Field Report

2022年受験用 大学入学共通テスト 英語

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この実践レポートを書いた先生

東北地区 私立女子高校 S先生

教材:2022年受験用 大学入学共通テスト 英語[リスニング] 傾向と対策 Trial 30 について

Q. 良かったところ

・QRコードから聞ける音声が問題別に分かれているので、テスト本番と同様に通しで聞くだけでなく、頭出しもすぐできる点が便利。教員が「この問題を聞かせたい」というとき、生徒が「ここが聞き取りづらかった」というときに、ダイレクトにアクセスできる。CDにまとめられた音声よりも使い勝手が良く、スピーディーに進められる。

・イギリス英語も含んだ内容になっている点も良い。生徒が今まで授業や英検などで聞いてきた英語は、ほとんどがアメリカ英語。イギリス英語は聞き慣れておらず違いも知らないため、canやdoorのような簡単な単語でも聞き取れず意味が分からないことがあった。共通テストではイギリス英語も出され、センター試験時代よりリスニングの配点比率も増えて対策が必要なため、必須要件だった。

・音声を、各自のスマートフォンからイヤホンで聞ける。共通テストでも、合図の後スタートボタンを押してイヤホンで聞いて受験する点は同じため、疑似体験にもなった。

・アプリをインストールしなくてもアクセスするだけで聞ける点も良かった。個人のスマートフォンを使用しているため、余計なアプリを入れると重くなるから嫌という意見が多い(最近はアプリも充実し、本来はアプリを入れた方がダイレクトアクセスできて良いのだろうが)。

・もともとは姉妹教材のリーディング「Trial40」が良くてセットで採用した。合わせて購入しても2千円弱と安くすみ、価格も問題のレベルも手ごろだった(CEFRのA2~B1レベルの高3生にとって)。

・別冊「傾向と対策ファイル」があることで、生徒が自分でリスニング問題への取り組み方を学べる点も良かった。先に問題に目を通したうえで、予想される質問、どのような着眼点で聞かなければいけないかといったことが書かれている。

Q. 困ったところや改善してほしいところ(もしあれば)

センター試験用から共通テスト用に作り変えられて間もないだろうから、今後さらにブラッシュアップされた問題が出てくるのかなと期待している。例えば、写真を見て答える問題があるが、音声だけ聞くと抽象的。想像力を働かせて答えを推測するような問題も今後、増えていくんじゃないかと思っている。共通テストの傾向変化も敏感に感知して反映していってもらいたい。

Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い

問題/課題:
・高2の終盤から、「リスニング問題はこんな風に解いていく」と話してはいたが、生徒は分かっていなかった様子。音声と単語が結びついておらず、読めば理解できても、リスニングになると聞き取れないケースも多かった
・英語のヒアリングに耐性がなく、音声が長いと途中でお手上げになってしまう生徒もいた
・生徒がイギリス英語を聞き慣れておらず、簡単な単語でも分からないことがあった
・カタカナ語になっているものに、英語で発音されると分からないものも結構あった。例えば"Local rules"を「六甲おろし」、"Culture"を「校長」のように、自分の知っている言葉に置き換えてしまう(英語の発音と似た音の日本語で理解してしまう)
・”But I”が「バットアイ」でなく「バライ」になるような、音がつながって変化するところを聞き取れない生徒もいた
・問題集を与えさえすれば各自自分で解いて納得できるような、自走できる生徒が少なかった
・生徒個人のスマートフォンを利用するため、アプリのインストールは嫌がる生徒が多い

状況(クラスの人数やレベル):
2021年度から新たに導入し、「特進クラス」でのみ、高校3年生の夏終盤から使用した。人数は1クラス14名で、レベルはCEFRのA2~B1(英検準2級~準1級未満)。
※普通科は、最大33名でCEFRはプレA1~A2のレベル(英検4級~準2級)

他の類似教材ではなくなぜこれか:
さまざまな共通テスト対策教材を検討したなかでまず、リーディング対策として姉妹教材の「Trail40」を採用した。リスニング対策を本書にしたのは、シリーズでそろえたかったことと、「音声がバラ」「イギリス英語を含んだ内容」という要件を満たしていたため。正直、他教材との比較検討は今回はあまりしていない。

Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースでなど)

