「英語って楽しい」と生徒に言わせた教科書。アウトプットをしやすくする工夫がたくさん!
最終更新日:2023年1月6日
- おすすめしたプロフェッショナル
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都内女子高 T先生 / 都内女子高
All Aboard English Communication I
東京書籍
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
その単元の内容に関連付いた背景資料(出版社提供)があるところ。
背景資料集は生徒向けと教員向けにあり、生徒向けは稀にコピーして配布することもある。
教員向けは、内容によって歴史的背景などが細かく書かれていることもあるので参考にすることもある。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
上記の背景資料はあくまで紙ベースの資料のため文字での情報が多い。ビジュアル素材(写真や動画など)がもう少しあると助かる。
現在は教員自身がYouTubeなどで動画を探してきたりと、授業準備に時間がかかる。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
この教科書は10数年以上前から継続して採用している。
大学・短大・専門学校・就職など、さまざまな進路に進む総合コースで利用している。1クラスは30名弱で構成されている。
英語が苦手な生徒が多い学校なので、内容を難しくするより、レベル感の抑えられているこちらを採用している。
単語も内容も簡単めだが、生徒に導入しやすく、理解した上でどうアウトプットするか、というところまで考えられるので、継続して利用している。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
コミュニケーション英語の授業で3年間にわたって利用している
(基本的には1年生がⅠ、2年生がⅡ、3年生がⅢだが、稀に年度を跨ぐこともある)。
一単元10ページ弱ほどで構成されている。
導入しやすいような画像と、3〜4ページほどの本文からスタートする。
次に内容理解のための設問が2ページある。本文の要約や重要表現の練習問題などを含む。クイズ形式のリスニングなども含まれている。
言語活動も2ページあり、全体をまとめたり、プレゼンテーションなどアウトプットをするなど、授業内容を発展させやすいアクティビティとなっている。
例) グレートバリアリーフを題材にした単元末には、「未来に残したい風景についてポスターを書いてみよう」というアクティビティがあった
最後に文法事項を解説・確認する内容が2ページある。
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
まず単元の初めに、全パートのリスニングを行い、その単元の内容に関連した写真・動画などを用いた内容の紹介、全文を読んでフレーズハントをしたりと、導入のアクティビティーに1コマ使う。
例) 「コッツウォルズ」を題材にした単元の時は、その近辺が「ハリーポッターシリーズ」の撮影地付近なので、内容紹介の際に「ハリーポッター」の映像を鑑賞するなどして、生徒のモチベーションを上げさせた
その後、各パートのリスニングと音読を行うのに1コマかける。
さらに、内容理解のための時間を経て、さらに内容を進めていく。この時間は主に本文に出てくる文法や指示語の解説など、内容を読み込んで理解するための「解説の時間」としている。文法の難易度が高い時など、別途1コマ設ける場合もある。
単元末に、その単元のターゲットとなる文法を使って会話してみよう、書いてみよう、プレゼンテーションをしてみよう、というアクティビティを行うこともある。
このような流れで、1コマ50分の授業×12コマほどで1単元を終わらせる。
指導する上での工夫:
とにかく楽しく!
英語に対して苦手意識のある生徒が多いので、とにかく楽しく、興味を持ってもらえるような授業を心がけている。
具体的には、リスニングで「聞いてみましょう」だけやってもつまらない。発音が似ていて、「日本語にするとこう聞こえる」といった、空耳だと間違えそうな単語を混ぜて、クイズ形式のリスニング問題を行うなどして、教室内の盛り上げを作ったりしている。そうすることで、リスニング面だけでなく、その単語や発音の違いを学ぶこともできる。
英語が苦手ながらも、できることがあるといいなと思いながら、授業を行なっている。
Q. 使ってみた結果
付属の中学校では少々難易度が高いとされているNew Crown(三省堂)を使っており、高校に上がると比較的易しめのAll Aboardに変わるので、多少難易度が下がる。そのため、中学では英語に対しての苦手意識が強かったが、高校に入って理解ができるようになって「英語がわかるようになった、好きになった」と言う生徒が増えるようになった。最終的に、高校に入って英語の理解が進んだことをきっかけに、英語関係の進路を目指すという生徒もいる。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
英語が苦手だったり、改めて基礎力をつけたいレベルの生徒向け。
他の教科書と比べると易しめのレベル。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
英語が得意な生徒、一般試験で難関私大などを目指す生徒には簡単すぎると思う。
- 都内女子高 T先生
- 都内女子高
プロフィール
塾や予備校で6年間英語講師をした後、文法などの机上での学びだけでなく、もっと実践的に活用できる英語を学校で教えたいという思いから、学校教員へ転向。 本校が教員になってから1校目の学校で、着任7年目。