音声変化を意識して、実用的なリスニングスキルを鍛える良質な教材
最終更新日:2022年11月2日
- おすすめしたプロフェッショナル
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静岡県内私立高校 M先生 / 静岡県内私立高校
Focus on Listening
エミル出版
- おすすめのポイント
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Q. 良かったところ
ページ構成がシンプルで見やすい。「Phonetic Change」のセクションで音声変化に関する説明が最初にあるので、重視するべきポイントを最初にしっかり意識してから取り組むことができる。音声変化に力を入れているので、実際の英語を聞くことに近づけていると思う。
スクリプトをうまく活用することで、音読からのリスニング力の向上や読解にも活用することができ、動画から興味を持った内容を広げることもできている。
Q. 困ったところや改善してほしいところ
「Phonetic Change」のところに、音の説明はあるが音声が付いていないので、今は教員が発音して聞かせている。音声を付けてほしい。
Q. 導入の経緯や、本教材採用の意図と狙い
問題/課題:
音声面からの英語能力の強化を目的としたListening教材を各学年に1冊は導入しており、毎年その学年に合うものを選定して使っている。本教材は、私が2年前に高3を担当した際、送られてきたいろいろなサンプルの中で見比べて、同シリーズの『Pre Advanced』(高3向け)が共通テスト向けのリスニング教材に入る前のレベルとして非常に良い印象だったため、採用してみたことがきっかけ。レベル設定が丁寧であった点、解説の詳しさや見やすさの点で、とても使いやすかったので、昨年高1の担当になったタイミングで『Basic』を導入し、今年度は2年生に持ち上がり、その上のレベルの『Standard』を使用している。
状況(クラスの人数やレベル):
レベル感は、英検3級~準1級まで幅広い。特進コース6クラスと専門コース3クラスを含む、普通科のほとんどすべてのクラスで使用している。1クラスは35〜40人弱くらいいるが、ほぼ足並みをそろえて進んでいる。
他の類似教材ではなくなぜこれか:
各Trainingの最初に「Phonetic Change」というセクションがあり、音声変化に意識を置いて段階的に進めていける。また巻末に、各Trainingに対応して1ページ×20Training分、ディクテーション問題を載せたセクションがあるので、ここをきっちり扱えば、リスニングの力がすごく付くと思い、採用を決めた。
Q. 教材の構成(全体構成、単元ごとページ構成)
全体で20Trainingあり、1Trainingは【見開き1ページ+巻末のディクテーション問題1ページ】の計3ページ構成(Basic、Pre Advancedも同じ構成)
各Trainingは下記の5つのステップ:
1ページ目:
- Phonetic Change:音声変化の解説。音がどういう風に消えているかなどを聞き取って、空所に書き込む
- Listening for Grammar:リスニングによる同意文の判断。英文を聞いて、近い意味のものを選ぶ
2ページ目:
- Listening Practice 長文(3分くらいの会話や文章)を聞いて、問題に答える
3ページ目:巻末に各Trainingのディクテーション問題がまとめられている
- Dictaion
- 英作文
Q. 実際の使い方 (どこを、どの程度のペースで等)
進め方(年/学期単位、授業単位):
年間:高校1年の終わりからStandardを使用開始。2年生の2学期初めに1冊を終え、Pre Advancedに移行。3年生の前半にはPre Advancedは終わるので、その後は模試問題などを行う。
週間:週3回のコミュニケーション英語(2年生はまだ旧課程)で、最初の10分~15分の帯活動として扱う。1つのTrainingを2回に分けて、Listening Practiceまでを1時間目、Dictaionと英作文を2時間目に扱う。授業内で各ステップの問題を解き、模範解答を各自が持っているので、各自で採点。その後、スクリプトを見て本文を確認したうえで、もう一度聞き直し、自分の聞き取ったものと比べて確認する。
指導する上での工夫:
問題を解いた後に答えの確認を必ずステップごとに行うようにしている。そうすることにより、1つずつの段階をしっかり理解したうえで次に進んでいける。理解しないまま進んでいくと、最初の方に学んだことの効果がなくなってしまう。時間がある時は、スクリプトを見て確認した後、各自で音読をする時間も取るようにしている。また、今年度から導入したオンライン英語学習サイト「English Central」で収録されている動画も活用して、知識を広げたり音読や読解力の向上にも役立てている。
Q. 使ってみた結果
授業の取り組みについては、生徒は意欲的である。具体的な数字は出していないが、試験結果もそれなりに 向上しているように見受けられる。本書の長文で扱われたトピックは、授業が終わってからも話している生徒がいるので、興味深いのだと思う。世界のさまざまな国の話題から日常生活に関する話題まで、幅広いトピックが扱われている。
Q. 利用が向いていると思われる学校・クラス・生徒
大学入試を意識する学校であればどこでも。レベルは各種あるので、このシリー ズで各学年に対応して進めていくことができる。
Q. 個人的にあまり合わないと思う学校・クラス・生徒
特にないが、大学入試を念頭に置かないなら、あえてこの教材ではなくても良いかなと思う。
- 静岡県内私立高校 M先生
- 静岡県内私立高校