【本書の構成】
本冊「問題編」(90ページ)、別冊「解答・解説編」(80ページ)、「傾向と対策ファイル」(64ページ)の3冊セット。

「問題編」1冊に30分×5回分のテストが掲載されている。大問番号や各問の配点は、共通テストに準拠(テスト1回分は16ページにまとまっていて、大問が6つ、音声が2回または1回流れる)。
「傾向と対策ファイル」は、実戦的な問題対策とリスニングスキルの習得・向上が1冊でできる構成。

【授業での活用方法】
担当している高3の特進クラスにて、週2コマの補習授業(水曜と土曜の各50分)で、姉妹教材「Trial40」と合わせて夏終盤から使用している。セットの3冊全てを使い、以下の手順で授業を組み立てた。

① 「傾向と対策ファイル」を、まず一度生徒にあらかじめ読んできてもらう
② 次の授業時間1コマ全てを使って、その内容(問題の考え方)の理解度を確認しながら解説

③ 1コマの授業のなかで生徒は、30分で共通テスト1回分の問題を解く。残りの20分で各自「解答・解説編」を読んで自己採点し、音読もする。
※解いていて、どういう風に解けば良いのか分からない、どこを聞かれているのか分からないということが出てくる。その時には「傾向と対策ファイル」を見るように指示していた。

④ 解いた次の授業1コマで、前回の復習をする。音読がメイン。
※テスト(③)→復習(④)で、2コマ(1週間)使って、共通テスト(リスニング)の1回分をこなしている。その前に、リーディング「Trial40」についても同様に、テストと復習をする(1回分がテストABの2つに分割されているので計4コマ)。リーディングとリスニングを合わせて共通テスト1回分をこなすのに、6コマ(3週間)使っている。

指導するうえでの工夫:
話せない言葉は聞きとれないので、自分で音声を出すことに慣れさせることをメインに考えていた。そのためシャドーイングやオーバーラッピングの時間を多くとった。同じ音声を何度も流して全文を書き起こすディクテーションをやることもあった。

音声として聞く英語は、英単語とリンクしないと結局聞き取れない。文章のなかで単語がつながって話されると音声変化というものも出てくる。内容の意味は大前提としておさえたうえで、音声でどう変化するのか、文字で確認しながら話してみることが大切。

そのため授業でも家で復習するときにも、音声を聞くだけでなく音読もするように指導していた。復習の授業では、音声を聞いて音読練習もやっている前提で、実際にシャドーイングをさせてみることで確認。

カラオケをイメージし、英語の音を完全に真似て、同じような音で取り込めるようにしようと指導した。意味が分からない状態で読むことは避けたかったので、イギリス英語のような気になる発音や文法的なことなど「聞くべきポイント」を、音読前に解説。文字にしたら分かるかを確認したうえで、自分が言っている内容を意識しながら音読するように、と話した。文字から音声にしたときに若干発音が変わるところが聞き取れていたかどうか、それの確認も必ずさせていた。

普通に音読するのと、意味を意識したうえで読ませるというのはやはり違う。私たちが日本語を話すときも意味を考えながら自然と日本語になって出てくるが、英語は日常生活で使っていないので意識して練習した。

シャドーイングができているかをペアで確認させたこともあった。仲の良いクラスだったので、厳しさは自分のためにも相手のためにもなるから、とシビアに採点するようにした。最終目標は30分以内で共通テストで良い点数を取ること、それが将来の英語の力につながるから音声をしっかりやろう、と生徒たちに話していた。

Q. 使ってみた結果

本書に取り組むことで、聞き取る能力を鍛え、弱点を克服するための時間がとれた。普段英語に慣れ親しんでいるような生活ではないので、生徒に、意識的に聴く姿勢を養わせてあげたいと思っており、本書でそれがやりやすかった。本番と同等内容のテストを何度も疑似体験して、授業内で出ていた点数とほぼ同等な点数が、共通テスト本番でとれていた。

オーバーラッピングやシャドーイングをすることで蓄えられてくる英語のストックも増加。最終的に英語に対するレスポンスもだいぶ違ってきた。言われた音声に対してすぐに反応が返ってくるようになってきた。卒業式では「おかげでリスニング力がつきました」「英語を楽しくできました」など生徒からたくさん感想をもらった。

