「ジグソー法」による協同学習で生徒同士が教え合う!アクティビティ中心に展開する全員参加型の授業を実現
最終更新日:2023年5月15日
- おすすめしたプロフェッショナル
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都内私立S高等学校 O先生 / 英語科主任
CROWN English Communication Ⅰ New Edition
三省堂
- おすすめのポイント
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おすすめのポイント
グループワークなどのアクティビティを増やしたいと考えていた。教科書でペアワーク・グループワークを中心にしたジグソー法による授業を行うことで、生徒同士が教えあう授業を実現できた。
Q. 対象としたクラスの特徴(学年、人数、授業目標等)
国公立大学・難関私立大学入学を目指す「難関進学コース」と国内外の大学の多様な学部学科進学を目標とした「特別進学コース」の1年生の英語コミュニケーションの授業に導入。難関進学コースは1クラス(20名)、特別進学コースは2クラス(各37名)の合計3クラス。
入学時に英検3級を保有している生徒が6割程度で、1年の2学期の英検では55%程度が準2級に合格している。
本校ではアクティビティを増やすという方針がある。そのため、プロジェクタで教科書の内容を投影しながら、ペアワークやグループワークで、生徒たちが協同で学習する「ジグソー法」の授業を取り入れたアクティビティ中心の授業を展開し、全員が授業に参加することを目標とした。
Q. 課題意識、導入の経緯
昨年までは、啓林館のLANDMARKを使っていたが、難易度的に物足りなかった。もう少し教科書のレベルを上げたいということで今年度(2022年度)は三省堂のEnglish Communicationを導入することにした。
Q. 実際の使い方
英語の授業は週に3コマで各50分。
授業の最初の10分間では、ウォームアップとして、ペアワークで単語当てゲームのようなものを行った。生徒2人1組のペアになり、1人が単語について英語で説明し、もう1人がその単語を当てるという連想ゲームのようなもの。単語は、その日の授業範囲の中で重要な単語を教員が選んだものでクラス全員に共通。説明する側と答える側が交代しながら1単語ずつ当てさせていた。
本文の学習では、4人1組のグループに分かれ、ジグソー法で授業を進めていく。まず、1つのレッスンの本文パートが4つのセクションに分かれているので、各グループで1〜4のセクションを担当する生徒を1人ずつ決める。各セクションをそれぞれA3サイズ程度の用紙にコピーして教室の4隅に貼る。生徒は自分が担当するセクションのコピーが貼られたところに行き、5~6分かけて英文を読み、概要を把握する。
大まかな内容を把握できたらグループに戻り、各セクションの担当者が自分が担当しているセクションの概要を説明し、グループ全員で英文全体の内容を理解する。メモはとらず、頭で覚えて戻ってくるのが基本とするルールにしている。そのため、何度も英文を読み返しに戻ることもある。
その後、グループワークの結果をクラス全体にフィードバックする。例えば各グループのセクション1担当者が、それぞれ自分が理解した内容を発表し、内容の理解に間違いがないかをすり合わせていく。
その時点で、ポイントとなる文法事項があれば、文法について講義することもある。全てのセクションの内容理解やまとめ、英作文など、レッスン内のすべての課題を8コマの授業を使って終わらせるようなペースで進めた。
Q.工夫したポイント
授業内は英語のみ使用するというのが理想だが、そこまでできない生徒もいる。そこで、日本語を使ってもOKとし、全員が授業に参加することを意識した。
Q. 実施した結果
英語を読めない子が読める子に助けを求めるという光景がよくあった。
講義だけの授業では、ついてこられない生徒はそこでストップしてしまう。しかし、この方式だと生徒同士で教え合い、教えてもらった内容をグループ内の他のメンバーに説明するということになるので、学習の理解度が高まる結果になった。ジグソー法は、自分がやらなければグループ全体に迷惑がかかるため、積極的に授業に参加するようになる仕組みがよいと思う。最初は戸惑っている生徒もいたが、慣れてくると自分から積極的に動いて参加するようになった。
Q. 今後に向けて
英語の授業のコマ数が足りないということもあり、授業を進めるペースをつかめず、教科書全体を網羅できなかったところが反省点として残った。
本当はもう少し英語で情報のやり取りをする活動を入れたかった。今後は、例えば、単語を当てはめれば英語が苦手な生徒でも説明できるような、文章のフォーマットを整えてあげてもよいかもしれない。
- 都内私立S高等学校 O先生
- 英語科主任