Power On English CommunicationⅠ
最終更新日:2022年2月24日
- おすすめしたプロフェッショナル
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匿名先生
Power On English CommunicationⅠ
東京書籍
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
教科書以外の付属のコンテンツが充実している。指導書の中に、電子黒板向けのデジタル教材としてパワーポイントやPDFファイル、レベル分けされた定期考査のサンプル問題などが付いている。現状、本校は電子黒板ではないので、ポータブルのプロジェクターを教室に持って行って使っている。本文を映し出して読んでいる場所を目で追えるようにしたり、リテリング用のパワーポイント教材を使って内容理解を助けたり、要所要所に合わせて補助教材として用いている。
Q.困ったところや改善してほしいところ
本文の内容が薄いと感じる部分がある。とりあえずキャッチ―で読み物としては良いが、深く考えなくても分かるような単純な論理性でしか描かれていない。2次試験では、マルチアングルで考える必要がある問題も多いので、「こういう考え方もあるんだ」と新しい発見ができるような内容の文章があると良い。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
本校の進学コースは、難関大学・医歯学系を目指す「文理科文理コース」、国公立大を目指す「文理科英数コース」、国公立・私大を目指す「普通科選抜コース」の3クラス。10年ほど前までは、それぞれのコースで異なる教科書を使っていた。しかし、6~7名の教員で3つのコースを掛け持ちで教えていたため、教科書が異なると指導する側の負担が大きかった。そこで、3つのコースで共通して使える教科書に変更しようということになり、3クラスの平均的なレベルに合っているこの教科書を選んだ。
Q.実際の使い方
文理コース、英数コース、選抜コースのコミュニケーション英語の授業で使っている。
各単元は3~4つのパートに分かれ、各パートごとに100字程度の本文と、カギとなる文法項目が載せられている。本文、新出単語、文法をすべてのパートで扱った後、「Summary」セクションを使って単元全体のまとめを行い、最後に全員でReading練習を行う。「Exercise」や「Challenge」セクションは、基本は自学させるが、必要に応じて授業内で扱う場合もある。
1年生はアクティビティを多く行わせる。例えば、単元ごとに教科書のテーマに沿ったお題を出し、英語で発表するためポスターを作らせる。このアクティビティでは、まず単元が始まる前に各自お題について調べておく。(例:インスタントラーメンについての単元では、カップラーメンの歴史について、当時放送されていた朝ドラから調べてきた生徒もいた。)
そして、単元が終わったら、学習したことを踏まえてポスターを作製。4~5人ずつのグループに分けて、まずはグループ内で、1人1分以上3分以内を目安に発表を行う。自己評価、そしてグループ内で評価を行い、各グループで一番良かった生徒を選んで、クラス全体の前で発表を行わせる。(その際、できれば生徒相互に質問してもらいたいが、うまく質問が出てこないことも多い。)この流れで、1単元を6~7回の授業で扱う。
なお、2、3年生になると、受験に向けた実践的な問題を解かせたりする時間を増やすため、アクティビティの時間は減る。
Q.使ってみた結果
数値的なものは出しておらず、特にこの教科書だけで伸びた技能があるとは言えない。ただ、文理コース・英数コースの生徒たちにとっては、以前の教科書より難易度は下がったので、定期考査の点数は取りやすくなった。また、教科書をスピーディーに終わらせることができるので、模試対策のために時間を当てられるようになった。
Q.利用が向いているクラスや生徒
普通科で進学を考えているクラス。英語レベルの中間層にはぴったり合う。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
工業系のコースなど、就職を目指すクラスには少し難しい。
- 匿名先生