欲を言えばスピーキングをもう1回くらいチェックしてみたかったが時間がなかった。手ごたえと同時にリスニング力向上の難しさも感じたため、もう少し早くから使用開始することを2022年度は検討している。2021年度の導入は「Trial40」(リーディング)と合わせて高3の夏終盤からだった。リーディングは事前に文法定着をさせたくてこの時期に遅らせたが、リスニングはリーディングよりは簡単な文章から始まるので取り掛かりやすく、音声の聞き取りは慣れさせるのが重要だからだ。今まで聞いてこなかったイギリス英語はなおさら、身につける難しさを感じた。

音声はそう簡単に身につくものではない。文字では分かるが音声になったら全然分からないということもある。一度に聞く量が多いと、頭に情報を残すのは日本語でも難しいのに、共通テストでは一発で聞き取らないとならない。慣れて耐性を作るために、英語のリスニングは、早い時期から毎日でも取り組ませてあげたいと感じた。

Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒

共通テストを利用して、大学に進学をしたい生徒にはレベルがちょうど良い。

Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒

推薦試験を利用して受験する生徒は、こちらではなくそれぞれの個別の問題を解いた方が断然効率的。難関大を目指す生徒には、本書は確認のレベルかもしれない。

教材:大学入学共通テスト 英語[リーディング] 傾向と対策 Trial 40 について

Q. 良かったところ

本書は、問題編自体も良いが、別冊付録「傾向と対策ファイル」が秀逸。問題を解く前にこの「傾向と対策ファイル」を読み、それを使って生徒が自分で考え方や求められていることを把握できる点にひかれた。

また、80分の共通テスト予想問題を、授業時間内に取り組めるように、テストA・テストB(各40分)の2つにバランスよく分けて作られているため、普通の50分の授業のなかでも自己採点までしっかりできる。そして、家に帰ってから授業で扱った問題をしっかりと復習する、というサイクルが作りやすい点も良かった。

残念なことに音声は付いていないが、他の共通テスト用教材にも音声付きの物は見当たらず、仮に付いていたとしても価格が高い。本書は別冊付録付きで990円(税込)と、とてもお手頃価格という点はむしろメリットの1つ。同シリーズのリスニング「Trial30」も同価格で、セット購入しても2千円弱と安くすみ、価格も問題のレベルも手ごろだった(CEFRのA2~B1レベルの高3生にとって)。

Q. 困ったところや改善してほしいところ(もしあれば)

「Trial40」に音声があればパーフェクト。1300円くらいまでなら購入したい。
センター試験用から共通テスト用に作り変えられて間もないだろうから、今後さらにブラッシュアップされた問題が出てくるのかなと期待している。

Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い

問題/課題:
・問題集を与えさえすれば各自自分で解いて納得できるような、自走できる生徒が少なかった。
・共通テスト対策授業を、2時間の通し授業にしてテストと同じ80分をまとめて実施したかったが難しく、通常枠の50分の授業のなかで使いやすい教材が望ましかった。

状況(クラスの人数やレベル):
2021年度から新たに導入し、「特進クラス」でのみ、高校3年生の夏終盤から使用している。人数は1クラス14名で、レベルはCEFRのA2~B1(英検準2級~準1級未満)。
※普通科は、最大33名でCEFRはプレA1~A2のレベル(英検4級~準2級)

本来なら高3の初めから使いたかったが、まだ早いと感じて導入時期を調整した。
その時点では英検2級の合格レベルに満たない生徒が大多数だったため、もう少し文法を定着させてから長文に取り組む方が良いと思ったからだ。

そこでまずは、同じ旺文社の「スクランブル」のような、1文で1文法対応の文法問題集を宿題として学習した。ある程度力が付いてきて、長文も読ませたいとなった夏終盤から、本書を使用開始した。

他の類似教材ではなくなぜこれか:
3年前に新設した特進クラスで初めての受験を迎え、センター試験から共通テストへの変更もあり、さまざまな共通テスト対策教材を検討した。そのなかで本書を選択した理由は以下の3点。
・問題の考え方を説明する別冊付録があることで、生徒が自力で問題を解きやすい
・40分ずつで構成されており、通常の50分の授業内で完結できる
・価格や問題のレベルが手頃

Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースでなど)

