Next Stage 英文法・語法問題 4th Edition
最終更新日:2022年2月24日
- おすすめしたプロフェッショナル
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倉本隆司 / 如水館中学高等学校
Next Stage 英文法・語法問題 4th Edition
桐原書店
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
演習目的の教材は、ある程度の問題数が必要になってくるが、本教材は問題数が多いので、数をこなせる。また、問題が「基本→標準→発展」とレベル分けされていて、幅広い学習レベルに対応できる。
Q.困ったところや改善してほしいところ
解説の表現が固く、説明の文量も多くはない。ある程度基礎知識のある生徒にとっては良いが、基礎知識がない生徒にとっては、自学だけで理解するにはちょっと難しい。必要に応じて個別指導で対応している。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
高校1年~3年の「難関特進S類」(各学年1クラス)と「特進A類」(各学年2クラス)を対象に、正確な時期は覚えていないが、少なくとも10年以上前に導入した。それまでは「英語頻出ポイントの完全制覇」という問題集を使っていたが、本教材は、掲載されている問題数がより多く、文法・語法はもちろん、会話表現や単語・発音まで幅広くカバーしている。また、難関国公立や難関私大を含め、幅広い大学レベルに対応している。本校のS類には、東京大・京都大・大阪大・広島大などの難関大学を目指す生徒もいるので、本教材は、演習目的にかなう良い教材だと思い、採用した。
Q.実際の使い方
●本教材の構成
PART 1 文法(第1章~第16章)
PART 2 語法(第17章~第19章)
PART 3 イディオム(第20章~第24章)
PART 4 会話表現(第25章)
PART 5 単語・語い(第26章~第28章)
PART 6 アクセント・発音(第29章~第30章)
文法・語法問題は、各章ごとに左ページに問題(10~15問)、右ページに解説がある。
●使い方
高校1年生の2学期から使い始める。基本的には授業の中で扱うのではなく、各自自学に用いている。
夏休みや冬休みなどの長期休暇明けに、本教材から確認テストを出題する。テスト範囲は、年度の初めに1年分を発表して、範囲に合わせて各自で学習を進める。難易度の高い教材なので、自学だけでは理解が難しい生徒には、他の参考書を併用して学習するようアドバイスしている。さらに分からない点があれば、昼休みや放課後の時間を用いて個別指導を行っている。
長期休暇が明けたら、範囲に基づいてテストを実施する。指定範囲が広いので、2回に分けて実施している。パート1とパート2の「文法・語法」を中心に、記述式や穴埋め問題などを出題する。出題数はその時により異なるが、30分から40分で解ける程度のボリューム感。
自学の学習状況を確認するために課題提出などは特に行っておらず、テスト結果で判断している。
くり返し学習することで定着度が高まるので、ひととおり終わったら最初に戻って、3年間で2周以上できるように扱う。
Q.使ってみた結果
長文読解をするにも、リスニング問題を解くにも、文法の知識は必要になってくる。文法学習はその他の技能の土台づくりになる。その点で、本教材は問題数が多いので、難関大を目指す生徒にとっては、演習を数多くこなすことができ、英語力に直結していると感じる。入試や模試では、上位層の生徒については長文読解の偏差値が伸びている。また英作文力も付いている。
ただ、英語力の二極化が進んでおり、文法学習に真剣に取り組まない生徒は、ある程度まで伸びてもそれ以上は伸びない。英語の苦手意識が強い生徒にとっては、本教材は難しいと思う。そういう生徒は、他の教材を参考にしながら自学を進めていく必要がある。別冊の「Next Stageワークブック」には、対応する章でも本教材とは異なるタイプの問題が載せられているのでそれを参考にしたり、授業で用いている「Crown総合英語」や、文法用のオリジナル教材(100ページほどの自作の参考書)などを活用させている。
Q.利用が向いているクラスや生徒
難関大受験を目指す生徒。東大・京大・早慶を目指すくらいのレベルにはお勧め。
最低でも偏差値50以上の生徒で、英文法の基礎知識を理解している生徒。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
英文法の基礎知識が身についていない生徒には、別の問題集を1冊はさんで基礎知識を理解させてから、本教材を扱った方が良い。
- 倉本隆司
- 如水館中学高等学校