苦手な生徒も楽しく取り組める!自分で英語を組み立てる力をつける教科書準拠のワークブック
最終更新日:2022年9月22日
- おすすめしたプロフェッショナル
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松蔭中学校・松蔭高等学校 B先生 / 松蔭中学校・松蔭高等学校
エイゴラボ
正進社
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
キャッチーでカラフルで、絵が多く使われていて、習得したい表現を使う状況がイメージしやすい。文法導入も丁寧に描かれている。
別冊「ミニラボ」もとても良い。右側にある例文の日本語訳が、口語表現を使っていてフランクで面白い。身近な会話のような例文が出ていることで、単語や熟語表現が実際にどんなふうに使われているかがより分かりやすい。まだ習っていない文法事項が出てくることもあるが、触れずに流している。
大きさが、B6の単行本サイズのためコンパクトで持ち運びしやすい点も良い。中学で単語帳を持たせるのは受験生ではない限り難しいが、コンパクトなので中1~2でも気軽に持ち運べて、電車やバスでもサッと出しやすい。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
しいて言うなら、採用校なら教材データにアクセスできるようになると非常にありがたい。本教材を元にして中間・期末テストを作っており、データがないので全部手打ちで作っている。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:
現高1が中1だった2019年度から使用しており、今年度も中1~3で使用中。それまでは長い間、教科書『NEW CROWN』と同じ三省堂の教科書準拠のワークブックを使用していたが、同じように教科書準拠の形が可能なので本教材に変えた。以前のワークブックは教科書に基づいて丁寧に作られている点が強みで、問題数もとても多かった。ただ悪く言えば、硬すぎてとっつきにくいところがあった。一方で本教材は、「良かったところ」に挙げたように、見た目や内容が興味を引きやすく、学ぶ表現を実際に使うシーンがイメージできて理解しやすい。本校には英語に苦手意識を持っている生徒もいるので、興味が持てて「英語は楽しい」という意識が芽生えることは大きなメリット。習熟度が幅広い本校の生徒に適している。
状況(クラスの人数やレベル):
中学のDS(Developmental Stream。ストリーム制のもう片方、Global Streamでは別教材を使用)の3学年で使用。レベルによるクラス分けをしておらず、1クラス30人くらい。そのなかに、発展レベルに達している生徒も、小6から習いだしてABCが分かりだした生徒もいるという現状。
他の類似教材ではなくなぜこれか:
楽しく学べる要素が多い斬新なワークブックでありながら、教科書『NEW CROWN』に準拠して作られている点が大きなポイント。準拠じゃないと、おそらく出てくる順番が若干違ったり単語が違ったりすると思うが、それがまったくない。準拠は、構成やLessonが同じで、単語や文法が全く同じ並びで出てくるので、とても教えやすく生徒も学びやすい。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
1冊の中にLesson(本教材ではPROGRAMと表記)が8つあり、1つのLessonの中にUNITがおおむね3つずつと3種類のまとめページがある。
1つのUNITは見開き2ページで、解説とSTEP1~STEP3、「教科書に出て来た単語・表現」で構成される。STEP1「イメージする」は、絵からイメージする穴埋め問題。STEP2「練習する」は、必要な語彙の確認から、それらを使って文章を組み立てる練習問題。STEP3「使ってみる」は日本語からの英作文問題。「教科書に出てきた単語・表現」は新出語句をチェックし、文に入れて使ってみる。
UNITが3つ終わると、Lesson単位のまとめページ。「基礎力を鍛えよう」「力だめしをしよう」「Speaking/Writing など」が、各見開き1ページずつある。
他に特設ページとして、初回学習時とは別のアングルでとらえ直すことによって英語の骨組み力を強くするという「Honegumi LAB」、各回ごとに焦点を絞って英語を読む「Focus Reading」、教科書の題材をさらに楽しむための「World Watch」も付いている。
