チャンクで英単語
最終更新日:2022年2月22日
- おすすめしたプロフェッショナル
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村田 秀一 / 福山暁の星女子中学高等学校
チャンクで英単語 Basic
三省堂
- おすすめのポイント
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Q.良かったところ
覚えるのにちょうど良い長さ。単語一語だけでは実際の使い方が分かりにくく、逆に一文となると覚えるのが大変。チャンクだと、長すぎず短すぎず、ちょうど良い。塊で覚えた方がスピーキングやライティングにも役立ち、アウトプットの力も強化できる。また、音声データが日本語から英語の順番で収録されている。他の単語帳では、「英語→日本語」または「英単語→例文」というのは良くあるが、「日本語→英語」の順番だと、自分でも練習がしやすい。
Q.困ったところや改善してほしいところ
特になし。
Q.導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
中学2年と3年生を対象に、5~6年前(平成27年度頃)から導入した。本校の他の教員が「こんな単語帳があるよ」と紹介してくれたのがきっかけ。その当時使っていた教科書が三省堂の「New Crown」だったので、本教材に出てくる単語と教科書で学習する単語が重なるものが多く、リンクして教えやすいと思い、採用した。今年度(令和3年度)からの教科書改訂に伴い、教科書は他社のものに変更したが、「Q. 良かったところ」に記載のとおり、この単語帳は他にも使いやすい点があり、引き続き使用している。
Q.実際の使い方
●本書の構成
レベル0~2までの3部構成になっている。
レベル0 動詞・前置詞
レベル1 セクション1~12
レベル2 セクション13~19
各セクションには40語の単語が載せられている。そして、巻末にはイディオム・多義語が載せられている。
●使い方
中学2年~3年生を対象に、週に1回(今は毎週火曜日)本教材のセクション1~19を用いて、単語の小テストを行う。1回のテスト範囲は、1セクション分の40単語。(以前は1セクションに50単語あったので、その頃は50語ずつ行っていた。)英語の授業は習熟度別に3クラスに分かれているが、小テストについては、すべてのクラスで同じ範囲を同じ日程で行う。
小テストに向けて生徒が自宅学習する習慣を付けるため、家庭学習用のモデルとなるよう、授業の中で本書を用いた単語学習の時間を取っている。
週5回の授業で、毎回最後の5分を本教材の学習にあてている。40語を一日数語ずつに分けて行うより、一気に覚えて何度も繰り返す方が、記憶の定着度は高いと感じる。それで、次のテストで扱う40語すべての音声を毎回アプリで流して聞かせ、聞きながら同時に発音させる。アプリの音声は、まず日本語を言ってから、英語を言う順番。(例:「薬を飲む」→「take medicine」)最初は教材を見ながら発音するが、回を重ねるごとに見ないで言うようにしている。最終的に単語帳を閉じて、日本語を聞いたら英語の部分を空で言えるように指導している。
2年生の2学期末頃までに本教材をひととおり終えるので、そのまま続けて2周目に入り、3年生で2周目を終えるまで使用する。テストの内容は、1周目のときは単語だけを記述させ、2周目は少しレベルを上げて、チャンク(2語以上)で記述を行わせる。
Q.使ってみた結果
特にライティングの力が身についたと感じる。教科書のレッスンが1つ終わるごとに、レッスンの内容をベースにしたライティングの課題を出しているが、その中で、本書で学習したチャンクの表現を使えている生徒が多くいる。また、校外模試や検定試験でも成果を実感している。最近(2021年度9月)実施された学力推移調査では、ライティングの得点率が全国平均を15%ほど上回り、校内の強みであることが明らかになった。また、GTECの4技能のスコアは、本教材を使い始めて2年間で100スコアほど伸びた。さらに、英検を年に一度(冬に行われる第3回)は全員受験するが、その合格率も上がっている。本教材だけの成果ではないが、2017年度には、受験者に対する合格者の割合が高かった学校ということで、全国でトップ5校の中に選ばれた。中学3年生で1級に合格した生徒もいる。
Q.利用が向いているクラスや生徒
偏差値50くらいの中堅クラスの学校で、教科書に準拠した教材を好むクラス。
基礎をしっかり固めたいレベルにはお勧め。
Q.あまり合わないと思うクラスや生徒
難関大学を目指す超進学校には物足りないと思う。
- 村田 秀一
- 福山暁の星女子中学高等学校