレーションした本コースでは、3年間で2回にわたる海外への修学旅行の実施を含め、次代を担う「グローバルに活躍できるリーダー」の育成を目指している。
本教材は写真や図が多く、イメージで英語全体をつかむことができる。受験英語に特化したものではなく、生きた英語を身に付け、実際に海外で使える表現を学べるため、本コースの意図に即した良い教材だと思った。
Q.実際の使い方
本教材は、教科書と併用しており、参考書という位置づけ。各学年1クラス35名が一緒に授業を受けているが、本教材は、習熟度に関わらず全員で使用している。週に4時間の英語の授業のうち、3時間は教科書を学習、1時間は本教材のみを用いて文法を集中的に学ぶ時間を取っている。教科書を用いて行う授業の中でも、分からない点があればこの教材を用いて補足する。
本教材は文法用法ごとに章が組まれていて、各章十数ページにわたる。まず最初に基礎の解説があり、その後、応用的な用法の解説に進んでいく構成。1つの章の進度は文法の難しさにより異なるが、基本的には1章あたり1時間~2時間の授業数を使う。授業の進め方は、基本的にはまず最初に本書を読み、重要なポイントに線を引き、大事なところは補足説明を加える。その後、別冊のワークブックを用いて問題を解かせる。解説は、生徒の理解度を見て行う。ワークブックの授業内で終わらなかった部分は、宿題として出す。
Q.使ってみた結果
APU立命館コースでは、模試を受けないため、数値的な結果は出ていない。生徒の声としては「文法をイメージできるようになった」「イメージで英語をつかめるようになってきた」という声が上がっている。これまで文法を決まった形で覚えていたものが、イメージとして捉えることにより、英語の表現の仕方が増えてきた。実用的な使い方ができるようになり、英作文の幅が広がった。
APUコースでは立命館での授業を見据えてTOEFLを受ける機会が多いが、TOEFLの長文問題を良く読めるようになっている。
Q.利用が向いているクラスや生徒
幅広く使えると思うが、特に受験英語よりも実用的な英語能力を身に付けたいクラスや生徒に向いている。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
英語を概念で捉える考え方を学ぶため、英語の基礎が全くない初心者には向かない。
- 牧野佳太
- 岩田中学校・高等学校