Lesson1ーUnit1ー解説、STEP1~3、教科書に出てきた単語・表現
ーUnit2ー同上
ーUnit3ー同上
ー基礎力を鍛えよう
ー力だめしをしよう
ーSpeaking/Writing など
Lesson2~8ー同上の構成
間に、特設ページとしていくつか「Honegumi LAB」「Focus Reading」「World Watch」
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):
英語の授業は週に計7コマあり、ICT Englishが1コマ、ネイティブ英会話が2コマ。残りの4コマの授業で、教科書と併用して本教材をほぼ毎日使っている。1Lessonはおおむね授業2~3コマで終えていて、1冊(8Lesson)が1年で終わるペース。
毎時間授業の一番最初の約5分は、単語帳にもなる別冊「ミニラボ」を使って単語の発音練習や例文確認をする。その内容は1週間に1回、練習後に5分程追加して、見開き2ページ分(左単語、右例文。10-15問程)をテストしている。
単語の時間の後は、Lesson単位で本教材→教科書→本教材の順で教材を行き来して、Lessonを進める。まず、文法事項の導入のために本教材のUnit冒頭の文法解説を電子黒板に写し、大切なところはマーキングなどしながら説明する。次に本教材のSTEP1~2を使用して生徒各自で演習問題を行う。解答解説する際も、解答を電子黒板に映してその上に解答を書き、生徒が手元と電子黒板で確認できるようにしている(電子黒板との連携は授業支援アプリ「MetaMoji Classroom」を全教科で使用)。
1Lesson=Unit3つ分についてSTEP2まで終えたら教科書に戻り、音読や内容理解問題、文法事項などをペアやグループワークで練習する。その後そのLessonの文法事項が使われている読み物「READ」まで終わったら、本教材のUnit3つ分のSTEP3以下を一気に解いて、解答解説をしながら生徒と確認して、1Lessonを完結させる。
宿題は特に出していないが、次にやる内容や授業内でできないところは宿題にすることもある。音読活動は、当授業内でするのはコーラスリーディング。学んですぐの音読は生徒たちにとって難しいので、タブレットを使う授業に寄せて、別のICT Englishの授業内で、教科書の「READ」部分を音読して録音する時間をとっている。
指導する上での工夫:
「MetaMoji Classroom」を使用して、同じカラーで黒板に映せるので見やすい。生徒の手元と同じように、テキストにそのまま解答を書き込んだ状態を見せられるので、分かりやすいのではと思う。
Q. 使ってみた結果
カラフルでイラストが多いので、それについて生徒が話していたり、良い意味で面白おかしく取り組んでいると感じる。当教材に変える前は、生徒の反応は特に感じず、こなすものだと思って淡々とやっていたと思う。それだとついていけなかったり、そもそもテキストに興味を持てていない生徒がいたが、フォローはできていないことが反省点としてあった。本教材に変わったことで、そのフォローができ、英語を面白く思っていない生徒についてのアプローチができるようになった印象。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
英語の習熟度が標準レベルの生徒が多い学校には向いている。本教材の一番のメリットは、とっつきやすく、英語に対して楽しいかもと生徒に思ってもらえるところ。そのおかげで標準レベルの生徒にアプローチできて、標準→発展レベルにつなげたいという願望がかないやすい。また、基礎的レベルの生徒を標準レベルにつなげたいときにも向いていると思う。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
問題量は、ワークブックの構成と比較すると若干少な目。もっと応用問題を解いて数多くこなしたいという発展層の生徒が多い進学校には、物足りないかもしれない。
- 松蔭中学校・松蔭高等学校 B先生
- 松蔭中学校・松蔭高等学校
プロフィール
松蔭中学校・高等学校、英語科主任、2022年度は中学1年生のDevelopmental Streamを担当。校務分掌として宗教部、クラブ顧問としてはバスケットボール部も担当。また、国際交流の仕事にも携わり、短期留学の引率やお世話、様々な交流活動プログラムの生徒…