エイゴラボ
最終更新日:2022年3月25日
- おすすめしたプロフェッショナル
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小畠功行 / 北海道内公立中学校
エイゴラボ
正進社
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
ワークでの演習は英語が苦手な生徒にとって苦痛な作業のひとつだが、楽しく学習を進めることができると生徒から評判である。主な要因として、英作文の文章が堅苦しくなく、中学生の心をつかむラフな例文が採用されていることが挙げられると思う。
例)
・テストのない生活を送りたいよ。―それっていつ?
(I want to live a life free from tests. – When will it be?)
・代わりに勉強してくれるロボットがほしい!
(I want a robot that studies for me!)
・僕は地震を「見た」ことがあるんだ。―どういう意味?
(I’ve “seen” an earthquake. - What do you mean?)
・「女の子らしく行動しなさい」って言わないで。
(Please don’t say, “Act like a girl.”)
・きみのいれてくれたコーヒーはおいしいね。
(The coffee you make is delicious.)
また、挿絵のひとつひとつがその文の文脈を想起させるものになっている。例えば、3学年の英作文で「箱に何が入ってたのか知らないもん。」という文があり、その挿絵には、男の子が箱を開けて「なくなってるんだけど」と怒っている横で、女の子が慌てている様子が描かれている。ワークでありがちな箱とクエスチョンマークの挿絵に「私はその箱に何が入っていたのか知りません。」のような文だと場面が想像しにくいが、文章が親しみやすく、絵もシーンを想像しやすいため、実生活で思い出して使うことができるような配慮が嬉しい。
文章と絵の両方が生徒にとって興味関心を持ちやすいものとなっている。そのため、勉強や英語が苦手な生徒でも英語(のワーク)に興味を持ってくれやすく、英語のワークを開くきっかけになったり、「今日あんなおもしろい文を練習したな」と、少しでも復習・振り返りのきっかけになっているのが良いと思っている。
また、年度の初めに「この1年で、このワークにある英文や絵のようなシチュエーションで使える英語を勉強するよ!たとえばこの文とか…。こんなブッ飛んだことも言えるようになるよ!この絵のシチュエーションなんて、最高に“あるある”だよね!」といったように、ワークの特性を生かして紹介をしたことも、英語が苦手な生徒でも関心を持ってくれるようなフックになったのではないかと思う。
また、別冊で「ミニラボ」という解答書がついている。ミニラボはワークをそのままB5判に縮小したもので、解答は朱書きになっている。ワークを解き終わってもミニラボと赤シートを使って何度も問題演習に取り組むことができ、テスト前にミニラボを開いて学習している生徒も多くおり、生徒にとって「テスト前に頼れる1冊」になっている。
Q.困ったところや改善してほしいところ
問題の日本語文が口語に近くなっているため、日本語特有の主語が省かれていたり、語等が完全体でない文章もある。
例)
「箱の中に何が入っていたのか知らないもん。」
_______________________________.
私は/<ふだん~しない>/知っている/何が/あった/箱の中に
英文を書く空欄の下に英語の順番にのっとった語順で薄く日本語が書かれているのでこれを見れば問題はないが、学力低位の生徒にとっては英訳する際に混乱を招く場合もある。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
私が着任する以前からエイゴラボが使われていたので、継続して導入。(担当は中学1年生)前任校では他のワークを使っていたが、エイゴラボの良い評判を聞いていたため、使ってみたいワークだった。
Q.実際の使い方
新しい単元に入った時、文法導入⇒Activity⇒問題演習⇒教科書⇒まとめ という流れで授業を行い、問題演習の場面でワークとしてエイゴラボを使っている。おおよそ一文法(教科書見開き1ページ)あたり2時間かけており、1時間目はエイゴラボを使っての演習まで、2時間目に教科書での学習を中心に行う。授業の最後にワークを扱うことが多く、早く終わった生徒は教科書の読解に移ったり、授業で扱わなかったページを解かせたりしている。わからなところがあるときは生徒たち同士で助け合うように促している。
解説は難しい問題があれば行うが、演習時に必ず1人に1回は声かけをするようにしているので、基本的なミスや質問があった場合にはその場で指摘ができるし、ミニラボを生徒に渡してあるので答え合わせ・間違えた箇所のヒントを読んで理解するところまでを自分でするように指導している。授業内で答え合わせや解説をしない分、その時間をアクティビティーにあてている。
Q.使ってみた結果
内容のキャッチーさなどから、英語が苦手な生徒や勉強をする習慣が身についていない生徒にも関心を持ってもらいやすい。
Q.利用が向いているクラスや生徒
個々の学力差が大きい公立学校で利用しているが困ることはあまりないので、どのような生徒でも利用できると思う。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
難関高等学校受験に十分対応できるかはわからない。
- 小畠功行
- 北海道内公立中学校