【本書の構成】
本冊「問題編」(180ページ)、別冊「解答・解説編」(120ページ)、別冊付録「傾向と対策ファイル」(112ページ)の3冊セット。
「問題編」1冊に40分×10回(A・B各5回)分のテストが掲載されている。テスト1回分は13~15ページにまとまっていて、1回分のなかに長文が5個くらいあり、長文1問に対して2~5問の設問がある(共通テストの形式に準じている)。
「傾向と対策ファイル」では、2021年度本試験問題と過去2回の試行試験問題について、細かく解説されている。解き方・考え方や注意するポイントなど、授業で教員が解説するようなことが明文化されている。

【授業での活用方法】
担当している高3の特進クラスにて、週2コマの補習授業(水曜と土曜の各50分)で、姉妹教材「Trial30」と合わせて夏終盤から使用している。セットの3冊全てを使い、以下の手順で授業を組み立てた。

① 「傾向と対策ファイル」を、まず一度生徒にあらかじめ読んできてもらう
② 次の授業時間1コマ全てを使って、その内容(問題の考え方)の理解度を確認しながら解説

③ 1コマの授業のなかで生徒は、40分で問題を解き、残りの10分で各自「解答・解説編」を読み自己採点。
※解いていてどうしても分からないときには、生徒は自分で「傾向と対策ファイル」を見直して考え方を確認できるので、そのうえで問題に戻ると分かりやすい。

④ 解いた次の授業1コマで、前回の復習をする。実際に解いた問題のなかから抜粋して、押さえたいイディオムや問題に直結するような文章の内容やフレーズを復習したうえで、それぞれが再度、解き直している。

※単純に③を2回繰り返せば共通テスト1回分(80分)になるが、都度復習(④)するため、③(テストA)→④→③(テストB)→④という流れにしている。つまり共通テスト1回分を終わらせるのにトータルで授業4コマ分(2週間)使っている。

※その4コマ(リーディングテスト1回分)の後、姉妹教材のリスニング「Trial30」についても同様に、1コマで解き、次の1コマで復習する。リーディングとリスニング合わせて共通テスト1回分をこなすのに、6コマ(3週間)使っている。

指導するうえでの工夫:
初めの頃は特進クラスでも、復習や自分で勉強するという体質があまりなかった。そのため、授業のなかで復習の時間を取り、実際に解いた問題を使って勉強するにはどうすれば良いのか、分からないところがあったら分かるまで復習することを、具体的に教えるところから始めた。

大学の共通テスト対策に取り組ませるうえで、自分で勉強できる力を付けさせたかったからだ。なんとなく解説を読んで分かった気になっている生徒が多いが、そこで終わらず、分からないところがあったら自分で解読できるようになる、もしくは不明点を聞くようになる状態にしたかった。

しかし、質問をするのも目立って嫌だという生徒もいる。そのため、「分からなくて当然。分からないことは素直に分からないと聞けばいい。調べればいい」という雰囲気づくりに最初は苦労した。復習の時間内で、「何かしら1つは疑問点を質問する。なかったらなくても良いが、その場合はこちらから聞くから」と言い、生徒に「これを説明してみて」のような質問をしていったら、質問が出てくるようになった。

Q. 使ってみた結果

本書を使うことで、分からないところは別冊付録で復習しながら、授業内で解く→家で復習→次の授業でも復習、というサイクルが作れた。それを繰り返すことで、各自が復習や学習の仕方を体得していった。最後の方は、解いたらすぐに「解答・解説編」を読んで、そのうえで分かったこと・分からなかったことのメモを各自が取っていた。翌日になって、ここが分からなかったと聞きに来る生徒もいた。

文章に対してのアプローチの仕方も、導入前に比べて向上し、ある程度長い文章に対してもとっかかりを見つけようとする力が付いた。

また、出てきたイディオムや表現を、解いた次の復習の授業内で再度、問いかけるなど提示することで、知識の定着ができたと思っている。

Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒

共通テストを利用して、大学に進学をしたい生徒にはおすすめ。

Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒

そこまでではなく、推薦試験を利用して受験する生徒は、こちらではなくそれぞれの個別の問題を解いた方が断然効率的。

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教材レビュー 2022年受験用 大学入学共通テスト 英語[リスニング] 傾向と対策 Trial 30

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